退屈な授業時間、本当はダメだけどこ
っそりイヤホンを耳に指して流してみ
たい曲

ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
今回は、「退屈な授業時間、こっそりイヤホンを耳に差して流してみたい曲」をテーマに選びました。中学高校時代は遥か昔、という方も、この経験はあるのでは?授業時間から気持ちだけ抜け出すための曲を選びました。

1.トランジスタ・ラジオ/RCサクセショ

退屈でかったるい授業時間、ドロップアウトして学校の屋上でタバコで一服しながら、トランジスタ・ラジオから流れてくる聴いたことのないメロディーに心躍らせる。
実際はそんな勇気もないのでせめて気分だけでも、こっそりイヤホンで味わってみたいものです。
RCサクセションの名曲「トランジスタ・ラジオ」は、勉強よりも音楽に夢中になった学生時代の青い1ページを思い起こさせてくれます。そして、授業をサボって聴いていたラジオから、後の自分に一番影響を与える音楽と出会ったりもするのです。先生からはこっぴどく叱られるかもしれませんが、振り返ればそれも青春の1ページなのです。
(選曲・文/阪口マサコ)

2.「PONPONPON」/きゃりーぱみゅぱみ

50分の授業時間。内容を聞く気がしないなら、その時間は楽しい想像と妄想の時間に変身させてしまいましょう。「あの交差点で みんながもしスキップをして」から始まるこの曲こそ、50分をカラフルに彩ってくれるのに最適です。放課後に友達と行こうと思っている、アノ街の交差点。もしも、交差点を歩く人がみんなスキップしたら、世界はもっとハッピーになるんじゃないかな・・・など、幸せな妄想が止まりません。2011年のデビューアルバム『もしもし原宿』に収録されている「PONPONPON」。中毒性のあるリズムが耳に残り、気づけば歌ってしまう。幸せな気分を振りまいてくれる曲です。
(選曲・文/石井由紀子)

3.「Cruisin Music」/RASPBERRIES

学生時代の夢想は実は大切な必須科目なのかもしれない。特にイマジネーション豊かな中学生にとっては。3階にあるクラスに所属している俺の席は、窓際の一番後ろの特等席。前の席は一番背が高いノッポさんだからガードも完璧だ。イヤホンは当然コードレス。今日は向こうに見える海を眺めながら、兄貴から借りたラズベリーズ(1974年リリースの「STARTING OVER」)を聴こう。タイトル通りのクルージング・ミュージック。この爽やかなコーラスに、来たる海のシーズンへの期待が高まる。今年はあの娘を誘うぜ!・・・・・・なんて感じかな?ここまで書いて心が痛くなったので、おじさんの夢想はこれでおしまい。次回、また会いましょう。
(選曲・文/旧一呉太良)

4.「Today」/The Smashing Pumpkins

テストの採点が返ってきたら赤点だった、教科書忘れた、おまけに気になる彼女は今日は欠席。今日のオレ、この退屈な授業時間をどう過ごせばええねん。。
そんな最悪な気分の時に「最高な今日」の歌を。
スマッシング・パンプキンズの1993年のシングル曲「トゥデイ」は、ヴォーカルのビリー・コーガンが自暴自棄な気分の時に書いた歌だそうです。「Today is the greatest day=今日は最高の日」という歌詞は、最低の日という意味も含みながら、これ以上悪くならないという意味で「最高の日」としているのだそうです。冴えない気分に同調してくれるうえ、ディストーションしたギターが、かったるい気分を吹き飛ばしてくれます。もちろん授業中はダメなのでしょうけど、イヤホンで爆音で聴きたい1曲です。
(選曲・文/阪口マサコ)

5.「サイレントマジョリティー」 / 欅
坂46

中学生や高校生は、とても多感で難しい年頃。もちろん授業を聴いてテストで良い点を取るのも大事なことですが、それが後々何の役に立つのかと考えることもあるはず。“君は君らしく生きて行く理由があるんだ”“この世界は群れていても始まらない”、“Yesでいいのか?サイレントマジョリティー”。これが10代に対する答えなのかは分からないですが、少なくとも道標になる言葉ではあるような気がします。センターを張る14歳の少女・平手友梨奈をはじめとした10代メインの彼女たちが歌うからこそ、余計に説得力を感じます。(選曲・文/Kersee)

6.「COMPLEX」/電波少女

授業を聞いている気分じゃないけど、教室から勝手に出る勇気もない。そんなジレンマを抱えた心に寄り添うのが、次世代ヒップホップの最先鋒、電波少女の「COMPLEX」。うまく行かないことへのイライラや焦りを、美しさと寂しさが混じるトラックに乗せて表現しています。この曲を聴いていると、雨が降り始めそうな灰色の曇り空に、紫陽花が色をつけ始めている、といった景色を思い浮かびます。鬱々としているけれど、希望はゼロではない、そんな感じです。
電波少女と書いて“でんぱがーる”と読む彼らは、2009年に動画投稿サイトに突如現れたグループ。メンバーの脱退などを経て、現在はMC担当ハシシとパフォーマンス&ボタンを押す係担当nicecreamの2名で活動しています。自分の内にある想いが乗ったラップは、聴く人の共感を呼んでいます。現在、人気急上昇中の2人組です。
(選曲・文/石井由紀子)

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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