L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

【OLDCODEX】一個一個の星にもう1度
光を当て、それをエンジンに積んで走
っていく

2月に日本武道館2デイズ公演と初の単独海外公演を成功させたOLDCODEXがリリースするシングルコレクション『Fixed Engine』。デビューからのシングルを網羅しつつ、新曲2曲を加え、新たな一歩を感じさせる作品に仕上がった。
取材:榑林史章

俺たちが一番変わったのは、「カタルリ
ズム」のタイミングだった

今回はシングルコレクションなのですが、やはり6周年目の記念碑的な感覚で?

Ta_2
いやいや、そういうのはまったくない。ただのベストなんかだったら、絶対に出したくないし。そもそもの話をすると、「Dried Up Youthful Fame」(14年7月30日発売)以降のシングルを網羅したアルバムを、そろそろ作りたいねって話をしていたんだよね。でも、「Dried Up Youthful Fame」以降はタイアップ曲だからこそできる意味での自由度で作らせてもらっていて…自由度が高すぎて、1枚のアルバムに収めるには、どの曲も個性が立ちすぎているという判断があったんですよ。それなら今までのシングルでアルバムに収録していない曲もあるし、シングルコレクションというかたちで出すのはどうだろう?と。結局、こういうやり方じゃないと、「Dried Up Youthful Fame」以降のシングルがアルバムに入れられなかったということなんです。だから、俺らとしては“ここらでまとめてみよう!”みたいな気持ちは微塵もなく。作っていく上で、あぁ6年が経ったんだなって、強制的に振り返るはめになったくらいの感覚なんですよ。

アルバムに収録されないままの曲が出てきてしまうのは、確かにもったいないですからね。

Ta_2
「Harsh Wind」がまさにそうで。その後にミニアルバム『FLOWER』を出しちゃったから、「Harsh Wind」は唯一アルバム未収録だったんですよね。とは言え、ただシングルを集めました!みたいなのは、どうなのかな?というのもあって。それで、今回は新曲の「Milestone」で始まり、1stシングルの「[Blue]」につなげ、時系列順にシングルが並んだ最後に、もうひとつの新曲「Anthem」で締めた。つまり、新曲でサンドイッチするかたちにしてみました。

取材前は曲順を知らなかったので、「Anthem」が1曲目になるのかと思っていました。これぞOLDCODEX!といった感じの曲調だったし。

Ta_2
一番最後に、今の自分たちを表現しながら未来にもつながる曲を入れたいと思っていて。それで作ったのが「Anthem」なんです。1曲目の「Milestone」は…俺らが他のバンドともっとも違うのは、絵描きのYORKE.がいるということなので、その特徴をいかに見せられるかを考えて作りました。ただ、音源では絵描きとしてのYORKE.の存在感は薄れてしまうので、これはぜひライヴで聴いてほしいですね。音源とはまったく違うものになる予定なので。

なるほど。まず「Anthem」についてですが、熱さ、激しさ、カッコ良さ…OLDCODEXの良いところが凝縮され、なおかつアップグレードされている曲だと感じました。

Ta_2
俺たちが一番変わったのは「カタルリズム」のタイミングだったんです。あの時、メンバーがひとり抜けたことによって、以降いろいろな作曲家にお願いして、振り幅広くさまざまな楽曲をやってきた。そこで「カタルリズム」以前から応援してくれているファンの中には、“もう、ああいった以前のような曲は聴けないのかな?”と残念に思っている人もいるんだろうなって。そういう気持ちに、どこかで応えたいと思いながら、ずっと制作をしてきたところがあったんですよ。だから、自分の中のそういう気持ちに対して、この「Anthem」で区切りを付けたいというのはあったかな。「Anthem」でみそぎを済ませるというか。

R・O・Nさんの脱退を乗り越えるみたいな?

Ta_2
うん。ただ、敬意はちゃんと払ってる。今でも昔の曲もやってるし、曲によってはシーケンスで流れるコーラスは彼の声だったりするし。録り直そうか?という話もあったけど、そういうところを俺らが大事にしないで、誰が大事にするんだ!と思って。まぁ、聴いてる人には伝わりづらいところだから、自己満足に近い感覚ではあるけど。

いや、ちゃんと伝わってると思いますよ。

Ta_2
結局OLDCODEXって俺がきっかけで生まれて、YORKE.が入って3人になって、今はYORKE.とふたりでやってる。過去も現在も自分のチームにいた人間のことは大事にしたいじゃないですか。それでずっと意識していたんだけど、今や俺の中に普通に流れているものになったので、変に意識することはやめようと思って。そういうひとつのピリオドを打ったのが、「Anthem」なんです。だから、過去と現在と未来、その境界線にあることを書きたいと思って。

アルバムの最後にこれがあることで、地続きではあるけれど、ある意味で気持ちを新たにするというか。

Ta_2
そうですね。ただ、一枚のアルバムとしてのクオリティーを考えて、何度もループして聴いてほしいと思っていて。実は「Anthem」の素材が、「Milestone」にも入っていたり。

「Anthem」のMVには、歌詞のフレーズが書かれた絵をYORKE.さんが踏み付けるシーンもありましたが。

YORKE.
「カタルリズム」の歌詞をパッと書いて、想いを込めて絵を壊して、新たに次の絵を描くというストーリー。過去のモヤモヤした気持ちを一旦解消して、また前に進む。MVは演出という部分よりも、この6年というものを身体に感じながらカメラの前に立ちました。きっと「カタルリズム」の時はもっときれいな色で絵を描いたと思うけど、「Anthem」はあの感じ。だから、演じたというより、自分自身と向き合ったら、ああいった映像になったということかな。

OKMusic編集部

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