写真左上より時計回り、長谷川 正(Ba)、有村竜太朗(Vo)、佐藤ケンケン(Dr)、ナカヤマアキラ(Gu)

写真左上より時計回り、長谷川 正(Ba)、有村竜太朗(Vo)、佐藤ケンケン(Dr)、ナカヤマアキラ(Gu)

【Plastic Tree】いい意味でベタなプ
ラっぽさを出せればいいかなぁって

PS Vita用ゲーム『Collar×Malice』のために書き下ろした3曲を収録するニューシングル「サイレントノイズ」。新宿を舞台にした恋愛シミュレーションというストーリーを意識して制作された彼ららしい作品に仕上がった。仮想恋愛という非現実と、Plastic Treeというリアルが交錯して、幻のような儚い世界が展開されていく。
取材:舟見佳子

今回の「サイレントノイズ」はゲーム『Collar×Malice』主題歌ですが、そのために書き下ろした楽曲だそうですね。

長谷川
ゲームの制作スタッフさんのほうから“こんなイメージの曲が欲しい”というのを事前に伝えていただいてたんですよ。“ソリッドで、バンドっぽくてカッコ良い曲”みたいな。

こういうドライブ感のある曲はプラの得意な感じですね。

長谷川
そうですね。特に今回、“バンドっぽく”っていうオーダーもあったので、メンバーそれぞれアイデアを出し合って作っていくことが大事かなと思って。やり方としてはPCとかを使って作業をしてたんですけど、イメージ的にはバンドでスタジオに入って、あーだこーだしながら作っていったみたいな。

ゲームの内容は新宿を舞台にした恋愛シミュレーションものということですが、歌詞もその世界観を踏まえて?

有村
舞台が新宿だったりとか、そういう現実的な場所を使って、非現実的な世界を表現するというか。僕は自分の思う現実的な新宿の曲を書いて、それがゲームの世界とリンクしてくれたらいいなぁくらいな感じで書いてましたね。

シチュエーション的には、新宿で、終電で、その後、歩いて帰る道すがら、みたいな感じですね。

有村
夜の街っていうイメージがあるので、新宿って。朝になるといろんなものが露呈して見えるけど、あの街のちょっとカオティックでエネルギッシュな感じっていうか、それは昔から嫌いじゃなくて。断片的にそういう風景を切り取ってる感じです。まぁ、どっちかって言うと曲に呼ばれた言葉なので、特にそこまでゲームのことを気にしてるわけではないんですけど。まず曲に呼ばれた言葉と、自分に接点がある新宿という部分と、あとはなんとなく“そのゲーム全体の中で主題歌だったらこういう切り口はどうかな”っていうような。それを自分なりに考えて書いた感じですね。

タイトルの“サイレントノイズ”って言葉は?

有村
歌詞を書いてる時にポンと出てきたので。この曲の歌詞全体をまとめてる、象徴してる言葉だなっていう。

2曲目の「静かの海」はゆったりしたウェットな曲で、これもプラが得意な感じの曲ですね。

長谷川
今回の3曲に関しては、3曲各々のイメージをあちらからいただいてたので、それにのっとって曲を作っていったんです。この曲はエンディングで使われるんで、エンディングっぽい感じ、やさしい感じの曲ってイメージですかねぇ。

これはライヴで竜太朗くんがギター弾いて…みたいなプラらしい画も見えますね。

長谷川
僕が作った2曲に関しては、いい意味でベタなプラっぽさが出せればいいかなぁっていうのがありましたね。

先方もプラにお願いしたいって言ってきてるんだから、そこを求められてるんじゃないですか。

長谷川
ねぇ。やっぱりそこには応えたいなと思ったんで。だから、取り立てて何か新しいことにチャレンジするとかってことではなくて、今の自分たちが持ってる良さを引き出す曲が作れたらなぁっていうのは考えてましたね。

