Derek and the Dominos

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    Derek and the Dominosデレク・アンド・ドミノス

    ロック史上に残る名曲「いとしのレイラ」を知らない人は、まずいないだろう。エリック・クラプトンがジョージ・ハリソンの妻、パティ・ボイド(チョーいい女)に横恋慕した狂おしいまでの気持ちを歌ったものである。哀愁のメロディとカタルシスをもたらすドラマティックな展開は、世界中の人々の心を鷲掴みにした。
    クリーム解散後、クラプトンの音楽性は大きく変貌を遂げようとする。デラニー&ボニーやザ・バンドとの出会いにより、それまでのインプロヴィゼーション主体による演奏から歌を大切にした米国南部音楽に開眼。そこで70年に結成されたのが、デレク・アンド・ドミノス——クラプトンと、南部出身者を含む米国人3人によるグループだ。唯一のオリジナル・アルバム『いとしのレイラ』(70年)では、英国特有の湿り気を帯びたメロディとゴスペル・フィール溢れるサザン・テイストが絶妙なバランスで混ざり合い、豪快かつ繊細なスワンプ・ロックを創出。粘っこいリズム・セクションに乗ってのびのびと歌うクラプトンは、ヴォーカリストとしての魅力も開花させ、新境地に達したと言えるだろう。そして、オールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマンも全面的に参加し、極上のスライド・ギターを披露。作品に一層の味わい深さをもたらしている。特に「ハイウェイへの関門」「いとしのレイラ」などで聴けるクラプトンとのギター・バトルは、スリリングを通り越して官能的でさえあり、歴史に残る名演となった。
    しかし、この理想的なグループもメンバー間の衝突が頻発し、火だるまになりながら71年には解散してしまう。その後、クラプトンはドラック漬けの隠匿生活へ……。

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