Tony Iommi

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    Tony Iommiトニー・アイオミ

    70年2月13日の金曜日にデビューして以来、へヴィな上にもさらに重いそのサウンドで、独自の世界観を訴えてきたブラック・サバス。現在は、フロントマンのオジー・オズボーンが復帰して、オリジナル・ラインナップで活動しているが、ブラック・サバスの音を支えてきたのは、いつの時代でも、リーダーでありギタリストであるトニー・アイオミだったといってもいいだろう。
    ギブソンSGという、ともするとヘヴィ・メタルという言葉には似合いそうもないギターを手にして、重いリフを主体としたアンサンブルを作ることで、同時代に頭角を現していたレッド・ツェッペリンやディープ・パープルとは違った方向性を打ち出すことに成功したからこそ、ブラック・サバスはロック・ヒストリーにその名を残すバンドになったのだ。
    この長いブラック・サバスの歴史のなかで、トニー・アイオミは85年に元ディープ・パープルのグレン・ヒューズなどと、初のソロ・アルバムをレコーディングしたことがあった。ところが、このアルバムはいろいろな事情のために、アイオミのソロではなく、ブラック・サバス・フィーチャリング・トニー・アイオミという名義でリリースされてしまったのだ。当時、空中分解状態だったブラック・サバスならではのエピソードだが、この『セヴンス・スター』というアルバムをきっかけにして、ブラック・サバスはアイオミのプロジェクト的なニュアンスを強めていくことになる。
    そして、オジー・オズボーンやギーザー・バトラーが復帰して再結成されたブラック・サバスが成功を収めた後の00年10月、『アイオミ』というタイトルでリリースされたのが、名実ともにトニー・アイオミの"1st"ソロ・アルバムとなったのだった。ヘンリー・ロリンズ、パンテラのフィル・アンセルモ、スマパンのビリー・コーガン、ザ・カルトのイアン・アストベリー、システム・オブ・ア・ダウンのサージといった、現代を代表する切れ者に囲まれ、新たな挑戦をみせながらも、そのガンコなギター・スタイルは30年間、変わることのない味を作りだしていた。 (大野祥之)

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