L→R 鈴木 敬(Dr&Cho)、小関竜矢(Vo&Gu)、辻 怜次(Ba)、須田原生(Gu&Cho)

L→R 鈴木 敬(Dr&Cho)、小関竜矢(Vo&Gu)、辻 怜次(Ba)、須田原生(Gu&Cho)

【Bentham】今回の7曲があれば、完璧
なセットリストになる

今年4月に初のワンマンライヴを成功させたBenthamがブレイクに王手をかけるべく4th EP『ExP』をリリース。彼らのハイブリッドサウンドは、踊れるロックに止まらない魅力をアピールした前作以上に幅広いものに!
取材:山口智男

前作のEP『OMG』をリリースした時以上に追い風を感じているのではないでしょうか?

小関
いろいろなところでライヴをやりながら、さらに認知されてきたと感じてはいるんですけど、『OMG』をリリースしてから7カ月経って、やっと“「クレイジーガール」(『OMG』のリード曲)いいね!”ってなってきたみたいで。だから、追い風がビュンビュン吹いていると言うよりは、じわじわっときているというふうに受け止めています。

じゃあ、今回の『ExP』のリリースタイミングはばっちりじゃないですか。じわじわときているものを、今回の作品でどのようなふうにつなげていこうと考えたのですか?

小関
もちろん、僕らしいメロディーも含め、Benthamらしさを残しつつではあるんですけど、自分がやりたいものと言うよりは、いろいろな人が一聴して気に入ってもらえるものにしようと考えました。今回もメンバーそれぞれで得意な曲を持ってきて。結構曲があったので、“リード曲にできる”というテーマで全7曲を選びました。

その結果、さらに幅が広がった印象もあります。

須田
『OMG』を出した時、わりと幅は広がったんですよ。でも、まだやり切れてなかった…いや、前作は前作でやり切ったんですけど、今回はかなりロックロックした「AROUND」とか、カントリー調の「カーニバル」とか、今までやってこなかったところをピンポイントで攻めている曲もあって。それが際立ったことによって、より幅が広がったように感じられるんだと思います。

3曲目の「僕から君へ」にはびっくりしました。こんなにシンプルな曲って初めてじゃないですか?

小関
そうなんですよ(笑)。できた時、“きた! 名曲だ”って思ったんですけど、いざ録り終わってからシンプルすぎて…“これ大丈夫かな?”って(笑)。

シンプルでもこんなにカッコ良いんだから、全然大丈夫だと思いますよ。もっとも辻さんのベースはほぼルート弾きだし、鈴木さんのドラムはシンプルな8ビートだしってところではかなりびっくりでしたけど。

小関
(辻は)“つまんねぇ曲だな”って思ってるんじゃない?(笑)
そんなことはないんですよ。実は今回、自分で一番納得できたベースラインが「僕から君へ」なんです。パッと思い付いて試しに弾いてみて、“これでいこう!”と思ったんですけど、録り終わったあとも“うん!”と納得できた。確かにシンプルではあるんですけど、聴かせどころが随所にあって、曲としてもプレイとしてもいいものができたと思える自信作になりました。
小関
僕の中では、この曲は100点ですからね。初めて聴いた人もいい曲だと思えるだろうし、今まで聴いてきた人なんかは涙が出ちゃうんじゃないかな(笑)。
派手さはないけど、質実剛健というか、いいメロディーがあって、いいギタープレイがあって、いいリズムがあって…という魅力を一番味わえるんじゃないかな。
鈴木
僕は手数が多いと思われがちなんですけど、それは僕がやりたくてやっているわけではなくて、大体デモの段階でそうなってるんですよ(笑)。
小関
基本、タカさん(鈴木)はしっかりと叩きたいタイプだもんね。その意味では、タカさんのドラムの音も相当良いんですよ。シンバルの鳴らし方も、スネアの音も、全部イメージ通りなんです。

ところで、須田さんのギターは全体的にフレーズ、音色ともに前作よりも艶が増しましたね。

須田
もう一歩外に出なきゃって状況になりまして。今回は“らしい”フレーズよりも、その曲に合ったベストなフレーズを心掛けました。その成果が一番表れたのは「恋は白黒」で、全体的に曲を引っ張っているんですけど、そういう意味で“きた!”っていう感じで入れられました。コードのカッティングなんですけど、口ずさめるところが気に入ってます。

辻さんのベースも「恋は白黒」ではバキバキと鳴っていたり、さっき言ったルート弾きがあったり、「カーニバル」のランニングプレイがあったり、前作以上に多彩ですね。

今回は7曲全てが挑戦でした。ベーシストとしてもう一歩先に進むために、技や今までやってなかったことを身に付けたいと思って、セッションしている時からいろいろな音楽を聴いて、“これも取り入れてみよう”っていろいろなことにチャレンジしてみたんです。

ライヴ映えする曲が揃いましたね。ハンドクラップが多いから、ライヴでみんなとやったら盛り上がるでしょうね。

小関
うちらのお客さんって、あんまりやってくれないんですよね(苦笑)。
ライヴで盛り上がることを意識して、レコーディングではみんなで入れているんですけどね。
小関
演奏が難しいというか忙しすぎて、僕らもあまり煽れないってところもあるんですけど…そこも今度のツアーではひとつの挑戦なんじゃないですか。
須田
初めてのワンマンツアーですからね。この間、初めてワンマンライヴ(4月30日@代官山UNIT)をやったんですけど、その時に感じた空気感がツアーで行った先々でどうなるのか楽しみなんですよ。
小関
お客さんの気持ちを掴みたいよね、絶対に。
鈴木
これまではリリースツアーも対バンだったから、新作から半分ぐらいしかできなかったけど、今回はワンマンなのでやろうと思えば全曲できるんですよね。
小関
そうなんですよ。『ExP』の7曲に「クレイジーガール」と「パブリック」を加えれば、完璧なセットリストになる。そう思えるぐらい『ExP』の7曲には自信があるんです。
『ExP』
    • 『ExP』
    • KOCA-91
    • 2016.07.06
    • 1944円
Bentham プロフィール

ベンサム:2010年結成。16年4月に初ワンマンとして代官山UNITにてフリーライヴを開催することを発表すると、キャパシティーの10倍となる約5,000人から応募が殺到。17年4月にシングル「激しい雨/ファンファーレ」でメジャーデビュー。同年7月には1st アルバム『Re: Wonder』、19年2月には2ndアルバム『MYNE』、同年11月にはバンド初となるベストアルバム『Bentham Best Selection「Re: Public <2014-2019>」』をリリース。結成10周年の節目を迎えた21年は、周年記念プロジェクトの一環として365日×10年をテーマに「3650」を発動。同年9月には全10曲入りアルバム『3650』を発表した。BenthamオフィシャルHP

OKMusic編集部

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