金曜の夜、ひとりでのんびり過ごすの
に似合う曲

ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
今回は、「金曜の夜、ひとりでのんびり過ごすのに似合う曲」をテーマに選びました。連休明けの1週間は、長く辛かった。だから金曜の夜は、ひとりでのんびり過ごしたい。1週間の疲れを癒し、週末にパワーをくれる5曲をどうぞ。

1.「Butterfly Effect」/fox capture
plan

現代版ジャズロックをコンセプトに、それぞれ違う個性を持つバンドで活動する3人が集まり結成されたバンド、それがfox capture planです。今年3月に発表された、第8回CDショップ大賞のジャズ賞を受賞しています。
ジャズピアノトリオの編成を軸に構成される楽曲は、カッコイイ!の一言に尽きます。「Butterfly Effect」は、疾走感あふれる曲にピアノ・ドラム・ベースが絡みあい、その上をヴァイオリンがなめらかに流れていきます。聴いていて、解放感も感じられて、気持ちがいいです。ベランダに出て、好きな飲み物を飲みながら外の景色を眺める。今週の疲れと共に、週末の予定を考えて楽しい気持ちにさせてくれます。

2.「夜の女王のアリア」~歌劇≪魔笛
≫より/田中彩子

コンビニで買った缶ビールでも、自宅でグラスにちゃんと注いで、オペラを聴きながら飲めば、華やかな金曜日になりそう。この曲は、TVなどを通して聴き覚えがある曲かと思います。高い音域での技巧的な歌い方に圧倒され、一度聴いたら忘れられません。華やかで、ドラマチックな雰囲気は、週末に向けた気持ちの盛り上がりを演出してくれそうです。でも、この曲が劇中で歌われるのは、夜の女王が娘のパミーナ(劇中のヒロイン)に、宿敵ザラストロを殺害するように強要し、殺害を拒むのならば、娘の縁は切る、と宣言するシーンです。本来の曲名は、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」という恐ろしいタイトル。とは言え、曲の華やかさは週末をゴージャスにしてくれるようで、とても良いです。

3.「Don’t cry baby feat. 斉藤和義」
/古内東子

斉藤和義のオリジナル曲ですが、古内東子と斉藤和義でデュエットしているのが、この曲です。女性の声、しかも古内東子の甘く色気のある声が一緒に入ると、オトナの男女が歌う優しい恋の歌のような雰囲気になります。
ひとりの金曜日に、時間が流れるのをゆっくり感じながら、部屋でゴロンと寝て聴きたい。ゆったりとしたテンポと2人の歌声が、疲れた心と体をほぐしてくれそうです。
自分だけの時間をじっくり楽しみたい時におススメです。

4.「A Sky Full Of Stars」/coldplay

防水スピーカーを持ち込んで、お風呂で照明を落としながら聴きたいのが、この曲。手頃な値段で楽しめるホームプラネタリウムがあれば、それも持ち込んで楽しみたいところです。ひとりの金曜日を満喫するならば、バスタイムも贅沢に過ごすのもアリだと思います。
この曲は、スウェーデンのEDMアーティスト、Aviciiとのコラボ作品です。エレクトロとバンドサウンドが重なりあい、音がどこまでも広がるような感じがして、美しい曲です。音に合わせながら、湯船のお湯を叩いてみて、ちょっと子どもに戻った気分で楽しめそうです。

5.「Sunrise(re-build)」/ぼくのりり
っくのぼうよみ

2015年デビュー。今年の春に高校を卒業したばかりの18歳、ぼくのりりっくのぼうよみ。若さを感じるけれども、詞にも声にも説得力があり、とっくに18歳を過ぎてしまった大人が聴いても心を揺り動かすものがあります。「Sunrise(re-build)」を聴くなら、ひとりでぼーっとしたまま、明け方になってしまった時に良く似合います。ちょっと内省的になりつつも、変に感傷的にはならない絶妙な感じが心地良いです。このまま朝陽が昇るのをひとりで見てしまおうか、なんて思わせてくれます。
ひとりで過ごす長い夜は、楽しいけれど、ちょっとだけ寂しさも感じてしまうものです。そんな時に、側にいるとなんだか相棒のように感じられる曲です。
(選曲・文/石井由紀子)

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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