L→R ミヤ(Gu)、YUKKE(Ba)、SATOち(Dr)、逹瑯(Vo)

L→R ミヤ(Gu)、YUKKE(Ba)、SATOち(Dr)、逹瑯(Vo)

【ムック】海外での経験がデカい。逆
に日本を愛しく思えた

アルバム『球体』が完成。昨年の4分の1を海外ライヴで費やした経験が、世界基準のサウンドと、日本情緒が滲む歌という両極に反映され、楽曲の中で融合している、唯一無二の傑作だ。
取材:高橋美穂

まずおひとりずつ、アルバムが完成した感触を教えてください。

ミヤ
曲のメロディー以外の部分は、一緒にツアーをやってたバンドに影響を受けたところもあって…逆に、そこに乗っかるメロディーは日本らしいものになっていきましたね、自然に。だから、新しい刺激プラス、自分たちの持ち味をミックスした感じです。
SATOち
やっぱりムックって、振り幅が大きいバンドなんだなってのを実感しましたね。メタルの要素もあれば、四つ打ちもあって。みんなで刺激し合って、どんどん上がっていくのかなって思いましたね。あと、このアルバムには、海外での経験がデカいのかなって。逆に日本を愛しく思えたことで、日本人らしいメロディーの良さとかを再認識できましたし。
YUKKE
俺も2008年のいろんな活動の刺激が、2008年後半からのレコーディングで出せたと思ってて。サウンドやアレンジに影響を素直に、いろんな形にして出したことで、楽曲の振り幅も広くなったと思うし。そこに自然に出てくるメロディーを乗せることが、ムックらしさにつながったと思いますね。
逹瑯
新しい感じに仕上がったんで、12年やってもいろんな刺激を反映して、新しいものが生み出せるんだなと思いましたね。また、海外でいっぱい刺激を受けてきたからこそ、より日本が良く見えた部分もたくさんあるし、いい刺激と見つめ直せるところが混ざったアルバムなんじゃないかな。ひとつの世界観をぐっと突き詰めていくバンドも、いろんなことをやりたくなるバンドもいますけど、ムックは後者だと思うので、自分たちの軸から、いろいろ派生させることができたアルバムだと思います。

サウンドに関しては、たくさん海外でライヴをしてきたことが表れたような、世界基準の時代性を感じさせられました。

ミヤ
その時にカッコ良いと思ったことしかできないから、取り入れざるを得ないっていうか。それで10年以上やってきたし。

海外のミュージシャンと自分を比較してみたこともあったのでは?

SATOち
ありました。みんなパワフルなイメージがあったんですけど、海外でも繊細に演奏する人もいて、意外でしたね。ライヴではパワー感とかで勝負しても負けちゃうから、他のことで目立とうとかは考えましたよ。外国人って体格がいいからいい音が出せるんですけど、日本人は出せない。だけど、日本人の良いところは、それに近付くためにがむしゃらにやるところだって言われた時に、“確かに!”って思えて。個人的にもがむしゃら感とか大好きなんで、より意識するようになりましたね。

ギターに関してもメタルっぽいアプローチが増えましたが、ここにも海外を回った影響が出ています?

ミヤ
単純に、面白そうだと思ったんです。カッコ良いとも思ったし、自分がやらないことだったんで新鮮だったし。

YUKKEさんは実際、ATREYUとSTORY OF THE YEARのステージに参加してプレイされてましたよね。

YUKKE
外でライヴを見てるのと、中で演奏するのでは全然感じが違いましたね。まぁ、あれはいろいろ考えるよりはお祭り的な感じでしたけど、身に付いたところも少なからずはあります。

逹瑯さんのライヴでのフロントマンとしての牽引力も、海外ライヴを経て増してきたところを感じるのですが。

逹瑯
海外でやるようになって、言葉を視覚で訴えようっていうことと、声色で伝えようということを思うようにはなりましたね。

でも、今のムックって、すごく自然に海外のバンドと対峙してるように見えるんですよね。少し前までは、壁を壊そうとしていたとしても、今は壁も限りなくないように見えるというか。

ミヤ
やっぱ、最初に海外に行った時は壁でしたよね。一緒にライヴをしたバンドも、歳もそんなに変わらなかったりするのに、あり得ないくらいパワフルだし。悔しかったですね。そういう連中と肩を並べられるようになんなきゃいけないと思ったし…逆に、うちらは日本人の良さを分かってると思いましたけど。

その一方で、歌詞は郷愁を誘う言葉も散りばめられていて、世界と日本が今作の中で見事につながってると思えたんですよね。

ミヤ
昔よりも歌いたいことが増えている分、いろんな表現ができているとは思っています。根本では、自分のことを歌ったフォークソング的なものが好きなんで、そういう要素もたまには出てきますよ。ただ、今は何でも拾えるようになりましたね。

リリース直後には、その真価を眼前で体感できるであろう、2度目の武道館単独公演が控えているのですが。

逹瑯
前回は初の武道館で、いろいろ詰め込んだ集大成のライヴだったし、個人的には若干背伸びしたなぁとは思うので、今回はそうじゃなく、ムックの今を切り取ってこれから先も観せたいので、背伸びしないでフラットにやりたいと思います。
『球体』2009年03月04日発売UNIVERSAL SIGMA
    • 初回限定盤A(DVD付)
    • UPCI-9030 3800円
    • 初回限定盤B(DVD付)
    • UPCI-9031 3800円
    • 通常盤(SHM-CD)
    • UPCI-1091 3000円
MUCC プロフィール

ムック:1997 年結成。日本人の心のメロディーを大事にしつつ、ロック、メタル、パンク、ダンス、ラップ、ミクスチャー…ありとあらゆるジャンルの音楽を飲み込み、常に新たなサウンドを追求し続け、“MUCC”というひとつの生命体のように、誰にも似つかない音を鳴らし続けている。国内外問わず結成以来、精力的に数多くの箇所、本数のライヴを行なっており、海外でもヨーロッパ・アメリカ・中国・ロシア・南米の計13 か国で公演を約150 本を実施。国内においても日本武道館、幕張メッセ、国立代々木競技場第一体育館などで単独ライヴを開催。また、国内外の大規模フェスにも出演し、大きな反響を得てきた。08 年には北米(34カ所)、ヨーロッパ(18カ所)を回る大型フェスツアー、『ROCKSTAR Taste of Chaos』TOUR にAvenged Sevenfold、ATREYU、Bullet for My Valentine、Story of the Year、As I Lay Dying などとともに参加。日本公演では堂々のヘッドライナーを務めた。世界を股にかけるタフなライヴバンドとして定評もあり、そのパフォーマンスへの評価は高い。MUCC オフィシャルHP

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