【真崎ゆか】失恋した人がとにかく
泣けるような曲にしたかった
新章の幕開けを告げる「もっと愛したかった」は“大失恋”がテーマ。そんな新作について真崎ゆか自身、“ここまでのバラードを歌ったのは初めて”と語った。
取材:石田博嗣
前作で“ハカナイ LOVE STORY”三部作が終わって、今回の「もっと愛したかった」にはどんなテーマがあったのですか?
今回は“大失恋”の曲にしようと思って制作を始めました。運命の人だと思うくらい大好きで、大切で、生活の一部となっていた彼氏にフラれて、そんな彼に対しての想い、特に強い後悔の気持ちを綴った曲になっています。失恋した人がとにかく泣けるような曲にしたかったんです。自分もそうなのですが、辛いことがあったり、悲しいことがあった時には、泣ける曲を聴いて、これでもか!ってくらい泣いていたし、涙を流すことで少しずつ少しずつどん底から這い上がれる気持ちになっていたので。私、過去に一度だけ“この人と結婚するかも!”って思えた人との恋があったんですよ。その彼を好きでどうしようもなかった当時の心情と、“失恋”というテーマを重ねて書きました。あとは…実は今恋愛に対して臆病になってる部分があって、なかなか恋に発展しなかったりするんです。だから、そんな今は臆病な私だけど、もっと“好き”という気持ちに正直な自分でいたいという想いも込めて書きました。
別れる結果になったのに、主人公は相手に対して“愛してくれてありがとう”と思っているのが印象的だったのですが。
サビの最後に“愛してくれてありがとう”と歌っているのは、フラれた瞬間の想いというよりも、時間が経って徐々に生まれてくる気持ちだと思うんです。私は大好きだった人と別れた時は、すぐに“ありがとう”とは思えませんでした。その気持ちは、今現在の私から見た恋愛観も重ねて書いたものなんです。その想いをこの曲に乗せることで、“ありがとう”と思えるくらい自分を愛してくれていた、そんな彼だからこそもっともっと愛したかった…という後悔の気持ちの深さを伝えたかったんです。
深い想いが綴られているわけですね。そして、カップリングの「Secret Love」なのですが…これは不倫がテーマ?
ぶっちゃけて言うと、不倫を歌ったものです。その時期に私が想いを寄せていた人には彼女がいました。ちょうど同じ時期に、友達はすでに結婚している人を好きになってしまっていて…その友達が泣きながら電話してきたんですね。“好きすぎて、でもどうしようもない”って。その時に“好きになる気持ちはどうしようもないのに、ただ叶わない恋だっていうだけでこんなにも辛いものなんだ”って、人を好きになるということの深さを感じたんです。で、その電話を切った後、すぐに歌詞を書き始めました。“彼の相手よりも先に出逢っていれば、こんなに辛い想いをすることなかったのかな”という運命に対する嘆き、“本当は会いたいし、寂しいって泣きたくなる。でも、泣いたら面倒な女だと嫌われてしまうんじゃないか”という不安…これは実際に私がこの恋愛をしている時に感じた感情であり、その友達との会話の中にでてきたリアルな言葉です。
では、本作で自分のどんな面が出せましたか?
今までオリジナルの楽曲をやってきた中で、ここまでのバラードを歌ったのは初めてだったので、自分の可能性の幅をより広げることができました。また、普段はどちらかと言うと強めのメイクだったり、服装だったりで自分を強く見せようとすることが多いのですが、今回のPVやジャケットではナチュラルな自分や繊細な部分も見てもらえると思います。強がりの自分の中にある素直な感情や女性としての繊細さを出せた今回の作品は、等身大の自分を表現できたと思うので、特に同じ世代の女性に重ね合わせて見て、聴いてもらえたらうれしいですね。
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