L→R HISASHI(Gu)、TAKURO(Gu)、JIRO(Ba)、TERU(Vo)

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【GLAY】1994~2000年の代表曲の数々
を完全網羅、GLAYの歴史を物語るベス
トアルバム

デビュー15周年を記念するベストアルバム第2弾は、1994年から2000年にかけての代表曲、再録5曲と新曲11曲を聴かせてくれる。当時のエピソードとGLAYの現在についてTERU(Vo)が語ってくれた。
取材:田中 大

一番楽しかったのは、やっぱり音楽作り
でした

今回の作品には、1994年から2000年の楽曲が収録されていますけど、改めて聴いてどんな感慨を持ちましたか?

“キラキラしているなあ”っていうことを思いました。夢に向かって輝いている音楽が詰まってますね。99年くらいまでは“GLAYってどういうバンドなのか?”ってことをみんなに知ってもらいたい気持ちでいっぱいで動いていた日々だったんです。そういうふうに夢に向かっている姿が、音楽に反映されていると思います。

大志を抱いて函館から上京した青年たちの波乱万丈の日々が刻まれた楽曲たちですよね。

函館っていう小さな町で結成されたバンドが、一歩一歩進んで行く物語が見えますよね。映画や小説みたいに、前進しながらも時々挫折し…っていう(笑)

(笑)。まず、94年5月に「RAIN」でデビューをしたわけですけど、この曲は今聴いても完成度が高いですね。

函館から出てきた田舎者の子供たちが、あれだけの曲を作るまでには、相当なプレッシャーもあったんです。恐怖で逃げ出したくなるような感覚は、今でもよく覚えてるんですけど。そこで必死でしがみつけたからこそ、『RAIN』がこの完成度になったのかなと。アマチュアのレベルだったGLAYをプロのレベルまで引き上げてくれたのは、やっぱりプロデュースをしてくれたYOSHIKIさんでした。

GLAYが本格的に世の中に知られるきっかけとなったのは、95年8月にリリースした「Yes, Summerdays」でした。

『カメリア ダイヤモンド』はものすごく有名なCMでしたから、GLAYの曲をぜひ起用してほしいと、当時の事務所のスタッフもずっと動いてくれていたんです。やっと『Yes, Summerdays』を起用してもらえた時は、本当にうれしかった。メンバーやスタッフが一丸となったことがちゃんと結果として出せた最初の一歩が、この曲だったと思います。

96年は「グロリアス」や「BELOVED」がヒットし、2月に『BEAT out!』、11月に『BELOVED』と2枚もオリジナルアルバムをリリース。大躍進の1年でしたね。

GLAYが一番加速したのが96年、97年ですね。でも、楽しかったけどプレッシャーも大きかった。GLAYってもともと“楽しくやろう”っていうのが根底にあるバンドですけど、その“楽しい”がどんどん見えなくなってきた時代なんですよね。悩みながらも、周りはどんどん加速していく。自分たちはその加速していく周囲の真ん中にいるわけですけど、台風の目にいるみたいな孤立感を深めた時期でもありましたね。でも、とにかく曲は作らなきゃいけない状況で。TAKUROは特に相当なプレッシャーがあったと思います。曲を出して良い結果が出る喜びはもちろんあったんですけど、ハードルがどんどん高くなっていくんですよ。自分たちに体力がないと、ハードルを飛び越えられなくなる。それで制作に行き詰まりを感じたこともあるし、時間がない中でどうアルバムを作っていくかってことで、いろいろ悩みましたよ。良い作品を作って、良いライヴをやることが、バンドにとって本当に必要なことだと思うんですけど、それすらも見失いそうだった。今となっては、最高の作品を作るためには時間をかけることが必要だってことを感じますけど、当時はとにかく曲を作らなきゃいけなかった。ひとつのスタジオではミックス作業を進行して、もうひとつのスタジオではヴォーカルダビングをして、それが終わった瞬間にテープを持っていってミックスをするっていうような状況だったんです。

でも、この頃って名曲がいっぱい生まれたんですよね。

キラキラしている。生き急いでる感じがするというか(笑)。勢いがあったんだと思います。“よくあんな状況で『HOWEVER』を作ったな”とか思いますよ(笑)

そういう状況で何かを見失ったり、メンバー内の関係がギクシャクしてしまうバンドもいると思うんですけど、GLAYはそうはならなかったですよね。

バンドを始めたきっかけは“音楽が好きだから音楽をやる”ってことだったんですけど、音楽をやりながらメンバーとつながっていくうちに、“この4人とだったら仮に音楽をやらなくても、何かをやれるよね”っていうような感覚で活動できていたんですよね。“もし音楽業界に嫌気が差して逃げ出したくなったら、4人でモノでも作ろうよ”みたいな(笑)。そんなことをよく話しながら活動していたんです。だから、この4人だけはブレなかったんですよ。そういう大変な状況の中で一番楽しかったのは、やっぱり音楽作りでした。時間があればスタジオにこもっていよう、みたいな感じではあったんです。あと、プロデューサーの佐久間(正英)さんの力も大きかったので、音楽的にもブレなかった。サポートドラマーの(Toshi)Nagaiさんにも支えてもらいました。

ファンのみなさんは、今回の作品を聴きながら当時の出来事をいろいろ思い出して、改めてGLAYのことが大好きになるんでしょうね。

今回、特典のDVD(初回限定盤Bの『GLAY 15years BEST LIVE集』)はファンの方に15年間のベストライヴを選んでもらったんですけど、それにメンバー4人のオーディオコメンタリーも入るんです。メンバー4人の関係性がデビューの頃から変わらないで今もここにいるんだっていうのが、すごい感じられると思います。この4人は酒を交わしながらここまで一緒にやってきた。デビュー当時はお金がなかったから、とにかくみんなで集まって2リットルのビールをひとつ買って、それをチビチビ分け合って飲んでいた。そういう生活が続いたあの頃の感覚を忘れず、ブレずに15年間やってこれたから、90年代の楽曲が今もキラキラしているんだと思います。一緒に時代を築いてくれたファンの方たちにとってもこの『VOL.2』は、自分とGLAYとの関係を振り返れるようなアルバムになってると思います。あと、『VOL.1』と『VOL.2』を聴いてほしかった理由のひとつは、高校生くらいの男の子が自分たちのライヴに来てくれるようになっているんです。自分たちも高校生の時にバンドに夢を見たからこそ、今ここにいる。だから、そういう若いリスナーにも、GLAYのいろんな曲を手に取りやすいきっかけを作りたかった。子供たちに夢を持ってもらえるきっかけにしてもらえたらいいですね。

OKMusic編集部

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