取材:ジャガー

今だから挑戦できた

すごく間口が広がってますよね。BROWN SUGARのカッコ良い面を集めたのが前作までで、今作は“こういうのもあるんですけど、いかが?”みたいな(笑)。ある程度の形を作ることができたからこそ、次の段階に踏み出せたのかなと。

KAZ(カズ)
それはありますね。3rdアルバムにして、メジャーデビューっていうのもあるので、よりいろんな人に聴いてもらいたいっていうのもありました。
NAT(ナツ)
いろんなことに挑戦したけど、無理はしてないっていうか。いいものを作ろうとする努力はしても、無理な色を作ったりはせず、すんなり新しい一面ができたので、今まで何でしてこなかったんだろうって思いました(笑)。でも、今だから挑戦できたかなっていうのはありますね。

それにしても驚きましたね。ひとりで聴くのがもったいなかったです。

KAZ
みんなで一緒に楽しみたいですよね。『DESTINY』の完成盤を聴いたのが、新幹線の中だったんですけど、ツルッと聴けたんで“よくできた!”って感動しましたね。音の鳴りというか、厚みも十分あるし、温かい曲はイメージ通りのミックスだし…聴き所がいっぱいあって困るぐらい(笑)。
NAT
結構ボリュームがあるのに疲れなかったですね。“もう終わった!? 早いな”って。だから、オールリピートにして聴いてたんですけど、終わりから始まりもきれいにつながったし、いろんな意味で仕掛けられてますよ。

新たな挑戦で、すごくメロディーが際立っているなと。

KAZ
今まではメロディーを付ける作業をあんまりしてなくて。早いフロウで歌うのが、“これぞBROWN SUGAR!”っていうハコに収まりすぎてたのかもしれませんね。でも、周りからのアドバイスもあって、実際メロディーを付けてみると、結構いい方向にハマってめちゃくちゃ気持ち良くて。

リードトラックの「DESTINY~また逢う日まで~」が、それを象徴してますね。

KAZ
アルバムの中で一番最初にできた曲でもあるんですよ。初めて音を聴いた時は、ギターで始まるし、ミドルテンポで全然BROWN SUGARっぽくないんですけど、涙が出るくらいすごく良いと思えて…不思議な感覚でしたね。プロデューサーと話を重ねて、フックができ、バースができ、ブリッヂができて、ちゃんとひとつずつ段階を踏んで作りました。やってみたかったイメージと完成した曲が合致したので、新しいところが見せれたんだと思います。

予想外の一面としては、友情を歌った「F」はBROWN SUGAR史上最も高音&かわいい面が出ていますよね。

KAZ
声の感じからしてかわいいですよね(笑)。それぞれ相方に向けての言葉なんで、思い入れ深いです。自分の声の一番マックスで高い音域だし、頭の上からスコーンッと出しました(笑)。

あと、今回さまざまなアーティストとのコラボレーション楽曲が目立ちますね。

NAT
前作ではなかったので、すっごい楽しかったよね。持ち味の違うアーティストと共演することで、引き出された部分もたくさんあるし。「LA LA LA feat.Metis」はMetisちゃんが参加してくれたことで、今までになかった壮大な雰囲気が出ましたね。
KAZ
もともとあった曲ではあったんですけど、“笑顔は大切だよ”ってことを私たちで歌っちゃうと完成できなくて、ずっと温めてたんです。すごいキャッチーだし、誰にでも伝わる曲なので、ぜひとも完成させたいってなった時に、Metisちゃんにお願いしました。彼女は私たちよりも大きな愛を歌い続けているシンガーなので、ここにMetisちゃんが入ったら完成できるんじゃないかなって曲を投げたら…ばっちり! 理想としていたものがそのまま返ってきた感じです。leccaちゃんとの「Storong_L feat.lecca」はタイトル通りのカッコ良いダンスホールレゲエを作れました。
NAT
ちょっと強い感じの、SING JAY(DJ+シンガー)が集まりましたって曲ですね。leccaちゃんも女性目線で女性の背中を押してあげるような曲が多いから、BROWN SUGARとの共通点もあって、これは強い女性を書こうと。

