【のあのわ】
取材:石田博嗣
世界を旅しているような気持ちで聴いて
ほしい
「もともとはギターを弾いていたんですが、その時も大きめのギターでグレッチを使っていたんですけど、見た目も含め“もっと大きい楽器が欲しい!”って。ただ漠然とそう思って、チェロが欲しいと思ったんです」(Yukko)
2月18日にアルバム『ゆめの在りか』でメジャー進出を果たした、のあのわ。バンドメンバーの中にチェロ奏者がいるだけでもインパクトがあるのに、なおかつヴォーカルも務めるという。しかし、チェロを導入したのは冒頭の理由から…。ある意味、その衝動もロックだろう。当然のように、チェロをフィーチャーした彼らのサウンドは、各パートが音色を紡ぎ合い、楽曲の世界観をドラマチックに彩りながら1曲の中でもさまざまなシーンを織り上げていく、独創的なものである。
「色の違った個性豊かなメンバーなので、5人のカラーがうまいこと混じり合ってそう見えてるのかもしれないですね。ドラマチック感とかも、曲を作っている中で“この後にこうしたらグッとくるねー”と話しながら、自分たちが演っていて気持ち良い場所を探してるので、それがそのまま色濃く出てるのかなーと思います。もし音がぶつかったりしてもなるべく頭で考えず、“気持ち良ければOK”みたいな感覚優先で選んでたりしますしね」(ゴウ)
また、ポジティブでファンタジックな歌詞も、のあのわの音世界を作り上げている重要な要素のひとつである。
「歌詞の大きなテーマとかは、楽曲を聴いてイメージしてるので、曲が呼ぶ世界感というのは大きいですね。その中でも、今の自分の位置で言える、背伸びしない等身大の気持ちや思いを書いています」(Yukko)
つまり、そんな彼らの魅力が『ゆめの在りか』には詰まっているということだ。
「一曲一曲がみんな個性的で、バラエティに富んだ曲が集まってるんですが、これが不思議とまとまりのある、何度も繰り返し聴ける心地良い作品になったと思います。絶妙のバランスになりました」(Yukko)
「まるでミュージカルを観ているような、もしくは遊園地にいるような、または世界を旅しているかのうような気持ちで聴いていただけるとうれしいです」(ゴウ)
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