ホラー映画に怪談話…恐怖をごまかす
鼻歌曲

選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回は夏の夜の恐怖にむけて「ホラー映画に怪談話…恐怖をごまかす鼻歌曲」です。

1.「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」/DJ O
ZMA

●クラブでナンパからの……エッチな事を妄想する
お化け怖い!1人怖い!って時にどう対処しているのか、某まとめサイトにユニークな方法がいくつか紹介されています。その中に「とにかくエッチな事を妄想する」とあり、確かに!と納得した次第でございます。
アゲアゲなギャルorギャル男(ちょっと古いですが……)のテンションでハミングする、カラッと明るいエロ鼻歌こそ、恐怖心を吹き飛ばすには最適かと。ナーナーナナナ♪
(選曲・文/高原千紘)

2.ヴェルディ作曲オペラ『リゴレット』
より「女心の歌」/ルチアーノ・パヴァ
ロッティ

●左右にスイング。三拍子で軽やかに!
この曲を歌わせたら、この方の右に出る人はいないでしょう。好色なウハウハ感で軽快に歌いつつ、強引にねじ込んでくる重厚さも併せ持つ見事な歌唱です。恐怖に満たされた心にグイと割って入り、あっという間に朗らかな気分にしてくれます。日本語の訳詞もありますが、今回はイタリア語の「ラララ~」で気楽に親しみましょう。
(選曲・文/山本陽子)

3.「Hey,Jude」/Assagai

●アフリカンリズムではい、えーおー
アパルトヘイト政策が敷かれた南アフリカからイギリスへと逃れたミュージシャン達が結成したグループ。1971年のファーストより。アフリカの言語が醸し出す独特な脱力感が、原曲の歌詞やリズムと合わさって、不思議と元気が出る歌です。えーおー、という鼻歌しやすいおおざっぱさ加減も魅力。
(選曲・文/旧一呉太良)

4.「どんたく」/サディスティック・ミ
カ・バンド

●お祭り騒ぎは終わらない
1974年のアルバム『黒船』より。底抜けに明るい曲「どんたく」。これを聴けば、さっきまでの怖い気持ちはどこへやら。能天気でハイテンションな日常へと誘ってくれます。とくに合いの手「お祭り騒ぎー」の掛け声には中毒性があり、鼻歌も自然に出てしまうこと請け合い。
ただし気に入ったあまり、何度もリピートするのは要注意。脳内にこびりついて夏の間中、「どんたく」があなたの頭の中をグルグル回っていることになるかもしれません。どんたく、どんたく、どんたくどんたくどんたく。
(選曲・文/旧一呉太良)

5.オペラ「ドン・ジョヴァンニ」より/
W. A. モーツァルト

●ホラー(恐怖)は、もしかしたら、身から出た錆?
モーツァルトの生涯を描いた映画『アマデウス』にも登場する、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の有名なシーンより。素行の悪い主人公は「悔い改めよ!生き方を変えよ!」とたびたび反省を促されたのに、執拗に拒んだ結果、ついには地獄の扉に引きずりこまれて――どこか恐ろしく、また道徳的なものを感じる一曲です。
もしかしたら、恐怖とは身から出たさびが、感情となって表れたものかもしれませんネ。
(選曲・文/堀川将史)

6.「PERFECT HUMAN」/RADIOFISH

●”恐れるな おののくな” 完璧人間を崇めよ!!
オリエンタルラジオの有名な「武勇伝ネタ」は、藤森が中田を誉めたたえる構図で成り立っています。RADIOFISHでの新しい試みも、藤森の軽快なラップに乗せてとにかく中田を崇め奉る内容であり、彼らの必勝パターン、売れるべくして売れていると言えます。
崇高なる存在を想うことで、人はあらゆる恐怖心を払拭し、自分も強くなれるのです。”na, ka, ta, nakata”の部分をあなたが思う「神」の名に差し替えて、オリジナル無敵ソングにカスタマイズしてみては?
(選曲・文/高原千紘)

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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