五輪開幕!フォルサ!フォルサ!選手
に一曲

選曲のエキスパート“ミュージックソムリエ”があなたに贈る、日常のワンシーンでふと聴きたくなるあんな曲やこんな曲――今回はリオ五輪の選手に捧ぐ“フォルサ(Força:がんばれ)”な一曲です。

1.「Hero」/安室奈美恵

●見るべきは「winner」だけでなく
今年のNHKオリンピック・パラリンピックの公式ソングは安室奈美恵。名実ともに納得の人選だと思いますが、決定を受けて彼女はこうコメントしています。――皆さんの戦う姿は、いつもたくさんの人に夢や希望、感動、勇気を与えてくださいます――。勝敗ではなく、戦う姿にフォーカスしたからこの曲名なのだ。日米4000本安打を達成したイチローが「これまでに8000回悔しい思いをした」と語ったことを思い出します。選手たちみなに、ここに至るまでの人生があり、家族や仲間があり、悔しい思いがある……。
そろそろいい加減に、「メダルは何個か?金はいくつか?」という五輪精神から大きくかい離した喧騒からは離れて、この16日間だけでも、ただヒーローたちの姿に胸を焦がしたいと思います。
(選曲・文/麻布さやか)

2.「berangkat-ブランカ-」/THE BO
OM

●日本人が自信を持って送るブラジル音楽の傑作
日本を代表するバンド・THE BOOMは、実は南米でも非常に知名度が高い。ブラジルとの関係も大変深く、1996年には今回の五輪開催地・リオデジャネイロを含む現地でツアーも開催。ブラジル音楽をメインにしたアルバム『極東サンバ』が発表されたのは1994年、「berangkat-ブランカ-」はその先行シングル曲です。アマゾンの奥地をイメージしたサウンドで、飛行機なら24時間も要する遥かな自然を、日本にいながらにして感じられます。いよいよ五輪も開幕、これから始まる大きな祭典に向けて高まる一曲ではないでしょうか。
(選曲・文:Kersee)

3.「ネギさま!Bravo☆」/Negicco

●苦節時代のメンバーが、サンバで盛り上げる隠れた名曲
先日のNHKホール・ワンマンライブが、素晴らしい大成功を収めたNegicco。私も足を運びましたが、感動のあまり何度も涙が流れました。
この公演で序盤のセットリストに入ったこの曲。サンバのリズム全開の夏ソングで、前奏のNao☆ちゃんによる高らかなホイッスルは名シーンだったように感じます。発表された2010年は、彼女たちがヒットしないどころか所属事務所の確保にも苦労していた時代。ああ、また涙が……。
ブラジルと言えばサンバ!しかも“Brazil”と“Bravo”は音が似ている!(苦しい・笑)というわけで、他のどのサンバ曲よりも、今夏にふさわしい一曲です。
(選曲・文:Kersee)

4.「ZAZUEIRA」/Elis Regina

●「ざーずえいらぁぁぁア」の伸ばしきる所で恍惚
この曲は恋人を待つ男の”ワクワクルンルン”な気持ちを歌っています。ブラジルを代表する作曲家ジョルジ・ベンのペンによる曲で、今回はエリス・レジーナの代表作『In London』(1969年)のヴァージョンを選びました。これから良いことが起きる、と期待感あふれる朗らかなエリスの歌声はもちろんのこと、小気味よいキーボード、うねるベース、手拍子、笛などが渾然一体となって、選手はもちろん、観客である私たちの期待をも高めてくれます。「待ってました!!ざーずえいらぁぁぁア!!」
(選曲・文/旧一呉太良)

5.「Try Everything」/Shakira

●失敗したって諦めない!何度でも立ち上がるのよ!!
コロンビア出身の歌姫シャキーラが歌うディズニー映画「ズートピア」の主題歌。作詞はなんとSia(顔見せしないおかっぱヘアーというヴィジュアルを貫き、ずば抜けた歌唱力を持つ女性シンガーソングライター。代表曲「シャンデリア」「アライヴ」)が手がけている。
失敗したって諦めない、私は何度でもスタートし直すし、何だって挑戦するのよ!という超ポジティブな歌詞、そしてOh,oh,oh,oh〜の掛け声は闘う選手を鼓舞するのにピッタリです!
(選曲・文/高原千紘)

6.歌劇『カルメン』より「闘牛士の歌」
/須藤慎吾

●闘争心に火をつける渾身のパフォーマンス!
闘う者の緊張感と闘いの厳しさを表現した前半、夢の舞台に立つ権利を勝ち取った圧倒的な自信と大観衆の期待に応える情熱を表現した後半、まさにリオの地で聴きたい一曲です。歌い手にはもちろん、世界が認める日本人歌手、豊かな声量・響き・表現力が持ち味の須藤慎吾氏。戦う者のココロを代弁するかのように、バリバリと吠えています! この歌を糧にして、選手の皆さんには存分に実力を発揮してほしいと願っています。
(選曲・文/山本陽子)

7.「風の凱歌」/林 明日香

●試練を乗り越え、この手に栄光を必ず掴んでみせる!
2004年に13歳で衝撃的なデビューを飾った林明日香の2ndAlbum『初戀』に収録された一曲。彼女の代表曲「ake-kaze」と同じ作詞:鈴木健士、作曲:山移高寛の作品です。
――力よ届け 栄えある光浴び 高く輝かに この身を讃える 炎燃え――
オリンピックで戦う多くのアスリート達を奮い立たせるパワフルな歌声と繊細な歌詞。挫折や試練を乗り越え、勝利を目指し続ける日本を始めとした各国の選手達に贈ります。
(選曲・文/麻布さやか)
さて、お気に召した選曲はございましたか。
ぜひこれを機にCDやレコードなどの音源でも、各曲をお楽しみいただければ幸いです。
それでは、ガンバレ!ニッポン!

著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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