【Yun*chi】マニアックにYun*chiの魅
力の虜にしたい

デビューミニアルバム『Yun*chi』から半年。キラキラとしたエレクトロニカルな中に独特の歌声が響くYun*chiならではの楽曲が詰まった2ndミニアルバム『Shake you*』が完成。今期最強のポップアイコンだ。
取材:大庭利恵

またもや、Yun*chiのカラーが強く出たミニアルバムができましたね。

そうですね。前作の『Yun*chi』で生み出した楽曲の良い部分を広げたというか、さらに深めたような作品になったかなと思ってます。

アルバムタイトルにもなった「Shake you*」はkzさんの作品で、まさにYun*chiらしいエレクトロなビートに独特な歌声がマッチしていて。

このキャッチーさ、インパクトありますよね(笑)。すでにライヴで何回か歌ってるんですけど、歌詞が冬から春へと移り変わっていく中での恋の話だったので、みんなすごく共感してくれたみたいで。でも、実は“まっすぐに想う声が届きますように”なんて歌詞は、私の中でライヴに来てくれたみんなに向けたメッセージだったりもするんですよ。

それは、kzさんと話して?

こういう言葉を入れてほしいとお願いするわけじゃなく、普段からいろいろ話している中で私の気持ちを分かってくれてるんで、恋愛に引っかけたかたちで入れてくれたみたいで。

「dual*」と「VOYAGER*」は浅田祐介さんが手がけた作品ですが、「dual*」はYun*chiさんが歌詞を書いてますよね。これは、まず曲をもらって?

そう。まず、メロディーを聴いた瞬間に“もっともっとキスを”って言葉が浮かんだんですよ。そこから“キスをしたいシチュエーションって、どんなだろう?”というところから物語を膨らましていって。

ワンシチュエーションのストーリーですよね。

うん。時間帯は、夜。外では雨が降ってて、部屋の中のソファにふたり。あなたが疲れてるのは分かってるけど、一緒にいたいと思ってくれてるなら、もうちょっとだけイチャイチャしようよ…という歌ですね。すごく分かりやすいメロディーなので歌いやすいかと思いきや、TRAPミュージックらしく、あらゆるところに仕掛けがあるので、めっちゃくちゃ難しいんですけどね(笑)。

浅田祐介さんが歌詞を手がけた「VOYAGER*」は、逆にパブリックイメージのYun*chiさんな感じがしました。

どうも祐介さんの中で、私は“早く来ないと置いてくよ”“来なくてもいいけど、楽しいことがあるかもよ”というタイプらしく、それが打ち上げられたまま戻ってこない惑星探査機ボイジャーに似てるって言われたんですよ(笑)。だから、ある意味パブリックな私の姿を的確に表現してるのかもしれないですね。そして、「Road*」を作ってくれたCOR!S ちゃんなんですけど、実はファンの方で。

えっ、どういうこと?

(笑)。私がデビューするちょっと前にTwitter経由で“いつかYun*chiさんが歌ってくれたらいいなと思って曲を作ってみました”って曲を送ってくれたんですね。それを聴いた時、すごく可愛くて好きだなと思ったんですけど、その時はそのままになっていて…。そしたら、前作をリリースした後にもまた別の曲を送ってくれたんです。それもすごく良い曲だったんですよ。なんか、この子すごいなぁと思う気持ちと、怖い者知らずでガンガン突き進んでくる感じが、昔の私と似てるなと思って(笑)。なので、今回1曲作ってほしいとお願いしてみたんです。

アレンジも全部任せてるんですね。

そうなんです。こちらで引き受けることはせずに、彼女の才能を信じて。そしたら、想像以上にアルバムにインパクトを残す作品になってくれて。

ほんとですね。ラストの「Shooting star*」までの流れが、すごく濃くなった気がします。

うん、私もそう思います。ただ、まさか一度も会わずにSkypeとLINEだけで曲を完成させるとは思ってなかったですけどね(笑)。

さっきデビューアルバムを深くしたような作品だと言ってましたけど、Yun*chiさんの可能性を試すというか、前作とはベクトルの違う挑戦的な一作になってる気がするんですよね。

常に自分でも、何が面白いかを考えてるし、Yun*chiというアーティストが表現できる限りの“可能性”を考えてはいますけど、やっぱりまだまだ自分が想像できる範囲だと思うんですよ。もちろん、いろんな分野の方が興味を持ってくれるので幅は広がってるとは思いますけど。あと、「Shake you*」なんてキーは高いし、譜割りも細かいし、歌詞も多い中で、気持ちを表現するのはすごく大変だったんですけど、kzくんは“できる、できる。ガハハハ”って感じだったんですね。でも、出来上がってみると一番私の声が響く音域なんだって気付いて。よく私のことを分かってくれてる方々とやらせてもらってるので、気付かないうちにいろんな挑戦はさせられてるのかもしれないですね。

それに“Shake you*”という表題曲から持ってきたタイトルを付けたのは?

最初は曲のタイトルを持ってくるのって普通すぎるんじゃないかなと思ってたんですよ。でも、“Yun*chi 2”じゃ、ちょっとダサいなとも思ってて(笑)。その後、“Shake you”という言葉の意味を考えてたら、“あなたを振るわせる”ってすごく大きなテーマだなって思うようになってきて。ライヴでのパフォーマンスもやっと定着してきたところなので、まだまだ私の魅力を感じてもらうためには、みんなの気持ちを震わせなきゃと思ったんです。でも、私としては多くの人にというよりは、私のCDを聴いてくれる人。Yun*chiというアーティストに興味を持ってくれる人、ライヴに来てくれる人が大事なんです。時間をかけて、マニアックに私の虜にするつもりなんで(笑)。
『Shake you*』
    • 『Shake you*』
    • CRCP-40338
    • 2013.04.17
    • 1800円
Yun*chi プロフィール

ゆんち:幼少期よりYUKIやCharaなどの女性シンガーに憧れ、積極的に音楽活動を始める。デビュー前からさまざまなアーティストの作品やコンピレーションアルバム等に参加するようになる。2012年11月ミニアルバム『Yun*chi』でメジャーデビュー。Yahoo!急上昇アクセスランキング2位(9月14日)をマーク、『ミュージック・ジャケット大賞2013』にて大賞を受賞。アメリカ・テキサス州オースティンで開催された音楽、映画、インタラクティブなどを組み合わせた世界最大級のフェスティバル『SXSW2016』や、ロンドン、ミャンマー、ジャカルタ、NY、マレーシア、台湾など世界各国で開催される大型イベントにも出演。国内のみならずイベントに出演を果たすなど、海外でも話題を呼んでいる。Yun*chi オフィシャルHP
ブログ
Twitter
Facebook
YouTube

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着