【サカナクション】『SAKANAQUARIUM
2015-2016 "NF Records launch to
ur"』2015年10月27日 at 日本武道館

撮影:山本マオ/取材:石角友香

ベースの草刈愛美の妊娠、出産でライヴ活動を休止していたサカナクションが1年半振りにステージに帰還。しかも、5年振りとなる武道館公演(今回は2デイズ!)は、ロックバンドが表現し得るスペクタクルの限界を突破し、サブでもメインでもない大文字の“カルチャー”を体現する内容だった。後半のホールツアーも開催されるので詳述は避けるが、ヒントとしては我々が普段“日本的”とか、“EDM的”とか、ジャンルとしてカテゴライズしているものが角度を変えて見れば同じ根を持っていることを和太鼓チーム“GOCOO&GORO”とコラボレートすることで表現したり、お馴染みラップトップを操り5人が横一列に並ぶシーンも破格のスペクタクルとしてアップデートされていた。そんな“チーム・サカナクション”の総力戦たる演出に、スタンディングライヴ状態のアリーナは山口一郎(Vo&Gu)が“みんなもっと踊れる?”と煽りを入れる以前からダンスフロアー状態に。そして、アッパーな楽曲から一転してバンド対オーディエンスひとりひとりが対峙するようなディープな選曲からなるブロックを日本武道館キャパで成立させた集中力も破格だった。エレクトロニックな要素はもちろん、ギターロックバンドとしての地力には、新曲「新宝島」から初期ナンバーまで、時系列を感じさせないバンドアンサンブルで証明。自身のレーベルのローンチツアーと題しただけあって、その存在意義を今後につなげる覚悟ももちろん大きいはずだが、細分化されたミュージックシーンにあって堂々と“これが日本の今の文化だ”と世界に発信したくなる、そんなライヴだった。

セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。
サカナクション プロフィール

北海道は札幌より登場の5人組ロック・バンド。バンド・サウンドとテクノ/エレクトロニカ的要素が高次元で融合した、00年代的新鮮さを携えたグループである。因みに、sakana+action=ミュージック・シーンの変化を恐れず魚の動きのように軽快に素早くアクションしていく=sakanactionというのがバンド名の由来だ。
05年、山口一郎(vo&g)と岩寺基晴(g)の2人により、札幌にてバンド結成。06年には草刈愛美(b)、岡崎英美(key)、江島啓一(dr)が加わり現在の編成となる。同年夏に行われた『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO』への出演をきっかけとして多くの音楽ファンの注目を集める。

自主録音の「三日月サンセット」「白波トップウォーター」といった楽曲の評判が口コミで広がり、07年5月に、<ビクターエンタテインメント>より1stアルバム『GO TO THE FUTURE』でメジャー・デビュー。本作には先述の2曲も収録され、ロック・リスナーもクラブ・ラヴァーズも等しく魅了する、最終的には“ポップ”としか言いようのない豊かなサウンドが実現している。08年1月にリリースした2ndアルバム『NIGHT FISHING』では、その先進性が評判になり、同年夏には新人最多となる8本もの野外大型フェスに出演、急激に注目度を増幅させる。

翌年1月には3rdアルバム『シンシロ』をリリース。ロック・リスナーはもちろん、J-POPユーザーにも彼らの楽曲が突き刺さり、各メディアでも絶賛されチャート上位に登場。また、全公演のチケットがソールド・アウトした全国ツアー『SAKANAQUARIUM 2009“シンシロ”』では、ステージングはもとより演奏楽曲をライヴ用にリアレンジしてパフォーマンスに臨む姿勢が高く評価された。

また、制作物のグラフィックやツアー・グッズのデザインなど、楽曲以外のクリエイティビティーも話題に上り、「ネイティブダンサー」のPVを<YouTube>で公開するやいなや、20万を超える再生回数をカウントすることに。PVとしては異例ともいえるこの再生回数は、インタラクティヴ・プロモーションに敏感なユーザーの支持にも繋がった。10年1月、『kissmark』CMソングに抜擢されたシングル「アルクアラウンド」をリリース。本作がロング・セールスを記録する中、3月には海水と淡水が交わる水域“汽水域”から創られた造語が付けられた4thアルバム『kikUUiki』(汽空域)を発表。サカナクション オフィシャルサイト
公式サイト(アーティスト)
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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