【miwa】15歳から始まった私の音楽を
ぎゅっと詰め込んだ

miwaの音楽人生にとって欠かすことのできない“guitar”と、イタリア語で“とても”“非常に”を意味する“issimo”を組み合わせたタイトル“guitarissimo”。彼女の基盤とも言える1stアルバムについて語ってもらう!
取材:ジャガー

コンスタントにシングルをリリースしてきましたが、アルバムはどういうものにしようと考えていましたか?

最初のアルバムで、しかも二十歳という年齢で出すわけだから、今しかできないことを詰め込みたくて。15歳から曲を書き始めて、そこから始まった私の音楽をぎゅっと詰め込みたいなと漠然と考えていました。なので、アルバム一貫してのテーマらしいテーマはなくて。逆に、いろんな楽曲を収録したかったんです。シングルだけじゃ分からなかった私の他の面を知ってもらえるだろうし、飽きずに聴いてほしくて。全部私の中から出てきたものだけど、いろんな場面があって、その時々の感情や思いがあって…そういう自分を曝け出すようにしていきたいなっていうのがテーマになるのかな。どの曲にもサプライズは必要でした。

1曲目「ありえない!!」の勢いある始まりから、まさにライヴですよね。

私自身、作ってて“早くライヴで披露したい!”って思ってた曲ですね。爆発力もありますし、作っててもすごく楽しくて。ミュージシャンの方たちと一緒に録ってる最中なんて、本当ライヴで。イントロのリフも“楽しいことがこれから始まるぞ”ってワクワク、期待させる感じがあったので1曲目に持って来ました。

クールなカッコ良さが際立つ「hys-」ですが、沸々と燃え上がる熱量が新鮮でした。

“Hysteric”の略なんですけど、これは昨年のワンマンツアーを終えて、まだライヴの余韻が残ってる中でアコギをジャカジャカ鳴らして歌う女性ってカッコ良いよねってところから作り始めた曲です。

音使いが変態な部分もあったり(笑)。

ありがとうございます、褒め言葉ですね。“音楽に変であれ!”っていうか。普通のことをしても響かないから、いつも面白いことを考えなきゃっていう。

しかも、攻めの楽曲が入ることで「オトシモノ」や「めぐろ川 ~strings version~」といったバラードがいっそう映えますよね。

『めぐろ川』はカップリングで唯一アルバムに収録したんですけど、ワンマンツアーの時にサポートしてもらったキーボードのejiさんがアレンジをしてくれて。さらにパーカッションのnona*ちゃんも参加してくれて。miwaバンド・ガールズバージョンでお届けしています。ライヴでも人気のある曲なので、ライヴにまだ来たことがない人にも聴いてもらいたくて。でも、自分が色とりどりの曲を作りたいって始めたものの、曲順を決める時にみんな個性が強過ぎて苦労しましたけど。どの曲も良い気分で聴いてもらいたいし、思いが詰まっているので、どこに何を置いたら飽きずに14曲をたっぷり楽しんでもらえるんだろうか、マスタリングするギリギリまで悩みました。

出来上がった瞬間は何とも言えぬ、達成感があったのでは?

そうですね、毎日不安でしたから。やってもやっても終わらなくて。曲と歌詞を作って、アレンジをして、プリプロからのレコーディング、歌入れ、ミックス…1曲出来上がるまでにすっごい時間がかかるので、本当に果てしないというか。新曲8曲の制作が本当に長い道のりで。しかも、1月末は大学のテストもあったのでレコーディングしながら“明日はテストだ~、勉強しなきゃ”って(笑)。本当に…制作作業は大変だったんですよ。それを吹き飛ばすぐらい楽しかったのがミュージシャンの方たちと合わせる時で。自分の書いた曲が自分の好きなミュージシャンの方に生演奏してもらえる贅沢なひと時でしたね。その曲のイメージに合うだろうなと思ったミュージシャンの方にそれぞれお願いしていたので、毎回違った化学変化が起こって、想像以上の色が付くんですよ。プリプロの段階では白黒までとは言わないけど、輪郭しかなかった曲がこんなにも綺麗な色が塗られていくのかって興奮もあり。

自分がドキドキできるって、すごく大切な基準ですよね。単純に曲の良さだけでなく、作り手の熱量で聴き応えも違うじゃないですか。聴いてるこっちまで高揚してくるアルバムでしたよ。

尊敬するミュージシャンの人たちに混ざってアコギを弾いてる時はライヴなので、その熱が音に込められてるっていうのは良かったです。同じ楽器でも人によって全然音が違うんですよね。“この曲にはあの人の音が似合うだろうな”っていうのを考えるだけでも面白いし、毎回スタジオに入る時はワクワクしてましたね。大御所のミュージシャンの方々にも参加いただいてるので、そういう方たちが熱くなってしまうと…もう止められないじゃないですか。きっとライヴでやる時は大変だから、私含めmiwaバンドは“できないよー!”って泣いちゃうかもしれないですけど、常にクオリティーとハードルは高く! 『醒めない夢』の頭のスライドのエレキの音とか注目してほしいですね。

そして、最後を締め括る「つよくなりたい」ですが、純度の高い言葉に心が洗われました。

これは高校卒業の時に書いたもので。デビューも決まってなくて、自分に自信が持てなかった不安定な18歳…でも、どうしても夢は諦めたくないって、あの時の気持ちがストレートに詰まった曲です。今でも、この曲を聴くと当時のことを思い出して、私自身くじけそうになったら背中を押してもらえるので、このアルバムを聴いてくれた人が、明日から少しでも頑張ろうって前を向いてくれたらいいですね。“自分を信じて頑張ろうね”って戒めであり、私からみんなへのメッセージです。
『guitarissimo』2011年04月06日発売Sony Music Records
    • 初回生産限定盤(DVD付)
    • SRCL-7597〜8 3500円
    • SRCL-7599 3059円
miwa プロフィール

1990年6月15日生まれ、東京都出身の女性シンガーソングライター。音楽好きな父親の影響でいつも音楽が身近にある環境で育ち、15歳から曲を書くようになる。2010年に1stシングル「don't cry anymore」でメジャーデビュー。同年4月にニッポン放送『miwaのオールナイトニッポンR』がスタートし、8月にカバー曲「僕が僕であるために」(原曲:尾崎豊)、「青空」(原曲:THE BLUE HEARTS)をデジタル・リリースした。11年1月、『第25回日本ゴールドディスク大賞』にてザ・ベスト5ニュー・アーティストを受賞。2月発表した5thシングル「春になったら」は、期間限定でJR東日本山手線原宿駅の発車メロディに起用された。同年4月にニッポン放送『miwaのオールナイトニッポン』が放送開始。同月に発売した1stアルバム『guitarissimo』はオリコン週間チャート1位にランクインした。12年3月に『COTTON USA』のイメージ・キャラクターに抜擢され、8月にシングル「ヒカリへ」をリリース。13年1月に発表した10thシングル「ホイッスル~君と過ごした日々~」は『第91回全国高等学校サッカー選手権大会』の応援歌に決定。3月に自身初となる武道館公演『miwa live at 武道館 ~卒業式~』を実施し、12月に『NHK紅白歌合戦』初出場を果たした。14年2月に13枚目となるシングル「Faith」を発表。3月に『miwa spring concert 2014 "渋谷物語~完~"』と題し、国立代々木競技場第一体育館にて2日間連続単独公演を実施した。miwa オフィシャルHP

OKMusic編集部

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