【BUCK-TICK】『THE DAY IN QUESTIO
N 2013』2013年12月29日 at 日本武道

撮影:MASA(Alegre)、HISASHI MORI/取材:桂泉晴名

 2000年以来、毎年恒例となった年末のBUCK-TICK日本武道館公演。2階後ろまでぎっしり詰まった会場は、開演前から熱い期待で揺れていた。まずは2013年に公開された映画『劇場版BUCK-TICK ~バクチク現象~』のテーマソングで今年1月リリースの「STEPPERS -PARADE-」からスタート。櫻井敦司(Vo)の華やかな歌声とマーチングドラムに心が踊る。最新シングル曲に続いて、90年発表の突き抜けるロックナンバー「NATIONAL MEDIA BOYS」で観客を興奮の渦に巻き込んでいく。幻想の中を漂うような楽曲「ミウ」では、アコースティックギターの音色が醸し出す切なさに酔いしれる。25年以上のキャリアの中で生まれた、さまざまな年代の楽曲たち。それらが入り混じって披露されていくが、発表された時期の違う曲がつながっても違和感なく聴こえる。エキセントリックかつ美しいサウンド、アイロニカルな詞。独特の個性は時代に消耗されることなく貫き通されていることを実感する。本編後半の「セレナーデ -愛しのアンブレラ-」では、光の雨の中で演奏しているような美しい演出を取り入れて楽曲の世界を彩る。しかし、ステージは基本的にシンプル。MCでも派手にオーディエンスを煽らない。パワフルな演奏だけで何よりも会場を熱くさせる。

 そして、この日もっとも強く印象に残った場面のひとつは映画『劇場版BUCK-TICK ~バクチク現象~』のもうひとつのテーマソングで愛あふれる詞の「LOVE PARADE」。やさしく力強いメロディーに体を委ねるオーディエンス。その様子から5人に寄り添って笑顔で歩くファンの人たちの姿が思い浮かび、温かい気持ちになる。1年の締め括りに相応しい幸福感に満ちたステージだった。

セットリスト

  1. STEPPERS -PARADE-
  2. NATIONAL MEDIA BOYS
  3. キャンディ
  4. Django!!! -眩惑のジャンゴ-
  5. ミウ
  6. BUSTER
  7. CREAM SODA
  8. ドレス
  9. BRAN-NEW LOVER
  10. SE.-Rainy-
  11. セレナーデ -愛しのアンブレラ-
  12. 羽虫のように
  13. スズメバチ
  14. MY FUCKIN’ VALENTINE
  15. RHAPSODY
  16. くちづけ
  17. KISS ME GOOD-BYE
  18. <ENCORE1>
  19. エリーゼのために
  20. 真っ赤な夜
  21. ROMANCE
  22. 太陽ニ殺サレタ
  23. <ENCORE2>
  24. LOVE PARADE
  25. FLY HIGH
  26. 独壇場Beauty -R.I.P.-
BUCK-TICK プロフィール

バクチク:1987年にメジャーデビューを果たし、以降メンバーチェンジすることなく、日本のロックシーンの第一線で活躍し続ける。不動であり孤高であるその姿は、後続するアーティスト達にも多大な影響を及ぼしてきた。89年にリリースされた3rdアルバム『TABOO』でチャート第一位を獲得、デビュー後わずか2年の間に日本武道館、東京ドームと席巻し、名実共にトップアーティストの仲間入りを果たす。その後も独特なポップセンスとダークな世界観を深く掘り下げていく一方で常にその時代の先鋭的な要素を積極的に取り入れ、まさにBUCK-TICKでしか成し得ない独自の音楽性を提示しながらも、今なお進化し続けている。BUCK-TICK オフィシャルHP
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BUCK-TICK オフィシャルYouTubeチャンネル
BUCK-TICK 35周年ティザーサイト

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