L→R 白山治輝(Ba&Cho)、森 良太(Vo&Gu)、田中駿汰(Dr&Cho)、小川真司(Gu&Cho)

L→R 白山治輝(Ba&Cho)、森 良太(Vo&Gu)、田中駿汰(Dr&Cho)、小川真司(Gu&Cho)

【Brian the Sun】180パーセントの力
で挑んだ、アートとアートのぶつかり
合い

インディーシーンで頭角を現してきたBrian the Sunがテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』のエンディングテーマ「HEROES」でメジャーデビュー。初体験のタイアップに対するこだわりからも彼ららしさが感じられる。
取材:山口智男

結成10年目を迎える年にメジャーデビューする今の心境からまず教えていただけますか?

音楽業界はちょっと違うのかもしれないけど、芸能の世界で技術や説得力とかを培うには10年ぐらいは最低でも必要だと思ってたので、ちょうどいいタイミングなんじゃないかな。ないものを期待されている感じではないし、期待されているものをちゃんと返していけばいいんじゃないかと思えるようなタイミングでのデビューなので、ものすごく気が楽ですね。ただ、今回は原作があるものに対しての曲なので、作品の作り方は今までとは全然違うんです。今までは私情やら周りにいる人のことを想いながら曲を書いてきたんですけど、今回は原作とコラボレーションするぐらいのつもりで書きたいと思ってました。“こういうものに対して、君ならどうアプローチしますか?”と試されてる気がして、そこに対して180パーセントぐらいの力でやりたいと思いました。タイアップってインディーズのロックファンの人はちょっと色眼鏡で見るかもしれないけど、原作と僕らの曲…アートとアートのぶつかり合いぐらいの気持ちなんです。だから、めっちゃ原作を読んで“なぜ主人公のデクはこの言葉を使うんだろう?”などを考えながら歌詞を書きました。その上で、一聴したメロディーの“平凡さ”も大事にしました。僕の曲は半音階が多かったり、コードがややこしかったりするんですけど、“無個性”という主人公の設定を意識して、そういうふうにはせず、シンプルにしたんです。

確かに、前ミニアルバムの『シュレディンガーの猫』に比べて「HEROES」はかなりシンプルかつストレートになりましたね。

小川
前作はリフものの曲が多かったですからね。

ただ、シンプルな曲とはいえ、バンドの個性を宿らせないといけないじゃないですか。そういう意味では、それぞれ意識的に取り組んでいるわけですよね?

その通りですね。声が僕やったら、どんな平凡なメロディーを歌っても僕らの曲にはなるんですけど、それは置いておいても、それぞれにこだわりましたね。

3曲目に入っている「HEROES(Instrumental)」を聴くと分かるのですが、インストナンバーとして成立するぐらいギターも歌っているし、演奏もカッコ良いです。

小川
うわ、それは嬉しいです。

リズム隊はタイトなプレイで演奏を支えていますね。

白山
僕らの音に合わせてアニメのエンディングの映像を作ってもらえると聞いていたので、デクが走っているイメージで弾いたんです。そしたら本当にデクが走ってたんで、“あ、リンクした!”って(笑)。伝わって嬉しかったです。
田中
僕も変に小ざかしいことや難しいことをせずに、疾走感を意識しながら大胆に叩きました。
小川
(森)良太が作ってきたデモを聴いた段階で、アニメの画が浮かんだんですよ。
白山
その共通意識を持てたから良かったのかもしれない。
小川
全員で話し合ったわけではないんですけど、みんながアニメの画を想像しながらレコーディングできたのは曲の力だと思いました。

バンドとして以前よりも自信があるからこそ、シンプルなアレンジになったのでは?

