【VAMPS】映像作品としてのベスト盤
をリリースできて良かった
VAMPS初のMV集『HISTORY-The Complete Video Collection 2008-2014』がリリースされた。“HISTORY”とタイトルにあるように、結成から2014年までのMVをコンパイルした、VAMPSの歴史が詰まった映像作品となっている。そんな同作について、メンバーのふたりに答えてもらった。
取材:土内 昇
今までのMVをコンパイルした映像集『HISTORY-The Complete Video Collection 2008-2014』がリリースされましたが、このタイミングで本作を発表しようと思った想いというのは?
HYDE
よく考えたら結構作品が溜まってたから、この辺で一度リリースしておかないと、今後ものすごいことになっちゃうと思ったので、リリースすることにしました。EXILEでいうところの、第1章が終わった感じ(笑)。
K.A.Z
ライヴ映像作品はリリースしてたけど、こういうMVを集めたものは出してなかったから、このタイミングでリリースしてみてもいいかなと思って。
MVを作る時ですが、やはり楽曲を作った時のイメージや世界観から撮影してもらう監督の選出をするのでしょうか?ロードムービーのような「SWEET DREAMS」での鶴岡雅浩さん、ショートムービーのような「VAMPIRE'S LOVE」での二階 健さんは打って付けだと思いました。
HYDE
まぁ、ケースバイケースですね。もともと僕の中にアイデアがある場合もあるし、監督に委ねて面白いアイデアが出てくるのを待つ場合もあるし。
K.A.Z
そうだね。いかにVAMPSが面白く(カッコ良く)映るかで、映像制作チームを選ぶというかね。いろいろやってみないと、その人その人のテイストも見えてこないだろうしね。
印象深いもの、思い入れのあるMVはどれになりますか?
HYDE
「ANGEL TRIP」は撮影環境がものすごく暑かった。タイまで行ってね。
K.A.Z
「THE JOLLY ROGER」「GET AWAY」の撮影の時は香港に行ったね。夜景をバックにシーンを撮ったり、船で航海している撮影なんかもあったりして…いろいろ記憶に残ってるよ。
では、個人的に一番お気に入りのMVは?
HYDE
「VAMPIRE’S LOVE」かな。ものすごくこだわった作品だったから。
K.A.Z
「SWEET DREAMS」とかは、その当時のアルバムだったり、ツアーを思い出せるような描写になっていて、曲の感じも伝わりやすいだろうし、個人的にはお気に入り。
「LOVE ADDICT」のMVは目覚めたドラキュラよりも、VAMPSのほうが強いヴァンパイアだったというような映像で、VAMPSとしての1stシングルらしい内容だと思いました。やはり初めてのMVということも意識されていたのでしょうか?
HYDE
やっぱり、まずヴァンパイアを出しておこうと思いましたね。撮影エピソードはもちろんあるんだけど、話せないことのほうが多いかな(笑)。
K.A.Z
バンド名を象徴するようなドラキュラなんかも出てきたりして…バンドのフレッシュな感じがあったかもね。楽器もたくさん壊したし(笑)。
やはり「LOVE ADDICT」〜「EVANESCENT」の1stアルバムが出るまでのMVは、映像でもVAMPSの方向性など、“VAMPSとは?”というものを提示しようとしていたという感じですか?
HYDE
そこまで細かく意識していたわけではないけど。「EVANESCENT」はちょっと違った雰囲気を出せるような意識はあったかな。
ちなみにShampooのカバー「TROUBLE」は2ndシングル「I GOTTA KICK START NOW」のカップリング曲ですが、MV化されているのは、この曲でMVを作りたかったからですか?
HYDE
これはCMスタートで、MVも作ろうかという流れでしたね。本当はヘリコプターで飛んでいく予定だったんだけど、悪天候で実際には飛べなくなっちゃったんだよね。残念。
ベストアルバム『SEX BLOOD ROCK N' ROLL』のリリースの際に「REVOLUTION」と「MY FIRST LAST」がMV化されましたが、遊び心たっぷりの「REVOLUTION」MVもですが、暗闇の中で焚き火を前にしっとりと歌うHYDEさんに惹き込まれる「MY FIRST LAST」のMVは印象的でした。
HYDE
「MY FIRST LAST」はどうせタイに行くなら、もうひとつ撮ろうよということになって、現地で印象的だったランタンを飛ばすお祭りのコムローイの雰囲気を映像化できないかなと思って作りました。
圧巻なのは「VAMPIRE'S LOVE」のMVで。映画『ドラキュラZERO』日本版イメージソングということもあってか、もはやショートムービーですね。
HYDE
この曲は作曲の段階ですでに物語のイメージが頭の中にできてて、それを純粋に映像化したものですね。ロンドンでの撮影だったな。
K.A.Z
通行人も都合良くエキストラ的な感じで参加してくれたね(笑)。
本作はタイトルに“HISTORY”とあるように、VAMPSの歴史がうかがえる内容にもなっていますが、完成しての想いを聞かせてください。
HYDE
血液型がA型なので、1回ピシッとこうやってまとめたかったんだよね。嘘だけど(笑)。
K.A.Z
(笑)。そうだね、映像作品としてのベスト盤をリリースできて良かったなと。
希望的観測も含めて、今後はどんなMVを作りたいと思っていますか?
