【ONE OK ROCK】エモーショナルとい
う自分たちのジャンルを確立する!
前作から半年という早いペースで発表された、今年2枚目となるアルバム『感情エフェクト』。急成長を続けるバンドの勢いとメンバーの感情が目いっぱいに詰まった、そんな新作について語ってもらった!
取材:石田博嗣
前作『BEAM OF LIGHT』をリリースした後の対バンツアーはどうでしたか?
Taka
勘違いしてたというか…その1ヶ月前にワンマンツアーをやってたこともあって、最初の頃はワンマンライヴと同じ感覚でやってたんですね。それまで対バンツアーってやってなかったから、どんな観せ方をすればいいのか分からなかったし。ツアーの所々でいろんな人から助言ももらったんですけど、言われたことが多すぎて、“どうすればいいんだろう?”って迷ってた時期もあって…言われて嫌なこともたくさんあったんですけど、今になって考えるとひとつひとつが大切なものになってるし、すごく勉強になったと思いますね。
Toru
いいライヴをするバンドもいっぱいいたんで、単純にワンマンで回ってたら気付かなかったようなことに気付けたし、いろんな刺激をもらいましたね。それがあったからこそ、今につながってる気がする。
Tomoya
いろんなバンドと一緒にやらせてもらって、バンドがすごく成長できましたね。ライヴが終わった後の移動の車の中で、ラインで録ったものをみんなで聴いて、“ここはもっとこうして?”とか言い合って、そういうのを重ねてきたんで、バンド全体としてのまとまりも出たんじゃないかなと思います。
前作から半年というスピードで3rdアルバムが発表されたのですが、そんな対バンツアーの中で、いろんなバンドから刺激を受けつつレコーディングしていたと?
Taka
そうですね。でも、ツアーとアルバムは別物で考えてるんですよ。ツアーを回りつつ、アルバムを作るっていうのは、ものすごくしんどかったんですけど、気持ちはしっかりと切り替えてやってました。自分たちがやりたいエモーショナルっていうジャンルを確立して、今までの中で一番いいアルバムにしたいって。だから、自分たちでエンジニアさんも探して…自分たちが今まで経験してきて、できることは最大限にやろうと。ギターの音もドラムの音も全て“こういう音にしたい”っていうチョイスをして、そういう音になるってことを予想しながらアルバムを作ってました。
Tomoya
だから、録ってる時から音がすごく良くて、テンションが上がったし、気持ち良かったんで、それが音に出てるかなって。
そういうサウンド的なところも含めて、洋楽的でスケール感のある繊細な作品になりましたよね。
Toru
一発録りでやることがエモーショナルだと思う人もいるでしょうけど、僕らは1曲1曲作り込んでいった…CDで聴いても楽しめるものを作りたかったんで、曲によってはアコギを入れてみたり、アレンジをシンプルにしたりしましたね。
特に意識したことは?
Toru
みんなが今やりたいこと、今作りたいもの、今伝えたいものをサウンドや歌で表現する…そこは今までと変わってないんですけど、それプラス、感情的というか、内面的な部分をもっと表に出したという感じですね。
Tomoya
前作はライヴを意識した曲を作ろうっていうテーマが最初からあったんですけど、今回は最初から“エモーショナル”っていうキーワードがあったわけじゃなくて、そういう曲をみんなが聴いていたり、“こういう曲をやったら面白いかも”ってことで自然にテーマが定まっていった感じなんですよ。個人的にもやりたいことをやった…それが“感情エフェクト”っていうタイトルにもなってるんですよ。ONE OK ROCKに自分のエモーショナルのエフェクターをかけて、こういうアルバムになったっていう。
Taka
バンドってやりたいことがメンバーひとりひとり違うと思うんですよ。だけど、全員がひとつになって“これをやりたい!”って立ち上がる…ひとつになる勇気の方が大変なような気がするんですけど、今回も自然とバンドに一番合っているテーマになりましたね。正直言って、ONE OK ROCKとしてCDを出してから、自分たちがどんなジャンルなのか分かってなかったんですけど、やっとそういうところから抜け出せて、スタートラインに立てた気がします。
歌詞にも変化はありました?
Toru
感情的な言葉を出したかったのかなって。そういうモードになっていたというか。“カッコ良い歌詞を書いてやろう”という気持ちはなかったし、今まで通り素直に…それプラス、もっと人間的なもの。やっぱり人それぞれ考えてることも違うから、ほんとに自分が考えてることを書いた結果、“第三次私事大戦”とかの造語も出てきたという感じですね。
Taka
音源と歌詞はいつも別に考えてて、“エモーショナル”っていうテーマだけど、それを意識することはなく、単純に今の自分が思っていることを書きましたね。19歳から20歳になる気持ちとか。歌詞を書くのも時間的にすごく短かったので、その間に集中してバッと書いたんで、書き終わったら意外とストーリーがつながっているというか、テーマが一緒でしたね。
来年1月にツアーが控えているのですが、大阪はなんばHatch、東京はZepp Tokyoと会場が大きくなってるだけに、気持ちも高ぶってます?
Taka
いや、普通に“なんで、俺らがZepp なんだろう?”って思ってますよ。ほんとにテンパってます。ここ1年、楽しい東京でのワンマンライヴはなかったんじゃないかな。ずっとプレッシャーと闘ってた…でも、自分たちが今しないといけないことが、ちょっとずつ分かってきたし、改善しないといけない点もはっきりと見えているので、そこを自分たちなりに追究して、あとは慣れていく作業だと思ってるんですよ。どんなにカッコ付けても、そこはまだ自分たちにはできてない部分なんで。常に平均よりも上でありたい思ってるし、目指す場所は高く設定しているので、それを提示しながら1月のワンマンツアーはやり切りたいですね。
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『感情エフェクト』2008年11月12日発売Aer-born
ワンオクロック:2005年結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライヴパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。07年のデビュー以降は全国ライヴハウスツアーや各地の夏フェスを中心にライヴを行ない、日本武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナツアーなどを成功させる。16年9月には静岡県の渚園にて2日間にわたり11万人規模を動員する野外ライヴを開催。日本のみならず海外レーベルとの契約をし、アルバム発売を経てアメリカ、ヨーロッパ、アジアでのワールドツアーを成功させるなど世界基準のバンドになってきている。19年2月に待望のニューアルバム『Eye of the Storm』を全世界同時リリース。ONE OK ROCK オフィシャルHP