Elvis Presley

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    Elvis Presleyエルヴィス・プレスリー

    1人の若者が全ての始まりだった。そう、彼が母親の為に録音した1枚のシングルが……。それをたまたま耳にした<サン・レコード>のオーナー、サム・フィリップスにチャンスを与えられたプレスリーは、ロカビリーの誕生を高らかに告げる名曲の数々をレコーディングしていく。スコッティー・ムーアの豪快なギャロッピング・ギター、ビル・ブラックのビシバシのスラッピン・ベースをバックに、プレスリーが黒い喉を駆使してヒーカップ&マンブリング唄法を繰り出す。ここにはロカビリーの全て、すなわち、パンク/ガレージ/ロック/ブルースといった多様な音楽の種子が内包されている。計らずも、メンフィスの十字路で偶然の一致が重なり行われたセッションが、その後の世界に与えた影響といったら……。メジャーに移籍したプレスリーは、「ハートブレイク・ホテル」「冷たくしないで(Don't Be Cruel )」「ハウンド・ドッグ」とビッグ・ヒットを次々に放ち、その存在は社会現象にまでなった。50年代後半より一時期、軍隊に招集されるものの、60年代には華々しく復活。スターの座を揺るぎないものにする。が、コアなファンの間では、入隊を境に評価が分かれるのも事実。70年代のラスヴェガスでのショウなどは、単なる懐メロ・シンガーになりさがったと酷評する者も多い。しかし、ジェームス・バートンを始めとする名うてのミュージシャンたちに支えられた作品を聴けば、良質のブルー・アイド・ソウル〜スワンプ・ロックであることは明らか。エルヴィス・プレスリーはその全キャリアを通して“キング・オブ・ロックンロール”なのだ。

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