【JUJU】大人になったら女の子は自由
になれる

待望の3rdアルバム『JUJU』は、「明日がくるなら JUJU with JAY’ED」など必聴の楽曲が満載! 多彩な作風を通じて、彼女の魅力が最大限に発揮されている。豪華プロデューサー、クリエイターの参加も要注目だ。
取材:田中 大

今回も多彩な内容のアルバムになりましたね。

前回のアルバムは収録したシングルが本当に多彩で。それをまとめるために、コンピっぽいバリエーションを持たせた一枚にしたんです。そういうものを作ったことに対して特に苦情も出なかったので(笑)、今回はさらに調子に乗って幅を広げられた気がします(笑)

(笑)。まず、今回の注目ポイントはRIP SLYMEのPESさんとか、BONNIE PINKさんとか、MONGOL800の上江洌清作さんが、ラップや歌ではなくて作詞や作曲で参加している点です。

BONNIEちゃんの作詞作曲の歌を歌ってみたいと前から思ってまして。でも、タイミングを掴めないまま、アルバムの制作が始まったので、今回は作詞をお願いしました。作詞してくれた『37℃』は、海外から募った楽曲で。もともとは英詞が付いてたんですけど、それがものすごく良い歌詞だったので、仮歌で歌った段階で頭の中に入り過ぎちゃったんです。だから、私が日本語の歌詞を付けるとただの和訳みたいになってしまう。そこでBONNIEちゃんにお願いしました。

PESさんが作詞のみで関わるのも珍しいですよね。

PESくんも前から一緒に何かやりたかったんですけど、この曲のプロデュースをしてくださった亀田(誠治)さんから“この歌詞はPESくんに頼んだら良いかも”っていう意見が出てきて。女性目線の作詞は初トライだって、PESくんは言ってました。

清作さんは前作の「愛しい」では歌も歌ってましたけど、今回の「bouquet」は楽曲提供のみですね。花嫁の気持ちを描いたウェディングソングですが。

ミーティングをした時に“ブーケって言葉が何となく頭の中にあって、JUJUのアルバムに『bouquet』って曲があったら良い気がするんだよね”って清作くんが言いまして。そこで、“結婚ソングはどう?”ってことになったんです。

他にも素晴らしい方々が、たくさん参加されてますね。例えば、ボサノヴァ・テイストの「ガーベラの花」は川口大輔さんが作詞作曲。すごく良い曲だと思いました。

彼が3年ぐらい前のライヴで“新曲を歌います”って歌ったのが『ガーベラの花』。その時に“なんて良い曲なんだろう!”って思って“私に頂戴よ!”と(笑)。それでいただいた曲です。

あと、JUJUさんの歌うジャズの曲って毎回楽しみなんですけど、「夜の果て」がすごく良かったです。

やっぱりジャズが好きです。私はもともとジャズをやってましたけど、ジャズ以外のものもいろいろ歌ってたんですよ。でも、ジャズをちゃんと歌っている人たちは、それひと筋。そういう人たちからすると、私は怒られちゃう(笑)。“いろいろ歌いたい私は、ジャズシンガーになれないな”とNYで暮らしている頃に思って、今日に至ってるんです。でも、ジャズは好きだから、デビューの時からどこかに必ず入ってますね。

「夜の果て」をきっかけにジャズを好きになるリスナーもいそうですね。JUJUさんのアルバムって、いろんな音楽の魅力を発見できる楽しみも毎回あると思うんですよ。

私も子供の頃に周りの大人にいろんな音楽を聴かされて、いろんなものに興味を持ちましたから。私も上から目線でリスナーの子に押し付けるんじゃなくて、JUJUを通じて知らなかった音楽を知ってもらえたら良いなと思います。

あと、「GIRLS NEVER GIVE UP」や「Take Me Higher」とかのJUJUさんが書いた歌詞は、女性が志を高く持って人生を切り拓いていく姿勢が描かれているのが印象的でした。

この歳になって、女に生まれて良かったなって本当に思ってるからだと思います。10代の人って、女は歳をとったらおしまいだと思ってるかもしれないけど、そんなことは全然ない。大人になって自分の道や指針が決まると、女の子は自由になれる。男性は大人になると責任が増すけど、女の子はそういうこともないし。キャリアアップしたら“頑張ってるね”って言われるし、上を目指さなくても自分の生活をちゃんと築いていたら“偉いね”って言われる。本当に自由。そういうことを周りの友達とかを見ても感じていたので、それが今回のアルバムを作る上で、ひとつの軸として表現できたらいいなあって思ってたんですよね。

「桜雨」や「明日がくるなら」、「PRESENT」とかのシングル曲も、やっぱり心に深く沁みます。曲のテイストはさまざまですけど、毎回的確に楽曲の世界を歌で表現しているのが、JUJUさんの素敵なところだとも、今回改めて思いました。

あんまりキッチリ役作りを事前にしてレコーディングに入るわけではないんですけど、私にとって歌はストーリー・テリングであってほしいっていう気持ちもある。私もシンガーとして良いストーリー・テラーになれたらと思ってますし。だから、曲に応じてキチンと演じ分けられるといいなと思ってます。

今回のアルバムは、“16曲それぞれで、JUJUさんが抜群のストーリー・テラーぶりを発揮した一枚”とも言えると思います。

そこは原稿にしっかり書いていただけますか?(笑)

リスナーにぜひ期待していてほしい点ですね(笑)。

もしよろしければ初回限定盤を聴いてほしい。今までしてきた洋楽カバーのアルバムも付きますし、“今回何でJUJUってタイトルなのか?”とか、“どうして私は今こうなのか?”っていう告白文がブックレットに載るんです。告白文は音はないですけど“トラック00”っていう位置付け。だから、実は今回って全17曲入りのかたちになっているんです。それを読んでアルバムを聴くと、また違った色が見えると思うので、ぜひ読んでいただきたいです。
JUJU プロフィール

ニューヨーク在住の女性ジャズ・ヴォーカリスト。
12歳の頃よりジャズ・シンガーを志し、京都にて音楽活動を重ねるも18歳で単身渡米。ジャズはもとよりR&B/ヒップホップ/ソウル/ラテン/ハウスといったNYサウンドを自分の資質とする。その活動がストリートで噂となり、01年頃よりフィーチャリング等で多数の作品に参加。窪塚洋介主演映画『凶気の桜』(02年)への楽曲提供もそんな活動の中の1つ。そして04年、1stシングル「光の中へ」で満を持してデビュー。
05年3月には、綾瀬はるか、石原さとみ、小雪等がキャスティングされた映画『Jam Films S』の主題歌に「Come,Fly With Me」が抜擢される。また同年NYでの音楽制作活動に平行して、日本でのライブ活動もスタートする。
06年にリリースした3rdシングル「奇跡を望むなら...」はUSEN総合チャート1位獲得、並びに22週連続チャート・インという異例の超ロング・ヒットを記録。07年にはシングル3曲、さらにユーズリミックス、ビリー・ジョエル、デバージなどの洋楽カヴァー曲を含む1stミニ・アルバム『Open Your Heart 〜素顔のままで〜』をリリースした。

“知る人ぞ知る”的なアーティストとしてコアなリスナーからの支持をうけてきたJUJUだが、08年8月23日にリリースされたSpontaniaとのコラボ曲Spontania feat. JUJU「君のすべてに」が着うた(R)等配信が250万DLを突破し、大ヒットを記録。また、そのアンサーソングとなる「素直になれたら JUJU feat. Spontania」を08年11月26日にリリースし、こちらも着うた(R)等配信は220万DLを記録。“誰もが知る”アーティストとなった。
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