【BACK-ON】いろんな固定観念をぶっ
壊したいっていう挑戦
前作「flyaway」から経た約1年という期間は、彼らをさらなる高みへと飛躍させた! 生演奏とエレクトロを見事に融合させ、さらに強いメッセージを込めた新曲「ONE STEP! feat.mini/Tomorrow never knows」の完成である。
取材:道明利友
シングルのリリースは約1年振りになりますね。その間、試行錯誤もいろいろあったと思うのですが、その中で見えた今作のテーマみたいなものは何かありましたか?
TEEDA
BACK-ONのもともと持っているコンセプトが、“光”と“風”。ポジティブな“光”と“風”で、聴く人の背中を押すような“追い風”になるバンドになろうっていう気持ちがあるんです。それと、ロックが好きなメンバーもいれば、ヒップホップが好きなメンバーもいるし、エレクトロが好きなメンバーもいる…そういう中で、ゴツゴツしたロック感がある曲もやりたいし、思いっきり楽しいポップな曲もやりたいっていう、幅広いジャンルを飲み込めたかなっていう感覚が今はある。その幅広いレンジの中で“BACK-ONはやります!”っていうことを今回の2曲では見せられたし、その中に“光と風”を…ポジティブなメッセージ、前向きな歌詞も芯に入れられたかなって思います。
サウンドとリリック、それぞれにBACK-ONの芯が通っていました。バンドサウンドにエレクトロなテイストをガッツリと取り込んでいるのがかなり面白いですね。
GORI
ありがとうございます。今回は女性アーティストminiをフューチャリングしたので、“普段できないことをやったら面白いんじゃないか?”みたいな。
KENJI03
メロディーに関しては、この曲はやっぱりキー設定が難しくて。今回はminiも入って、3人ともがメインでいきたいっていうのがあって、サビも作ったんですけど…僕はすごくハイトーンなんで、声の域がカブっちゃうのがすごく難しかったですね。でも、上手くそのバランスをとって3人のいいところが出せたんじゃないかなって。
TEEDA
うん。miniは「BLAZE LINE」っていうアニメ『アイシールド21』のオープニングテーマをやった時にコーラスで参加してもらって、昔から仲良くしてて。で、プロデューサーも同じJINになったので一緒にやらせてもらったんです。もともと、僕ら自体が結構男くさいバンドをやってるので(笑)、女の子との掛け合いもやってみたくって。
なるほど。熱いバンドサウンドに女子のかわいい声が入ったり、テクノポップの要素が入ってくる意外性といいますか。
GORI
そうですね。やっぱりそれは反骨精神というか。BACK-ON単体でこういうアプローチをやるだけじゃ、面白くないんですよね。それと、俺たちが気にしてるのは、自分らの中でのグルーブ感みたいなもので。クリックに対して、ただ合わせていくことはできるんですよ。じゃなくて、歌のリズムに対して、ドラムだったりベース、ギターの掛け合いがある。すごい細かい作業なんだけど、そのみんなが気持ちいいと感じるところを突いていくと、クリック通りのリズムを刻んでも気持ちいいんですよね。そこで“生”を出したいんです。
ICCHAN
この曲は難しかった。今までの曲でも一番っていうぐらい、自分の中では。僕らはヴォーカルふたりが対照的だし、それぞれが持ってるリズム感も違うから演奏でその辺を意識してるんですけど、そこに今回はminiが入って、さらに要素が増えた。それぞれのヴォーカリストが持ってるリズムだったり、メッセージだったり、テンションだったりをちゃんとフューチャーしてあげられるようなリズムを意識してたかな。
SHU
そこに音的には同期ものが入ってることによって、合うギターの音色はすでに限られてくるし。さらに、そのギターの音によってはジャンル感っていうか、“このギターの音だったら○○系みたいな”ってあるじゃないですか。“この音を聴いたらこのジャンルが浮かぶ”みたいな。そういう中で音を選んでいくのが難しかったですね。自分が影響されたものがあって、それを今の自分たちの中で消化したものとしてちゃんと出せてるかっていうのかが大事なんで。
歌詞の面では、「ONE STEP!」も「Tomorrow never knows」も、すごくポジティブなメッセージを感じました。それこそ、明日はどうなるか分からないけど前に進んでいこうとする意志は、2曲ともに共通してあるんじゃないかなと。
TEEDA
前に進んでいかなくちゃいけないっていう答えは分かってるけど、怖さもやっぱりありますよね。けど、「Tomorrow never knows」もそうですけど、仕事や学校とかから帰ってきて疲れてる時に、自分だったら悲しい歌はあんまり聴きたくないんですよ。テンションをガーッて上げてくれるような曲の中でメッセージが自然に入ってきて、“よし、頑張ってみよっかな!”ぐらいがいいんじゃないかって僕は思うんですよね。“頑張ろうぜ!”みたいな強い感じじゃなくても構わないからって気持ちを伝えたくて。
リスナーの背中を押すのも、強く押すのではなく、まさに“風”のような優しい感じで。
TEEDA
そう。前に進むって、自発的に足を前に出さないとできないじゃないですか。そこに追い風が吹いて、ポンッて体重をかけてあげる感じになってくれたらいいなって、この2曲が。
KENJI03
そういうメッセージを伝えたいからこそ、音楽的にもいろんな要素を入れてるというか。今回、「ONE STEP!」みたいな曲を出すことで賛否両論あると思うんですよ。“バンドなのになんでダンスチューンみたいな感じなの?”とか。だけど、音楽ってもともと自由なものだし、ジャンル関係なく伝えたいことがあるからこそ、いろんな音楽が好きな人に届くようにそれぞれの要素を入れてこその音楽だと、僕は思う。そういういろんな固定観念をぶっ壊したいっていうことへの挑戦ですね、今回のシングルは。
アーティスト