text:石田博嗣

アフロ3人組のがメジャー移籍を前に東京と大阪で行なったワンマンライヴ。東京公演は、ぎっしりと観客が会場を埋め尽くしていた。その光景だけでも、現在のバンドの勢いがうかがい知れる。もちろん、彼らは期待通りの…いや、それ以上のライヴを魅せてくれた。ステージに登場するだけで、場内の空気を和ませた3人。アフロというビジュアル的なインパクトもあるのだが、何よりもステージに立った瞬間から、彼らは満面の笑顔だった。それはライヴがスタートしても変わるはことない。目の前の観客を楽しませること以前に自分自身が楽しんでいるのだろう、音楽を心底楽しんでいるからこそ生まれるハッピーでピースフルなバンドグルーブが会場を揺るがし、そんな3人のテンションが伝染したかのように、観る者も笑顔にし、楽しい気分にさせていた。また、鶴のサウンドはルックスからも分かるようにファンクやソウルの影響を強く感じさせるのだが、遊び心にあふれていて、決してマニアックなものにはならず、逆にJ-POP的なキャッチーさも持ち合わせている。“中トロ、大トロ、クアトロ?”というコール&レスポンスを繰り広げるなど、コミカルなパフォーマンスもあったのだが、各パートが圧倒的な存在感と絶対的な安定感を持つ演奏力と、楽曲のノリの良さで、客席との間にアットホームなコミュニケーションを作り上げていたことも言うまでもない。いよいよ鶴はメジャーというフィールドに活動の場を移すわけだが、より音楽を楽しんでいる姿を見せてくれること請け合いである。
鶴 プロフィール

03年、埼玉県鶴ヶ島市の「鶴ヶ島西中学」の同級生だった秋野温(Vo/G)神田雄一朗(B)笠井快樹(Dr)の3人で結成。
同年春から下北沢や新宿でライヴを展開し、アフロとキモシャツ(鶴が命名)の70sファッションを代名詞にお客さんを巻き込んで展開するライヴパフォーマンスで話題を呼び、あっという間に人気者に。

04年8月、1stアルバム『素敵CD』をリリース。新宿JAMでのレコ発を成功させ、その日を皮切りに関東関西中心に26本の初のツアーを展開。05年にはトータル100本近くのライヴを決行し、その人気はじわじわと拡大していく。
06年、待望の2ndアルバム『浪漫CD』をリリース。渋谷タワーレコード3位獲得を筆頭に各地のインディーズチャートでも急上昇する。年末には、毎年恒例のROCKIN'ON主催イベント「COUNT DOWN JAPAN 06-07」に出演。この勢いにのって、08年夏フェス「ROCK IN JAPAN」、2年連続で「COUNT DOWN JAPAN 07-08」に出演を果たした。

08年、自主レーベルafrock recordsからワーナーミュージックジャパンへの移籍を発表。シングル「恋のゴング」でメジャーデビュー。続く2ndシングル「夏の魔物」を引っ提げたツアーのファイナルとして初の恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンを決行。チケットSOLDOUTの超満員で大成功を収めた。鶴オフィシャルサイト
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OKMusic編集部

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