切れ味鋭いファンクブルースで新時代を築いたジェームス・コットン・バンドの『100%コットン』
本作がリリースされたのは1974年のこと。ロックは成熟し数々の名盤が生まれていたが、60年代後半や70年代初頭のようにあっと驚くような新鮮なサウンドは少なくなっていたように思う。そんな時に、切れ味鋭いファンクやシンコペーションの効いたブギで、ブルースファンだけでなくロックのリスナーをも虜にしたのが本作、ジェームス・コットン・バンドの『100%コットン』である。コットンはこのアルバムでブギやストンプといったリズムにファンクを掛け合わせたようなサウンドを提示しているのだが、それは本作にギターとアレンジで参加しているマット・マーフィーの仕掛けだと言ってもいいかもしれない。マーフィーは後に映画『ブルース・ブラザーズ』(日本公開は1981年)で俳優としてもいい味を出していた。ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが率いるブルース・ブラザーズの音楽の基本路線はまさしく本作の影響下にあり、その圧倒的な生命力は何年経とうが色褪せない魅力を放っている。