【ユニコーン】『UNICORN TOUR 2014
“イーガジャケジョロ”』2014年6月
29日 at 幕張メッセ 国際展示場1~3
ホール

撮影:山本倫子/取材:宮本英夫

 3月末から始まった長いツアーの追加公演、東京2日目。手島いさむ(Gu)が“最後までもつでしょうか?”とつぶやけば、“これが終われば休めますよ”と奥田民生(Vo&Gu)が混ぜ返す、いつものノリでライヴはスタート。序盤の主役はEBI(Ba)で、エルヴィスばりのヒーカップ唱法で「夢見た男」(可愛いフラフープダンサーズの応援付き)「看護婦ロック」(EBIと奥田がリーゼント頭。奥田はウッドベース)などを熱唱すると、奥田も「KEEP ON ROCK’N ROLL」など、広い幕張メッセのホール全体がビリビリ震えるほどの大迫力ヴォーカルで応戦する。中盤で主役の座を奪ったのは川西幸一(Dr)で、タクシー運転手に扮した寸劇を交えつつ、「俺のタクシー」「イーガジャケジョロ」など独特の言語感覚でシュールな世界へと誘う。ABEDON(Key)はと言えば、ローディーが持つフライングVギターを何本も取り替えて“違うな…”とボケ倒していたし、今日は笑いのポイントを競っているのか?と思いきや、手島いさむが「それだけのこと」をキーボードで弾き語って思い切りホロリとさせる。笑ったり切なかったり熱い気持ちが込み上げたり、ユニコーンのライヴは忙しい。

 終盤は「服部」「大迷惑」の二連発で子供を連れたお父さん世代を一気に盛り上げ、「Feel So Moon」では客席のLEDブレスレットの七色の光が会場を宇宙空間のように美しく染め上げた。アンコールで民生が“正直しんどかった(笑)。こんなに広いところではめったにやらないけど、メモリーとしてはいいんじゃないか”と言っていたが、こんなメモリーなら何回でも観たい。ユニコーンらしさ全開の濃厚な2時間40分だった。 

セットリスト

  1. 夢見た男
  2. KEEP ON ROCK’N ROLL
  3. スターな男
  4. あなたが太陽
  5. 頼みたいぜ 
  6. お前BABY
  7. 看護婦ロック
  8. WAO!
  9. 鳥の特急便
  10. 俺のタクシー
  11. トキメキーノ 
  12. イーガジャケジョロ
  13. 早口カレー
  14. We are All Right
  15. それだけのこと
  16. 新甘えん坊将軍
  17. ユトリDEATH
  18. オレンジジュース
  19. さらばビッチ
  20. 服部
  21. 大迷惑 
  22. Boys&Girls
  23. Feel So Moon
  24. <ENCORE1>
  25. はいYES!
  26. <ENCORE2>
  27. ひまわり
ユニコーン プロフィール

1986年に広島で結成されたロック・バンド。バンド名はT.レックスのアルバム『ユニコーン』に由来している。87年にアルバム『BOOM』でメジャー・デビュー。89年4月発表の1stシングル「大迷惑」がブレイクし、80年代後半のバンド・ブームを代表する存在に。「大迷惑」を収録した同年6月リリースの3rdアルバム『服部』より、徐々にその音楽的才能/造詣の深さが顕在化し、90年10月の4thアルバム『ケダモノの嵐』、91年9月の5thアルバム『ヒゲとボイン』でさらにその屈強なるアーティスト性に拍車がかかっていく。後期ビートルズを意識したサウンド・プロダクツ、シリアスな中にも遊び心を忘れない詞世界、鬼才トッド・ラングレンを思わせる珠玉のメロディ・ラインなどが生きた自由奔放な楽曲で人気を呼ぶも、93年9月に解散を発表。メンバーのソロ活動が始まり、バンドの存在は伝説的なものとなっていく。そして、解散から15年後の2009年元旦。オフィシャル・サイトでまさかの再結成を宣言し、同年2月に復活のシングル「WAO!」、アルバム『シャンブル』をリリースすること、全国ツアーを行なうことを明らかにした。その後も精力的に活動を続け、2014年3月には再始動後3枚目となるフル・アルバム『イーガジャケジョロ』をリリース。ユニコーン オフィシャルサイト
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