海辺でサザンとTUBEにもう1曲……な
らコレ!

選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は、夏の定番にプラスワンモア!「海辺でサザンとTUBEにもう1曲……ならコレ!」です。

1.「海の声」/浦島太郎(桐谷健太)

●浦島太郎は、音楽への愛も海のように深い
“浦ちゃん”こと俳優桐谷健太の魅力を全国区に広めたau「三太郎シリーズ」CM。彼自ら三線をつまびき歌う「海の声」篇のBEGIN作詞曲によるこの歌は、au公式HPにて全編公開中。乙ちゃん(乙姫)へのラブソングは波音のように心地よく、“フツーに泣ける”と配信曲は瞬く間に大ヒットを記録した。ケンタッキー社のCMでは軽妙なラップも披露、バンド活動も行い、今秋にはアルバム『香音-KANON-』をリリース予定。桐谷さんの音楽への愛もまた、海のように深いのです。
(選曲・文:石井由紀子)
 

2.「YURAMEKI SUMMER」/KEYTALK

●今時の海辺の夏祭りといえばやっぱり!
今いちばん夏の祭りを体現しているバンドは、KEYTALKではないでしょうか。2015年に発売された「YURAMEKI SUMMER」は、祭りの盛り上がりもさることながらBメロの和音階が実に絶品。昔から盆踊りや東京音頭が夏祭りの風物詩になっていますが、100年後には彼らの曲がそれに代わる存在になるのかもしれません。ちょっとテンポ速いかもしれませんが、まあ人々の動きも進化するかもということで?そこはひとつ。
(選曲・文:Kersee)
 

3.「Jamica Song」/BOOKER T

●ハナレグミもカバーしたアコースティック・ソウル
浜辺で寝転んでいると、向こうから潮騒と子供たちの声。昨日は深夜まで残業だったから、本当はサウナで昼寝でもしていたかった。でも海に連れてきてよかったなぁ。あいつら、あんなに楽しそうに遊んでいるよ。お父さん、明日からまた仕事、頑張るぞ……以上、日曜日のひとコマより。BGMはブッカーT&MG’Sのリーダーがソロとして発表した74年のアルバム『EVERGREEN』からこの一曲。甘く優しい歌声が、広い海のように包み込んでくれます。
(選曲・文/旧一呉太良)
 

4.「Makaha At Midnight」/Bruce Joh
nston

●夜の海辺であなたは
後年、ビーチ・ボーイズに加入することになる、サーフ・ミュージックへの愛情に溢れるミュージシャン、ブルース・ジョンソン。彼が1963年に発表した曲です。昼ははっちゃけても、夜は別モード。成功したあなたにはムーディなひと時を、失敗しちゃったあなたには哀愁漂う孤独なひと時を……。切ないメロディーが素晴らしく、海の懐の深さに思わず感謝します。
なおこの曲は邦訳カバー「夕陽のなぎさ」として、弘田三枝子も歌っています。
(選曲・文/旧一呉太良)
 

5.「Pacific」/Suchmos(サチモス)

●レペゼン茅ヶ崎の新進気鋭!黄昏の海でチルアウト
7月6日にリリースされたばかりの新作E.P.「MINT CONDITION」も絶好調!のサチモス。こちらは昨年リリースのファーストアルバム、その名も「THE BAY」からの1曲です。 夕陽に染まった穏やかに波打つ海を眺めながら、潮風を感じる……そんな時、こんな心地良いグルーヴの音楽が側にあったら、きっとこの上なく幸せでしょう。同時に、いつまでもこの瞬間が続けば良いのに、とちょっぴり切ない気持ちになってしまうかも……。
(選曲・文/高原千紘)
 

6.リムスキー=コルサコフ作曲、交響組
曲「シェエラザード」より、〜海とシン
ドバッドの船〜

●美しく優しいシェエラザードの虜になる
夏の定番曲サザンの「勝手にシンドバッド」やピンク・レディー「渚のシンドバッド」の“シンドバッド”は、ディズニーでもおなじみ「千夜一夜物語」の登場人物です。この大長編の語り手が、シェエラザード。妻の不倫で乱心した王を、数多の物語でなだめ、改心させようとする大臣の娘のお話です。
王の威圧的な態度を現す大きなトロンボーンと、これを諭すように入る美しいバイオリンソロ。繰り返される旋律が、長い夜の語らいを描きます。シェエラザードの魅力そのままに繊細かつロマンティックな、魔法のメロディーをお楽しみください。
(選曲:堀川将史/文:高原千紘)
さて、お気に召した選曲はございましたか。
ぜひこれを機にCDやレコードなどの音源でも、各曲をお楽しみいただければ幸いです。
それでは、また。

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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