【12012】
取材:土屋京輔
とにかく伝えたい気持ちが膨らんだ
アルバム『DIAMOND』の次となるシングルは、意外性も感じさせる「MERRY GO WORLD」で来ましたね。
塩谷
5年目の一発目ということもあるんですけど、ちょっと新しい挑戦もしたいなぁと。それと最近、完全にバンドが外を向いているんですよ。ずっと現代社会というものに対して歌ってきたけど、歌詞の一部をとるなら、“僕等が叫ばなければ”というところなんですよね。とにかく伝えたい気持ちが膨らんだし、新しいお客さんにも聴いてほしい。そんな意味でも入口になるようなキャッチーさを意識して作りました。
川内
僕はまずインパクトがあるなぁという印象だったんですけど、実際にレコーディングしてみても想像以上のものができたんですね。こういう曲調でも12012としてのグルーブが出せたし、すごく手応えを感じましたね。
酒井
ポップじゃなく、ロックの要素もちゃんと詰め込むことができたし、2008年のいいスタートになったかなと。
須賀
上辺だけじゃなく、ちゃんと実も詰まってますしね。
宮脇
ポップな曲は耳に入りやすいけど、デメリットもあるんですよね。例えば、強い内容のことを歌っても響きにくかったりして。でも、そこも今回は上手く調和できたんじゃないかな。俺が歌えばメッセージ性が強く出てくるところもあるけど、その基盤は演奏で作ってくれたと思うんですよ。
歌詞も、見ている世界がより広い印象がありますよね。
宮脇
自分としてもひと皮むけたい時期なんだけど、そのきっかけとしてもいい曲になったというか。いろんなものが常に変わってくる中で、この曲が与えてくれたものが3つぐらいリンクしたんですよね。誰に向かって歌うのか、どんな状態で自分が歌うのか、次のモードの自分。内容的には生きている今を書いてるんですけど、このスピード社会…メリーゴーランドと一緒ですよね。ずっと同じところを回っていて、同じことが繰り返されている。乗っている人はそれがあまり分からないんだけど、外に出て俯瞰して見ると見え方も違う。そこでもう一度、乗り込むんですね。ーーその中で“叫ばなければ”と決意して行動に移すと。
須賀
『DIAMOND』を録った後ぐらいからだと思うんですけど、バンドが外を向いていることが如実に表れているし、この5人の意思がすごくこもった内容だと思いますね。
酒井
僕はレコーディングの間際に出来上がった歌詞を見るんですけど、ブースで歌っている声を聴いた時、やっぱ何か叫びたいんだろうなという勢いを感じたんですよ。
宮脇
でも、いい叫びですよ、苦悩とかではなくて(笑)。
前向きな気持ちですね。ライヴで披露される日も楽しみです。さて、結成5周年を記念して、“嵐”なるタイトルが付けられた赤坂ブリッツ公演が5月15日に決定しましたね。
宮脇
5周年であり、シングルの発売もあり、3月から回ってきたツアーのファイナルでもあり、いろんな思いが込められてるし、気持ち良さを残したいですね。みなさんの煩悩を全て吹き飛ばしてあげたいと思ってますよ。
塩谷
特別なライヴにしたいですね。最近やってない曲も織り交ぜつつ。“嵐”なんでエラいことになりそうですね。
須賀
この間も話してたんですけど、気合いが入ってるのはメンバーだけじゃないんですよ。知らないところで、スタッフもすごい状態になってる感じで(笑)。最近のライヴとはまた違う、集大成を見せることができるんじゃないかな。
アーティスト