L→R 長谷川雄一(Ba)、堀内俊聡(Dr)、上杉周大(Vo)、井上仁志(Gu)

L→R 長谷川雄一(Ba)、堀内俊聡(Dr)、上杉周大(Vo)、井上仁志(Gu)

【THE TON-UP MOTORS】恩返しと言っ
たら偉そうだけど、北海道に誇れる何
かを示したかった

現在、『北海道179市町村ツアー』を敢行中。上杉周大(Vo)率いるTHE TON-UP MOTORSが、ご当地ソングの決定版「北海道ブギ」を発売。地元愛にあふれたブギウギに熱い道産子魂を見た! そんな同作について上杉に語ってもらった。
取材:フジジュン

メジャーデビュー作『THE TON-UP MOTORS』以来の音源となる今作。デビュー以降、心境の変化はありました?

自分と向き合うことが多くなりました。ミュージシャンとしての自分を本当の意味で掘っていくというか、不特定多数の人にステージや作品を知ってもらえるチャンスのある環境だから全部が勝負だし、ちゃんとそれだけの男じゃなくちゃ!と。当たり前だけどそんなことばかり考えてます。

そんな中、初のシングル「北海道ブギ」がリリースされたわけですが、まずはこの曲ができた経緯を教えてください。

現在行なっている、『北海道179市町村ツアー』の全市町村で共通で歌えるテーマソングが欲しかったんです! 広い北海道の中で、初めましての人でも簡単に口ずさめるような代表曲が欲しくて作りました。

アップテンポな曲調に痛快なコーラス、北海道への愛情とエールを贈る歌や歌詞は聴くだけで元気になりますが、どんなイメージで制作を進めていったのでしょうか?

北海道の景色や北海道あるある、北海道の人や北海道外の人が持ってる北海道のイメージ…これまで自分で掻き集めてきた、それらの知識が歌詞の素材でした。あとは、北海道の人ってどんな人が多いんだろう? とか、北海道以外の人もなるほど!と思ってもらえるように制作しました。

“さぁ、みんなでいってみよう! 腹から声出して”と始まるこの曲、ライヴで掛け声を合わせて盛り上がる姿も想像できますが、実際にライヴで演奏してみての反応はいかがですか?

ノリがストレートなので、初めての人も分かりやすくリズムを取ってくれたり、手を叩いてくれています。初めての土地で《ブギ ブギウギ》と歌ってくれるのは本当に嬉しいです。

“ブギウギ”というのも最近、あまり聴かないですよね。

ご当地ソングってその土地の人が照れ臭かったりもするので、この「北海道ブギ」はそうならないことを注意して、ブギウギというロックンロールの母体となったダンスミュージックを用いることでルーツ色を強く、懐かしいんだけど古くない曲にしようと意識しました。あとは何より、故郷讃歌という想いが強いです。どんな人だって生まれた街はずっと故郷だし、特別なものだと思うんです。そこで故郷を離れる人もいれば、ずっとそこに住んでる人もいる。「北海道ブギ」は自分たちの故郷である北海道を全開で歌うことで、北海道以外の人にも郷土愛みたいなものを感じてほしいんです。

『北海道179市町村ツアー』を回って改めて気付いた、北海道の良さってありました?

179も市町村があるのに各市町村全てに個性があるところは、本当にすごい!と改めて思いました。独自の特産品があって、その街ならではのものも多い。あと、広さもあるし、土地や景色が豊かなんです。それと北海道の人はやっぱりやさしい人が本当に多い! 人懐こいというか、今回のツアーでも素敵な出会いをいつもさせていただいてます。

そもそも、北海道の179市町村を回る『北海道179市町村ツアー』という無謀なツアーを行なおうと思ったきっかけは?

僕が札幌で数年間、バラエティー番組に出演してまして、ありがたいことにその番組で認知してくれた道民の方がたくさんいるんです。番組の企画の中でも北海道のみなさんにはいつも助けてもらってばかりで、これはやっぱり本業のバンドでしっかりと北海道に恩返しと言ったら偉そうだけど、北海道に対して誇れる大きな何かを示したいと思ったんです。

そんな『北海道179市町村ツアー』を実際にやって感じたことは?

北海道生まれの人でも、その広さゆえに1度も訪れたことがない町がたくさんあると思うんです。かく言う自分たちもそうで、めちゃめちゃ素敵な町なのに実は知らなかったとかいっぱいあって。そういった情報を表にどんどん出していくのも、自分たちのやるべきことだなと思いました。全市町村を実際にライヴで回るわけですから、その時に肌で感じたリアルなものを表に出していきたいです。

そして、シングル収録の「熱き炎」はキリン缶コーヒー『FIRE』のイメージソングにもなっていて、仕事や日常と闘う全ての人にエールを贈る曲ですが、この曲ができたきっかけを教えてください。

イメージソングということで、オファーを受けてからイメージを膨らませて製作したんです。キリンFIREのイメージである“仕事を頑張る人、日常を頑張る人の心に灯る炎”を表現した歌でなくてはならないと思って作りました。中でも、今回はこれから社会の荒波に漕ぎ出していく、若い世代の人の心に刺さる言葉を歌いたくて。そんな人たちにも、いろんな場面での応援歌になってくれたら嬉しいと思ってます。

もう1曲の「虹と雪のバラード featuring.南壽あさ子」は72年の札幌オリンピックのテーマソングという。この曲を収録したきっかけは?

もともと南壽あさ子さんの札幌でのワンマンライヴに弾き語りでゲスト出演した際、“札幌に関係のある歌を上杉さんと一緒に歌いたい”という提案を南壽さんがしてくれて、選ばれたのがこの曲だったんです。南壽さんは雰囲気もですが、やさしい歌声とか透明感が特徴的で…ドカン!とシャウトしてる自分とは、真逆な位置にいるシンガーかもしれない(笑)。歌ってみて“これは面白いな”と自分自身も発見があったし、その真逆な特徴こそ良かったんだと思います。

最後に、12月28日にZepp Sapporoで行なわれる『北海道179市町村ツアー』ファイナルへの意気込みを訊かせてください。

今年1年は本当に『北海道179市町村ツアー』づくしのTHE TON-UP MOTORSです。そして、そんな『北海道179市町村ツアー』のツアーファイナルということは、THE TON-UP MOTORSの2014年の集大成となるライヴです。武者修行的な意味合いも強いツアーなので、そこまで培った全てのもの、その先にあるTHE TON-UP MOTORSの未来のかたちをみなさんにお見せしたいと思ってます。ご期待ください!
「北海道ブギ」
    • 「北海道ブギ」
    • VPCC-82320
    • 2014.10.15
    • 1000円
THE TON-UP MOTORS プロフィール

ザ・トンアップモーターズ:2000年、札幌市結成。ソウル、ファンク、ブルースなどの音楽に影響を受けたメロディーに日本語の歌詞を乗せた楽曲と、圧倒的なライヴパフォーマンスを魅せるソウルロックバンド。多くのイベントや学園祭出演、北海道各地でのインストアライヴでは記録的な動員となるなど着実にファンを獲得している。13年12月にアルバム『THE TON-UP MOTORS』でメジャーデビュー。14年、上杉周大が北海道日本ハムファイターズの公式応援歌「ファイターズ讃歌」歌唱3代目を就任したことでも注目を浴びる。THE TON-UP MOTORS オフィシャルHP

OKMusic編集部

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