L→R GOT'S(Ba)、TAKE(Gu)、KEIGO(Vo)、KOHSHI(Vo)、IWASAKI(Dr)

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【FLOW】もっと曲に入り込むために、
失恋したい(笑)

3月にアルバム『アイル』をリリース、9月には初の日本武道館公演と、2008年を駆け抜けたFLOWが両A面シングル「SNOW FLAKE〜記憶の固執〜/PULSE」をリリース。季節感あふれる今作について話を訊く。
取材:フジジュン

シングル「SNOW FLAKE~記憶の固執~/PULSE」をリリースするFLOWですが、まずは勢いにあふれていた2008年を振り返ってというところで話を聞かせてください。

KOHSHI
08年の勢いは、07年の助走によるアグレッシブさがあったと思っていて。ツアーファイナルの日本武道館というのが07年から決まってて、そこに向かってがむしゃらに走れた年だったっていうのは感じますね。
KEIGO
会場を一年以上も前に決めてそこに向かうという経験も初めてだったし、『アイル』のツアーがどんどん充実したものになっていったので、日々の積み重ねが自分たちで実感できたことも大きかったのかなって。

12月には日本武道館ライヴのDVDも発売されますが、改めて振り返ると武道館はどんなライヴでした?

KOHSHI
すごい昔な気がしますね。“夢だったんじゃないか?”くらい(笑)。でも、武道館があったからこそ、また新しいことができているわけで。ひとつの節目になったし、基準になった感じはありますね。
KEIGO
武道館っていう場所もあったし、一年半回ってきたツアーのファイナルっていうのもあってド頭はかなり緊張しましたけど、ふとした瞬間から…安心感っていうんですかね? 武道館で味わえるとは思えなかった気分や、空気感を感じられてビックリしました。

そして、武道館で初披露された「SNOW FLAK」。冬をイメージさせる季節感のある曲ですが、その時点ではできていたってことですよね?

KOHSHI
冬を完全にイメージして作った曲ですけどね。夏くらいに短パン、Tシャツで雪を想像しながら冬ソングをたくさん作って(笑)。でも、曲は冬感が満載だったから、曲に入ればちゃんと冬の歌詞が書けた感じはあって。

では、曲から連想して生まれてきた歌詞だと?

KOHSHI
曲から冬の切ない、寒い感じが浮かんだので。失恋をテーマにしつつ、昔からサルバドール・ダリの『記憶の固執』をモチーフに歌詞を書きたいなとずっと思っていて、1番のBメロの一行は俺のリリック帳に昔から書いてあったんです。

“垂れ下がる 記憶の時計は あの日から止まったまま”という箇所ですね。

KOHSHI
そうです。それとこの曲が合うんじゃないかと思って、そこから始まったんですよ。そもそも、俺がダリの絵がすごく好きで。自分の好きなものを曲に取り入れられないかと思ったのと、“俺はこの曲を聴いて、こう解釈した”という世界観を出したいと思って歌詞を書きましたね。

歌詞は寒くなる季節の説明できない切なさに、何を見ても彼女を思い出すという失恋の切なさが合いまみれていて、それがさらにダリの絵ともリンクしていきますね。

KOHSHI
こんなに辛いなら、いっそこの記憶も雪とともに溶けてしまえばいいという。あと、俺が書くとどうしても男の視点になってしまうので、男に共感してもらえたらいいなって思うんですけどね。

男は未練がましく過去の恋愛を引きずるけど、女はわりとサバサバしてますからね(笑)。

KOHSHI
なんでなんすかね、あのON/OFFみたいなスイッチ感は(笑)。“昨日まで好きって言ってくれていたのに!”みたいなね。

アハハ。最近聞いた話でフッと記憶が蘇るのって、一番が匂いで、二番が音、三番が視覚なんですって。

KEIGO
あ?そうなんだ。匂いとかはすごい分かるなぁ。

冬の匂いってあるじゃないですか。この曲からはそんな冬の匂いも香ってくるような気がしましたけどね。

KOHSHI
最近この曲を聴きながら街を歩いていると、ぴったりリンクするんですよね。“なんだろ、この切ない感じは…”みたいな。“もっと曲に入り込むために、失恋したいな”とか思ったりして(笑)。
KEIGO
曲調や音も冬らしさだったり、切ない感じが出ているので、そこでまず世界観に入りやすかったし、KOHSHIの書いた歌詞も当然、経験したことのあることだったので“分かる!”って感じで入りやすくて。

この曲を聴いて、忘れかけていたあの人の記憶を思い返す人もいるかもしれないですよね。

KOHSHI
そういう人には、“無理だぜ!”って言いたいですけどね(笑)。俺の持論で、“一度壊れた物は元に戻らない”ってのがあるので。思い出すだけにしとけよって。

ダハハハ。そして、『X-TRAIL JAM』のイメージソングでもある「PULSE」ですが、こちらも冬を連想させながら、世界観を大事にした「SNOW FLAKE」とは逆に感情や衝動にあふれた曲になりましたね。

KOHSHI
この曲は武道館の直前、リハーサルをやりながら急遽作った曲で。そんなこともありきで感情と身体で書いた歌詞だったから、こんな曲になったのかなって。FLOWにはありそうでなかった曲だったりして、こっちがA面でも良かったんですけど、「SNOW FLAKE」があまりに良い曲だから両A面にして。

なるほど。そして、このシングルが来年早々に待っているアルバムへの伏線にもなっているわけですが。

KOHSHI
そうですね。アルバムはこの流れもありながら、さらに違った所から攻めてくるアルバムになっているので、楽しみにしていてください。早く聴かせたいです(笑)。
「SNOW FLAKE 〜記憶の固執〜/ PULSE」
    • 「SNOW FLAKE 〜記憶の固執〜/ PULSE」
    • KSCL-1321
    • 2008.12.10
    • 1223円
FLOW プロフィール

フロウ:KOHSHI(Vo)、KEIGO(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)の5人組ミクスチャーロックバンド。2003年1月に発表した海援隊の「贈る言葉」のカバーで注目を集め、シングル「ブラスター」でメジャーデビュー。疾走感あふれるエネルギッシュなバンドサウンドと思わず身体が弾み出すようなメロディーを武器に、全国でイベント出演やライヴを繰り広げる。『NARUTO -ナルト-』『交響詩篇エウレカセブン』『コードギアス』をはじめ、多くのアニメにも楽曲を提供し、06年以来、海外での活動にも精力的に取り組み、アジア、北米、南米、ヨーロッパなど、これまでに19カ国59公演を超えるライヴ実績を持ち、ライヴバンドとして国境を越えて音楽を届けている。22年にデビュー20周年突入イヤーを迎え、11月にORANGE RANGEとのコラボ楽曲「デイドリーム ビリーヴァー」を含むシングルをリリースする。23年7月にはアニメ提供楽曲だけで行うワンマンライヴ『FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~』を幕張メッセ国際展⽰場で開催予定だ。FLOW オフィシャルHP

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