古賀政男

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    古賀政男コガマサオ

    日本歌謡史に多大なる足跡を残し、昭和53年の没後には国民栄誉賞も受賞した、偉大な作曲家。彼が生まれたのは日露戦争が勃発した明治37年のこと。混乱する世相の中での父の死や兄弟との確執など、苦悩と波乱に満ちた人生を送る中で、彼を支えたのが母への思慕と音楽への強い情熱だった。幼少の頃に譲り受けた大正琴、そして彼の理解者であった四兄から送られたマンドリンが、後に明大マンドリン倶楽部の創設、ひいてはその輝かしいキャリアへと繋がっていく。
    大学在学中から既に音楽家を目指し、名曲「影を慕いて」を発表。卒業後テイチク・レコード専属の作曲家として数々のヒット曲を生み出した。彼が昭和初期から手がけた作品は4000曲余り。「酒は涙か溜息か」「丘を越えて」「東京ラプソディ」「人生劇場」「誰か故郷を想わざる」「湯の町エレジー」「無法松の一生」「柔」など、未だ唄い継がれる普遍の名曲は数知れない。
    "古賀メロディ"と呼ばれ多くの人に親しまれた曲の多くは、寂寥感や哀愁といった感情をそのまま音符に託したかのような——胸を突く凛とした美しさを感じさせるものが多く、それが日本人の琴線に触れて長く愛されてきたわけだが、彼の才能はそういった枠には留まらず、「二人は若い」などのように、あっけらかんとした明るさを湛えた名曲も多く残している。

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