小川
それは歌がいいからじゃないかな?
褒めてくれるねぇ(笑)。ライヴで盛り上がる定石セットリストがあったんですけど、それは僕らが思っているだけであまり関係ない。ちゃんと歌えば届くねんなって思えるライヴが今年に入ってから多かったんですよ。だから、どんどんシンプルになっていっても大丈夫やねんなって思えたっていうのはあるかな。

その一方で、カップリングの「Sunday」はBrian the Sunならではの癖のあるアンサンブルが楽しめる曲ですね。

僕、この曲めっちゃ好きなんですけど、シングルのリード曲ではないよなという、いまいち芽の出ない感じをずっと抱えてて(笑)。高校時代に作った曲ですけど、このメンバーで合わせた時にやりようによっては頑張れる曲だなって思えたので、今回入れてみました。その結果、リード曲にもなり得るものになったと個人的には思っていますけど。
小川
それは俺らからしたらすっごい嬉しい(笑)。

“やりようによっては”というところでは、どんなことを試してみたのですか?

もう、“リズム隊頑張ってください”に尽きますね。ドラムのオラー!って感じとか、それにベースが付いていくぞ!って感じが録れないと結構落ち着いた感じになっちゃう。ほんと、日によると思うんですよ。場所とかその日のコンディションとかが露骨に出る(笑)。それを上手いこと収められたらいいなと思いながら録ったものがいいと言ってもらえたので、上手いこといったんかな。
白山
テイク的にはいいものが録れたよ。
小川
「HEROES」も「Sunday」もライヴでやるのが楽しみなんですよ。CDとは全然違うものになると思うし、もっとロックになると思うし…早くライヴで披露したいです。

リリースツアーは18本中11本がワンマンですね。

小川
東名阪以外のワンマンは今回が初めてなんです!
これが僕らの一歩目なんで、みんなが期待しているものをどれだけできるのか?という意味で、めっちゃ大事なツアーになる。その都度その都度、いろいろなことを変えながら、どこを観に来ても楽しいものにしたいですね。
小川
30分のセットではできないぐらいいろいろな曲があるんですよ。単純にワンマンという尺でそれをお披露目できれば、満足してもらえるかなと思ってます。

OKMusic Playlist

「2016年、今年の夏フェスで聴きたい曲!」

By 白山治輝(Ba)

Brian the Sunのメンバーの中で一番のライヴ(を見るのも)好きなベース白山治輝が、今年の夏フェスに行けたなら絶対に聴きたい曲を選びました!

1. Born SlippyUNDERWORLD

今年の『SUMMER SONIC 2016』ヘッドライナー! この曲を聴かずして帰れない!

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2.2 Hearts DIGITALISM

今年新譜も出ましたが、旧譜から僕がDIGITALISMを知った曲。

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3.Love Me The1975

この曲のMVのセクシーさがすごい。

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4.Pork and Beans Weezer

曲の中にWeezerらしさがつまっている良曲です。

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5.三日月サンセット サカナクション

初めてこの曲を聴いた時から大ファンです。

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6.二階堂マリ 水曜日のカンパネラ

ライヴで聴くとよりトラックの素晴らしさを感じられます。

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7.Nine In the AfternoonPANIC! AT THE DISCO

初期のエモ曲もいいけど、ゆったりとしていたこの時期が好きです!

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8.Hold Back the RiverJAMES BAY

1stにしてアルバムの完成度がすごい高かったです! ぜひ生で観たい!

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「HEROES」2016年06月01日発売EPIC Records Japan
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • ESCL-4636~4637 1800円
    • 【通常盤】
    • ESCL-4638 1080円
    • 【期間生産限定盤】
    • ESCL-4639 1300円
    • ※チェンジングジャケット仕様&アニメ絵柄ステッカー2種封入  ※期間:2016年8月31日まで  ©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会・MBS
Brian the Sun プロフィール

ブライアン・ザ・サン:2007年、大阪で結成。『閃光ライオット2008』で準グランプリを獲得。メンバーチェンジを経て11年4月より現在の編成となる。コンスタントな制作、ライヴ活動で全国に名を広め、16年6月にテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』のエンディングテーマとなったシングル「HEROES」でメジャーデビュー。19年3月にはメジャー3作目となるアルバム『MEME』をリリースし、同年6月にはアメリカの3大アニメ・コンベンションのひとつである『A-kon2019』へ出演、ヘッドライナーとして約3000人を動員して初のアメリカ公演を成功させた。Brian the Sun オフィシャルHP

OKMusic編集部

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