ライヴで盛り上がりそうな「OISA」もいいですね。

KAZ
これは『博多祇園山笠』っていう男性のお祭りを基に歌っているんですよ。“オイサ”っていうのは、祭りで使うかけ声で。お嫁さんやお母さん、おばあちゃんもいろんなお世話をしてお祭りを支えているので、性別関係なく盛り上がれればなと。『博多祇園山笠』もそうですけど、全国にお祭りはたくさんあるし、どこも勢いがあるじゃないですか。そのお祭りの心意気というか、魂はどこでも同じだと思うので、それを上手く表現したいなってところから生まれました。

一曲一曲挙げていくと、本当きりがないほどにレベルアップしてますね。

KAZ
それは何よりです。「D.Q&K」「MAKE U LUV」は前からの流れを上手く引継つつ、よりダンスホールレゲエを進化したものかなと。周りの反響が大きい「MAMA」は、今までのBROWN SUGARなんだけど、何かひと味違っていたり。音がちょっとゆっくりで、ルーツロックレゲエっぽい雰囲気もあるので、土臭い感じが好きなコアな人でも楽しんでもらえるんじゃないかな。とにかく自由に楽しんでもらえばいいですね。
BROWN SUGAR プロフィール

01年6月に福岡で結成されたKAZ(カズ)&NAT(ナツ)による日本一“タフ&セクシー”なフィーメール・レゲエ・ユニット。“ココナッツの香りのする女の子”という意味からBROWN SUGARと命名。活動スタイルは、ダンスホール・レゲエを主体とし、DEE JAYとSINGERを合わせた“SING JAY”。そんじょそこらの男子を圧倒す津心を突き抜く野太い声でたたみかける様はまさに「女前」。そんな強さを持ちながらも、一度聴いたら耳から離れないキャッチーさをも兼ね備えている。

06年4月、自主制作CD『DA LIGHT』を福岡県内の専門店やアパレル・ショップ及びライヴ会場での手売りのみで発売。07年4月には、初の全国流通作品として1stミニ・アルバム『BS』をリリースし好評を博す。07年7月に発表された1stフル・アルバム『LOVIBE』は、発売1週目にしてオリコン・インディーズ・アルバム・チャート3位にランクイン。オリコン誌からも注目アーティストとして取り上げられるなど幅広い注目を集めることで、福岡のみならず全国に彼女たちの音楽が波及することに。全編に渡り上げ下げのテンションが絶妙な中毒性の高いダンスホール・レゲエ・チューンのオンパレードで、彼女たちの“LOVEなVIBES”を表現した今までに無いオリジナル・スタイルが追求されている。

08年4月には、日本人アーティスト唯一のゲスト・アクトとして、ショーン・キングストン初のジャパン・ツアー全日程に出演。そして、同年4月〜7月にかけて配信限定シングルを3枚リリースし、着うた(R)サイトなどの配信サイトで軒並みトップ10内にランクインするという好調なセールスを記録した後、7月には2ndフル・アルバム『L.E.D.』をリリース。テンションやクオリティー、そしてポピュラリティー性が高く、レゲエ・ファン以外にも直撃するインパクトを持つ15曲を収録し、前作に並びオリコン・インディーズ・アルバム・チャート2年連続で初登場3位を獲得した。

その後も、野外や屋内のレゲエ・イベントをはじめ、クラブ系専門人気番組『流派-R』が主催するイベント『R-FESTA』をはじめ、FM局主催大規模イベント、大手CDチェーン主催イベントなどに出演を果たし、日を追うごとに知名度と人気を高め、確かなものにしている。同年12月には、初のワンマン・ライヴ『DRUM Be-1』を開催し大成功を収める。
2人の太く力強い歌声と圧倒的なステージングは、福岡のみならず各地のリスナーの心に焼き付いて離れない。彼女たちが放つ等身大かつポジティヴ、そして愛に満ちたメッセージ性の強いリリックは、年齢や性別を超え、数多くのリスナーの共感を呼んでいる。BROWN SUGAR オフィシャルサイト
BROWN SUGARAオフィシャルサイト

OKMusic編集部

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