【D-51】
取材:石田博嗣
今しかできないことを全部集めた
今作はほぼ自分たちで曲を手がけてますよね。
YASU
今までも何曲かあったりしたんですけど、自分たちで作り上げる音楽って、他の曲と愛情が違うし、何よりも自分たちのヴォーカルに合ってるんですよ。なので、今回は自分たちの曲だけでアルバムを作りたいってディレクターに相談して、そこから個人個人で作ったり、一緒に曲を作っていったんです。とにかく“いい曲を作ろう!”って感じでいっぱい作りましたね。もう引き出しには何も残ってないです(笑)。
歌詞は今作も前向だし、「東京」にはYASUくんの気持ちが出てますよね。
YASU
そうですね。今回は東京に長期滞在して、制作しまくってたんで…やっぱり東京にいると、心が内側へ行こうとするんですよ(笑)。“俺、何だろう?”って考えたりして、逆にそこから生まれる言葉もあったんですね。“この都会で、こんな生き方ができればいいな”とか自分なりにいろいろ考えて歌詞を書いてたんで、今回のアルバムのタイトルは“東京”でもいいんじゃないかって思ってたぐらいですからね(笑)。
YU
言ってたよね(笑)。今回はやっちゃんの色がより強く出たんじゃないかな。背伸びせずに、純粋に今思っていることを書いている…その瞬間瞬間を言葉にしてるって思いましたね。
そんな中、CHAGE&ASKAの「LOVE SONG」のカバーが収録されているのですが、なぜカバーをやろうと?
YASU
カバーは前からやってみたかったんですけど、なかなかタイミングがなかったんですよ。でも今回、十川ともじさんというCHAGE&ASKAさんのアレンジをずっとやってた方が3曲ほどアレンジで参加してくれてるんで、ディレクターから“これきっかけに、CHAGE&ASKAさんの「LOVE SONG」ってどう?”と言われて、いいタイミングなんで“歌いたいです”って。
YU
他のアーティストの曲をカバ-してCDにするのは初めてだったし、めっちゃ難しかったです。デモで歌ってみたら“ASKAさんっぽくなってるよ”って言われて…歌い方とかどうしてもマネしてしまうというか、オリジナルを意識してしまうんですよ。だから、“俺の声質って何なんだろう?”ってイメトレをして、レコーディングに臨みました。そういう意味では、今回のアルバムは1曲1曲、曲調に合った自分の色が出せるかってことを追究してやってましたね。
YASU
それは自分もありましたね。“どうすれば自分の声でいい歌が歌えるんだろう?”って…僕ってアニメ声なんで、それがすごくコンプレックスだったんですよ。でも、だからこそできることが絶対にあるから、そこはポジティブに考えて、迷いながらなんですけど、すごく自分が出せたと思いますね。
手応えのあるアルバムが作れたって感じですね。
YASU
今、今回の資料に“BESTよりもBESTなアルバム”って書いているのを知ったんですけど(笑)、“確かにな”って。このアルバムの前に出したベストアルバムは、作家さんからいただいた曲に僕が歌詞を付けて、その雰囲気に合ったヴォーカルで歌って、そんな曲を集めたものだったんですけど、今回は僕ら自身が今しかできないことをやって、それを全部集めましたからね。
YU
このアルバムは何も思い残すことがないぐらい思いきりやったんで、自信を持って世に出せますね。荒い部分もあったりするんですけど、その瞬間でしか出せなかった感情だったり、爆発した部分をそのまま収録しているんで、聴く人の鼓膜を刺激するアルバムになったんじゃないかな。
アーティスト