HYDE
ハリウッド級の映像プロダクションなんだけど、完成したら全編モザイクという、新しいアイデアとかどうかな?(笑) まぁ、それは冗談として、海外のオーディエンスがどのような映像を好んでるのかも知りたいね。
K.A.Z
写真とかでも雰囲気が違うと思うんだけど、海外で撮影するとなんかこう雰囲気の違いなのか、色味の違いなのか、日本ではできないような映像が撮れるから、海外での撮影はチャレンジしたいよね。
・・・
『HISTORY-The Complete Video Collection 2008-2014』2016年12月14日発売Virgin Music
- 【初回限定盤クラッチバッグ・パッケージ】
- UIXV-90015 14040円
- ※クラッチバッグ、ニット帽、2017年卓上カレンダー付
ヴァンプス:2008年にHYDE(L'Arc〜en〜Ciel)とK.A.Z(Oblivion Dust)により結成されたロックユニット。全国のZeppを中心に連続公演を繰り広げる“籠城型ツアー”をはじめ、毎秋恒例のVAMPS主宰『HALLOWEEN PARTY』など、多彩なスタイルのライヴを展開。13年にレーベルをユニバーサルミュージックに移籍。海外レーベルSpinefarmと契約し、世界で2枚のアルバムをリリース。アジアを含む世界13カ国でのツアーを行ない、海外活動に関してはモトリー・クルーの事務所、10th STREET ENTERTAINMENTと契約。VAMPS オフィシャルHP
VAMPROSE
ご存知、L'Arc〜en〜Cielのヴォーカリスト。01年10月にソロ・シングル「evergreen」を自身のレーベル<HAUNTED RECORDS>より発表。02年3月には1stアルバム『ROENTGEN』をドロップ。同時に制作された、全編英語詞のインターナショナル盤も韓国・台湾などアジア各国でリリースされる。03年12月には2ndアルバム『666』をドロップ。3ピース編成によるソリッドなバンド・サウンドを軸に、どこまでも真っ直ぐに自らの“ロック”を聴き手に突きつけている。公式サイト(レーベル)
ジャパニーズ・ミュージック・シーンを代表する、名実ともにNo.1ロック・バンドだ。現メンバーはhyde(vo)、ken(g)、tetsuya(b)、yukihiro(dr)の4人。91年、現リーダーのtetsuyaを中心に結成。大阪を拠点に、ライヴ活動、オムニバス・アルバムへの参加を通して人気を定着させていく。93年には、1stアルバム『DUNE』を発表。インディーズながら好セールスを記録した。翌94年、<Ki/oon Records>よりビデオ・シングル『眠りによせて』にてメジャー・デビュー。
その後のメンバー交代劇をもろともせず、破竹の勢いでスターダムを駆け上がったのは、周知の通りであろう。ハード・ロック、ポジティヴ・パンク/UKギター・ロックを基調としたサウンドと、hydeによる美しくも儚い幻想的な詞世界が完全に融合し、高次元のポップ・ミュージックを形成。さらに、日本屈指のハイ・レヴェルな演奏は、楽曲の素晴らしさをビルド・アップさせるに至った。とくに、tetsuya特有のスライドを多用した流れるようなベース・ラインはサウンドの要である。時流に迎合することなく、いい意味で音楽的エゴに満ちたアーティスティックな楽曲を創出し、それらがチャートを席巻しているという事実は壮観である。L’Arc〜en〜Ciel オフィシャルHP
オブリヴィオン・ダスト:1997年にシングル「SUCKER」でデビュー。オールドロックからグランジ、先鋭的インダストリアルまで、ありとあらゆるテイストを貪欲に吸収し噛み砕き、そして濃厚かつストレートに再構築。ゆえに、1度聴いただけで心奪われるほどの即効性を持っている。01年に解散するが、07年に復活ライヴを敢行。11年に約3年振りとなるワンマンライヴを行ない、本格的に活動を再開した。OBLIVION DUST オフィシャルHP