ハンブル・パイのブリティッシュハードロックのエッセンスが詰まった名盤『スモーキン』
60年代から活躍するアーティストたちは70年代を前にして、プログレ、ハードロック、サイケデリック、ジャズロックなど、次々と新しい形態のロックが生み出される現場で、自らのアイデンティティーを探し求めていた。そんな中、アル・クーパーが68年にリリースした『スーパーセッション』はさまざまなアーティストやグループに影響を与え、スーパーグループ結成に拍車がかかった。レコード会社の押し付けではなく、名の知られたミュージシャン同士が演奏するというアーティスト主体の選択で、ブラインド・フェイス、ジェフ・ベック・グループなどと並んで満を持して登場したのがハンブル・パイであった。ハンブル・パイは、スモール・フェイシズ出身のスティーブ・マリオットとザ・ハード出身のピーター・フランプトンが中心となって結成された4人編成のグループ。今回はピーター・フランプトンが抜けたあと、クレム・クレムソン(元コロシアムの名ギタリスト)が加入しリリースされた第2期ハンブル・パイのご機嫌な6thアルバム『スモーキン』を紹介する。