【光岡昌美】私たちが普通に恋愛して
抱く気持ちと一緒
THE 虎舞竜の名曲「ロード」にインスパイアされた光岡昌美が綴る、女性目線で描いた切なさと愛情あふれるアンサーソングが完成!
取材:ジャガー
ロード」のアンサーソングと聞いた時は、すごく驚きました。
中学校の時に弟とカラオケに行った時に、初めて一曲通して聴いたんですけど、すごく切ないなって。まだ子供だったし、愛する人が死んで、その人に対しての想いを歌っている曲を聴いたのも初めてだったので、歌詞が胸に突き刺さってくるような…衝撃的でしたね。
その時から“アンサーソングを作ろう”みたいな、気持ちはあったのですか?
その時は別に。でも、今年の夏に偶然街で『ロード』を耳にしたら、初めて聴いた時の衝撃や、いろんな思いがあふれてきたんです。原曲は、最愛の女性を亡くした男性の一途な思いを描いているんですけど、そういう内容を知っていくほど、“この女性が、もし男性に伝えることができたら何て言うんだろう?”って考えてる自分がいて。いきなり死が来て…きっとこの先、いろんなことをしたかったと思うんですよ。それが一気に断ち切られてしまって…彼女にも言いたいことだってたくさんあっただろうし、抱いていた夢や幸せもあっただろうし。そんなふうに考えていくうちに、こうやって自分は歌で思いを伝えているんだから、亡くなった女性目線で歌詞を書きたくなって、この曲を作りました。
光岡さんは、自分の体験や思いを書いた楽曲が多いと思うのですが、今回は原曲の女性像を忠実に再現してますよね。
原曲が情景を思い浮かべやすいものなので、そこは壊したくなかったですね。私の書いた歌詞と原曲を照らし合わせてみてもらうと、つながりが多く発見できるので、面白いと思います。
歌詞は“死”というどうすることもできない別れを悲しむのではなく、彼への愛に満ちた内容ですね。そこが逆に切なさを強調していて、胸が締め付けられました。
まず、自分自身死んだことがないので何て書いたらいいか分かんなくて(笑)。書きたい思いはすごくあるのに、それが上手く言葉にならなかったこともありました。でも、死んだとしても心は生き続ける…姿はなくなってしまったけど、きっとふたりはいつまでもお互いのことを愛してるんじゃないかなって思ったら、“死”は大きなテーマではあるけど、そこまで考えないでいいのかなって。それよりも彼への一途な思いを歌うべきなんじゃないかなって思ったんです。それは私たちが普通に恋愛して抱く気持ちと一緒なんですよ、きっと。
歌声も雰囲気がだいぶ違って、悲しみだけでなく、愛する人への思い、愛情の温かさを感じました。
変に“こういうふうに歌わなきゃ”や“こういう感じで歌おう”っていう気負いはなかったですね。思いは歌詞にきっちり込められたので、その流れに乗るようにしました。あと、一曲通して歌ったものを録ったことも大きいかもしれないですね。ライヴと同じ感覚で歌えたので、感情が込めやすかったです。やっぱり、部分的に録っていく作業だと自分の感情が途切れてしまうというか。そういう点で伝わりやすくなっているんじゃないかな。
その歌声を押し出すメロディーも。シンプルだけど、心地良いサウンドですし。
原曲が冬なので、この曲でもそういうのを出したかったんです。あまりに大袈裟になってしまうとリアリティがなくなってしまうので、シンプルなサウンドで。もともとメロディーも歌詞も違っていたんですけど、女性目線っていうのを意識して少し直してみたら、すごく切ない感じに仕上がりました。
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