L→R tadaa(Ba)、新 大作(Vo&Gu)、440(Dr)、にっぽ(Gu)

L→R tadaa(Ba)、新 大作(Vo&Gu)、440(Dr)、にっぽ(Gu)

【MOLE HiLL】聴いてくれる人の力に
なれるんじゃないかな

純度の高いポジティブなリリックをポップかつキャッチーなメロディーに乗せた楽曲を携えて、全国各地でライヴ活動を展開中。京都出身の4人組ロック・ポップバンド、MOLE HiLLが、満を持して1stフルアルバム『Time』を発表したぞ!
取材:帆苅智之

1stアルバム『Time』ではバラエティー豊かなサウンドを聴くことができて、MOLE HiLLは懐の深いバンドという印象を受けました。メンバーそれぞれ、影響を受けたアーティスト、バンドには、どんな方の名前が挙がりますか?

最初にバンドマンとしてステージに上がりたいと思うきっかけになったのは、メロコア、スカコア、ミクスチャーロック、西海岸系のパンクといった、ステージパフォーマンスが激しくて、若干悪くてカッコ良い人間がやっている音楽でした。アーティストで言うとHi-STANDARD、SNAIL RAMP、Good Charlotte、Simple Plan、Linkin Parkなどですね。
にっぽ
他には、RED HOT CHILI PEPPERS、ユニコーンですかね。演奏に遊び心があって、やはり何回聴いても飽きないフレーズ、聴くたびに新しい発見がありますよ。
tadaa
自分は小学生の頃から吹奏楽ばっかりやっていたんですが、SOPHIAのライヴビデオを観てバンドを始めたんです。もともとは90年代のJ-POPやビジュアル系が好きなんですけど、ベースはcuneの中村泰造さんの影響が強いと思います。高校生の頃にめちゃくちゃコピーしてましたね。
440
もっとも影響を受けているアーティストはGLAYとL’Arc〜en〜Cielですね。中学生の頃にGLAYの「HOWEVER」を聴いてすごくいい曲だなと思ったのがきっかけで、いろいろな音楽を聴くようになりました。その時にちょうど兄貴がL’Arc〜en〜CielのCDをよく買っていたので、同時期に聴いていましたね。

『Time』はサウンドプロデューサーに阿久津健太郎さんを迎えていますが、阿久津さんの参加でMOLE HiLLサウンドはさらに進化した部分もあるのでしょうか?

レコーディングに取り掛かる前にデモ音源のデータのやり取りからまず始まったんですが、阿久津さんの対応の早さとデモ音源のクオリティーの高さにはびっくりしましたね。その作業に今までにないプロフェッショナルを感じて、気が引き締まりました。
tadaa
全曲、デモの段階で完成されているぐらいのクオリティーで、それがまたいちいちカッコ良いので、そこから“どう自分のフレーズを加えるか”“どういうタイム感でどういう音にすれば打ち込みのベースに負けないか”ってことを意識しましたね。
にっぽ
ギターのコード進行で、“メロディーがこういう響きだからこのコードのほうが歌メロがよく聴こえる”とか、“無駄な響きを省くためにこういう押さえ方をしてほしい”など、いろんなことを教えていただきました。ギター録りに大変時間がかかってしまったんですが、最後まで笑顔で付き合ってくれましたよ。
440
メンバーだけではなかなか出てこない案を取り入れたアレンジになっていたり、メロディーをよく聴かすためによりシンプルにしていたり…もちろんメンバー4人それぞれ“ここだけはこれでいきたい”と思う部分もあったりしたので、そこは話し合って納得できるかたちでいい部分を収録しています。

その『Time』の中からそれぞれの推し曲を挙げてもらうと?

「変わりゆく世界と君」ですね。もともとライヴでも必ずやるぐらい大事にしてきた曲だったのですが、そこに阿久津さんのアレンジが加わったことで曲の世界観が広がりました。パワフルなバンドサウンドと生のバイオリンが奏でるきれいな音の旋律が合わさった時は、感動とともに鳥肌が立ちましたね。「変わりゆく世界と君」という楽曲が今までとは別のものに姿を変えた瞬間でした。マジでオススメです。
にっぽ
自分は「Sunshine day」ですかね。ギターのカッティングがあったり、リフも演奏していて気持ちが良いですね。
tadaa
「レンズ」です。西村奈央ちゃんのピアノが加わることによって、今までのMOLE HiLLにない印象の曲になったと思います。ピアノとベースの絡みがめちゃくちゃ気持ち良いです。
440
推し曲はやっぱりMVになってる「Time of your life」と「変わりゆく世界と君」ですが、サウンド面で言うと「Release」が好きです。最初はホーンなどは入ってなかったんですけど、それが入ることでポップ要素が引き立つかたちになりました。
MVは今回初めてしっかりしたドラマの現場で演技させてもらいました。少しの台詞ですけどだいぶ緊張しましたね(苦笑)。
440
「変わりゆく世界と君」のMVで大作が“否定するのはいつでもできるんやし、やらんで後悔するよりやって後悔したほうがいいって誰かが言ってたで”と言う台詞があるんですが、実はその言葉は前日に一緒に飲みに行ってたにっぽが言った言葉なんです。なので、大作がその言葉を言ったあとに僕がにっぽのほうをチラッと見ているんですが(笑)、そこにも注目して観ていただけるとより楽しめるかと思います。

分かりました。アルバム収録曲の歌詞についても訊かせてください。《願いは儚く切なく幻になってく》(「Time of your life」)、《選んでは消えていくその繰り返しの中》(「レンズ」)といったように、“願いや想いは脆く儚い”という内容の歌詞がある一方で、《確実なものばかりじゃないから/人は描いてゆくんだ》《何も変わらない別世界へ》(「変わりゆく世界と君」)といった、現在地点を堅持することも示唆されています。この辺はどのように受け止めたらいいのでしょうか?

“人生は一度”という事実と、その一度さえも“今”を消化し続けて過去で埋まっていくちっぽけなものだと感じた時に、“今”というものをもっと価値のあるものにする必要があると考えて、書き出したフレーズです。あと、たった一度しかない今を、周りの何かではなく自分自らが価値のないものにしていることが多い気もして。“何かを手にすること”ばかりを必死で考える前に、“何かに気付くこと”もとても大切なことなんじゃないかなという想いを共有したくて書きました。聴く人のその時によって欲しい言葉や力になる言葉というのは違ってくると思うんです。それは人によって違うということではなくて、生きている中でいろんな心境が巡ってくると思うんですよね。実際、曲を書く僕もそうなので。そういう意味で、いろんな寄り添い方で聴いてくれる人の力になれるんじゃないかなと思っています。
『Time』
    • 『Time』
    • ANYS-1001
    • 2016.07.20
    • 2700円
MOLE HiLL プロフィール

モールヒル:京都出身の4人組バンド。“等身大のメッセージ”“伝わる音楽”“伝えるライヴ”を理念に京都を中心に全国で活動中。力強さの中に繊細さを兼ね備えた新 大作のヴォーカル、タイトでパワフルな440のドラム、オーディエンスを鼓舞するtadaaのベース、 切れ味の鋭いにっぽのカッティングとソロギター。それぞれ4人の持つキャラクターが重なり、爽快で、実直で、熱い風を届け、見るものを圧倒するライヴパフォーマンスには定評がある。2016年7月20日にバンド初のフルアルバム『Time』をリリースした。MOLE HiLL オフィシャルHP

OKMusic編集部

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