やさしい曲と言いつつ、でも地味にはならないですよね。

長谷川
まぁ、バンドの曲なんでね。やっぱり、そこは。アコースティックな感じもありつつ、かといって、あまり柔らかくなりすぎないようには作りました。

「サイレントノイズ」の歌詞は第三者との関係や行動があって感じたことという印象ですが、「静かの海」のほうは自分の頭の中で考えてる事柄を綴っているのかなと感じました。

有村
まぁ、そうですね。比較すれば「サイレントノイズ」のほうはわりと傍観者的というか。

“比喩表現”とか“メタファー”って言葉もあるし、竜太朗くんが歌詞を書く上での心境みたいなものも入ってるのかなと。

有村
あぁ、そうですね。確かに、自分のことを書いてますね。「サイレントノイズ」のほうは傍観者だから、周りに対して自分が思ったことを書いてるとすれば、これは実際にその場で歌詞を書いてる自分のことも含めて、音楽やってることも含めて、独白に近い感じもちょっとありますよね。

3曲目「シンクロ」ですが、アキラくん作曲&ケンケンくん作詞コンビの曲っていうのも定着してきましたね。

長谷川
そうですね。3曲目の枠に関しては“タイトル曲よりももっと勢いがあってバンドっぽいものを”みたいなイメージを伝えられてたんですけど、アキラが“こういう曲あるんだけど、どう?”っていうのを持ってきてくれて。で、みんなで聴いて“あぁ、これだったらはまりそうだね”って、アレンジを進めていって作った曲です。

今回のシングルは全4種類のパッケージがリリースされるんですね。通常盤にはメンバーフォトトレカが、初回限定盤Aには「サイレントノイズ」MVのDVDが、初回限定盤Bにはフォトブックレットが付属。Collar×Malice盤には花邑まいさん描き下ろしのメンバーイラストトレカが特典ということで。

有村
今回、宮澤正明さんという著名なカメラマンの方と初めて仕事させてもらったんですけど、その方の世界観でアートワークを組んでみましょうってことになって。MVもブックレットもフォトトレカも宮澤さんに撮ってもらってます。

イラストトレカは、メンバーを描いたものなのですか?

有村
はい。嬉し恥ずかしの(笑)。いろんな意味でこれは必見だっていう。びっくりしますよ(笑)。

王子様っぽいイラストになってるとか?

長谷川
いいや、これがですね…
有村
よくできてるんですよ。

それは楽しみですね(笑)。そして、リリースのあとは秋ツアーが。

有村
今回、3曲新曲ができたということになるので…まぁ、3曲って言ったらね、結構大きなことですよ。それをやれるのがすごく楽しみだなっていう。あとは、国際フォーラム ホールAっていうのが自分たちとしてもすごくやってみたいと思っていたハコなんですよ。バンドとしても期待してるので、ぜひ一緒にライヴを感じてくださいって気持ちが強いですね。
長谷川
ツアーに関しては毎回、ひとつでもいいから新しい何かが自分の中に生まれればいいなぁと思っていつもやってるので、今回もそういうツアーになるといいなぁと思ってます。
「サイレントノイズ」2016年08月17日発売CJビクターエンタテインメント
    • 【初回限定盤A(DVD付)】
    • VBZJ-21 1944円
    • 【初回限定盤B(ブックレット付)】
    • VBZJ-22 1944円
    • 【Collar×Malice盤】
    • VBCJ-30009 1296円
    • 【通常盤】
    • VBCJ-30010 1296円
Plastic Tree プロフィール

1993年12月、有村と長谷川を中心に結成。精力的なライヴ活動で着実にファンを獲得し、97年6月に「割れた窓」でメジャーデビュー。17年にメジャーデビュー20周年を迎え、7月には周年“樹念”で初のパシフィコ横浜公演を開催。同年9月にはトリビュートアルバム『Plastic Tree TriBute~Transparent Branches~』を発売した。19年2月には08年以降に発表した全シングルのカップリング曲を網羅したB面集『続 B面画報』をリリースし、同年7月には結成25周年を記念し、東京芸術劇場にてバンド史上初の試みとなるシンフォニックコンサートを開催した。Plastic Tree オフィシャルHP

OKMusic編集部

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