L→R DJ GEORGIA(DJ)、JUN(MC)、SHIN(MC)

L→R DJ GEORGIA(DJ)、JUN(MC)、SHIN(MC)

【CLIFF EDGE】音楽ってカッコ良くな
きゃ意味がない

1年9カ月ぶりとなる2ndアルバムが完成! そこにはCLIFF EDGEが追究する音楽だけでなく、音楽に対する姿勢であったり、意識が詰まっていると、JUN(MC)&DJ GEORGIA(DJ)が体調不良で欠席だったSHIN(MC)の分もアツく語ってくれた。
取材:石田博嗣

1stアルバム『to You』の時は“結成から8年間の集大成”だったり、“ヒップホップの入口にしたい”とおっしゃってましたが、今作はそれ以降に取り組んできたトライが詰まっていて、結果ジャンルうんぬんではなく、“CLIFF EDGE”というものが表現できたのでは?

JUN
まさにそんな感じですね。『to You』はそれまでの集大成ってことで、“こんなこともできる、あんなこともできる”ってやりたいものを全部ぶつけてみたんですけど、今回はヒップホップとR&Bという基盤をしっかりと置いて、そこから遊び心を広げていったので、『to You』に比べてるとひとつにまとまったものになってますね。
GEORGIA
DJ的に今のクラブシーンを見ていると、いろんなジャンルの音楽が流れてきていて…それこそハウスだったり、エレクトロだったり。だから、“俺たちは何をしていくのか?”っていうことをしっかりと定めてないとブレてしまうと思ったんですよ。“じゃあ、俺たちは何をしていくのか?”ってところで、やっぱりヒップホップとR&Bなのかなって。

楽曲的にはシングル曲を軸にして、そこから広がっていくような曲を用意した感じですか?

JUN
そうですね。シングルやミニアルバムから収録する曲があるので、それを光らせるためだったり、逆にそれがあることでアルバム曲が輝く…そういう配置ありきの作り方をしたので、そこも『to You』とは違うところですね。例えば、「SA・YO・NA・RA ~君を忘れないよ~」やRSPとの「また二人で… ~あの日の帰り道~」みたいなガチの恋愛曲があれば、LISAさんとの「Back Stage Pass」や「Remind of You」みたいな大人の恋愛というか、悪い恋愛の曲もあるという(笑)。そういう派生の仕方をしていたり、親への感謝の「16小節のRap Letter」があったりして、テーマとしては浮かびやすかったです。基盤がある分、メンバーそれぞれの立体感も出てくるし。「Back Stage Pass」ってステージの裏口には限られた人しか入れないから、そこでしか見せない顔があるっていうのを恋愛に例えているんですけど、“お前にしか見せない顔がある”というテーマって良くないですかってGEORGIAが言ってきたんですよ。そういうのも新しかったですね。
GEORGIA
『to You』以降の1年半って、ラップで伝える内容にしても、どんな側面を伝えるのかを一緒に考えていたし…俺からふたりを見ていて、“こういうのって面白いんじゃないかな?”っていうのがすごくあったんですよ。だから、今回のアルバムにしても“こういうものを聴きたいです”とか“どんなことを考えてるのですか?”っていう、ある意味リスナー視点でリクエストしましたね。
JUN
あと、GEORGIAはDJということもあって、スネアの音ひとつに対してもすごく敏感で。やっぱり、流行の音ってあるじゃないですか。それを考えて“こうしたいです”ってアイデアを出してくるんです。俺がドレミファソラシドの横軸で見ている分、GEORGIAはハイやローっていう縦軸で見ていて、そこがうまく融合している実感がありますね。

そんな中で、すごく歌が前に出てきているように感じたのですが。トラックにしても歌を活かすためにシンプルに作られているし。

JUN
ヒップホップとR&Bという基盤がありながらも、俺もGEORGIAもバンドから上がってきた経緯があるので、歌メロを活かすためのコード感だったり、音の入れ方というのを計算しているとも言えるでしょうね。ひとつのリフに歌を乗せているというか。J-POP的な考え方をすると、曲は伴奏とメロディーで成り立っているんですけど、このジャンルだとトラックであって伴奏じゃないので、そこでも歌っているし。

現在ってクラブ系の音楽が流行ってますが、そことの差別化も意識されました?

JUN
“ヒップホップの登竜門”という考え方は昔も今も変わってなくて、やはりこのジャンルをいろんな人に聴いてもらいたいと思っているんですよ。そういう意味では、“聴きやすい”というのはひとつのテーマになってるし…最近の音楽配信の流れを意識してないって言えば、それは嘘になる。でも、そこに追随してしまうのはCLIFF EDGEとしては違うなって。そういうものとは違うアンテナを立てながら制作をしていくと、結果的にオリジナルになっていく…これは自分らがそうだってことじゃなく、俺の考え方として、音楽ってカッコ良くなきゃ意味がないと思うんです。このコードがカッコ良い、人がカッコ良い、生き様がカッコ良い…いろいろあるんですけど、聴いて“カッコ良い!”って思えるものじゃないとなって。だから、カッコ良いものにしたいってのが基本にありますね。

そういう部分でCLIFF EDGEらしいというか、印象的なのが「16小節のRap Letter」でした。自分たちのことを歌いつつも、誰もが心に思っているけど口では言えないことを言っていて、“for You”というアルバムタイトルにもハマっているし。

JUN
そうですね。父親とは未だに話をしないんですけど、こういう気持ちをラップで伝えるのは個人的にも素敵なことだなって思いますね。それって自己満足じゃなくて、みんなに“まずは俺が先に言うよ”って背中を見せたいというか。“崖っぷち”の俺らが目指しているのは武道館で、いつかそのステージに立って、“頑張れば、ここまで行けるんだよ”って背中を見せるっていうことのひとつの欠片ですね。

内容の濃いアルバムが出来上がったということですね。

JUN
楽曲的にはオシャレで聴きやすくてポップなんですけど、メッセージとしては最後の「The Way ~目指す明日へ~」に集約されていて…俺らはいろんなものを大切にしていきながら、これからも崖っぷち道を歩んで行くっていうことを、自分自身にも、みんなにも宣言する一枚ですね。
GEORGIA
音楽って聴くものでもあるし、いろんなことを考えるものでもあると思うんですけど、その両方を楽しめるアルバムになったなって。音楽を聴いて人生を変えられた人たちが作った、みなさんの人生を変える音楽だと思うので、そういうふうに聴いてもらえたらうれしいですね。
『for You』2010年02月10日発売Venus-B/KING RECORDS
    • 初回盤(DVD付)
    • KICS-91514 3500円
    • 通常盤
    • KICS-1514 3000円
CLIFF EDGE プロフィール

クリフエッジ:“崖っぷち”の意味を持つJUN、SHIN、DJ GEORGIAからなるユニット。2008年のメジャーデビュー後、切ないメロディーとメッセージ性にあふれた心揺らす熱い言葉の数々が、多くのリスナーの感動を呼び、数々のヒット作を輩出! 特に11年4月リリースのコンセプトアルバムに収録された「Endless Tears feat. 中村舞子」はレコチョクRBTランキング19日連続1位を獲得し、40万DL超の大ヒットを記録した。CLIFF EDGEオフィシャルサイト
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OKMusic編集部

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