【OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUN
D】OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROU
ND 渋谷CLUB QUATTRO 2007年10月3日

photo:福富雅士/text:高木智史

ほぼ定刻通りに照明が落ち、ひとりの男がピアノを前に腰を落とした。 と同時に流麗な旋律と強くもやさしくもある歌声がゆっくりと会場に染み渡っていく。その男はAKEBOSHI。わずかな灯りの下、ピアノ、 時にはアコギでアイルランドを旅した時に経験した想いを切々と歌う姿に壮大な世界観を感じ、観客もその迫力ある歌にじっと耳を傾けるのみだった。やがてOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDの面々が現れ、“楽しんでください”とMARTINが語り、ライヴはいきなり新曲からスタートする。バイオリン、パーカッションなどといった生音が紡ぐトラディショナルなサウンドはとてつもないスケールを感じさせ、これから始まる世界のプロローグのようでもあった。2曲目は「Black and Blue Morning」。2本のアコギが重なり、奥行きのある音がMARTINとTOSHI-LOWのヴォーカルをより広がりのあるものとする。サウンドと同時にふたりのハーモニーの美しさにも酔いしれた。続く「Thank you」では、リズミカルに刻むアコギに自然とオーディエンスは手拍子を返す。カントリーミュージックも融合した、心地よいサウンドに僕は思わずビールなんかを片手に目を閉じて聴きたくなってしまった。各メンバーの技術、豊潤な音楽のバックグラウンドを折り込みながらも、ポピュラリティに配慮した楽曲群は芸術品と言ってもいいだろう。ライヴはダブルアンコールまで行なわれ大喝采で終了したのだが、こんな素晴らしい音楽を聞いていると生きていること自体に感謝してしまう。
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND プロフィール

OKMusic編集部

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