【高橋 優】『高橋優初の全国ライブ
ツアー~唄う門にも福来たる2011』2
011年7月7日 at 恵比寿LIQUIDROOM

撮影:森 久/取材:石岡未央

 “皆さんが歌ってくれるというのは、思い描いていた夢そのもので、本当に嬉しいし、やってて良かった”。全国8都市9公演“初”のワンマンツアーをソールドアウトで迎えた追加公演での最終日。ステージに登場した彼が、なんとなくニヤけた顔に見えたのは、気のせいだろうか…。だが、すぐさま勢いカウントでオープニング「希望の歌」へと突っ走る。メジャーデビュー後、ハイスピードで駆け抜けた1年ほどの記憶と、“歌う”ことへの想いを遡る楽曲を惜しみなく放射していく。MCでは、秋田弁混ぜつつの軽妙な家族ネタでおどけて、目一杯の笑いで和ませる。そして、振り返る人もない路上で“歌うことしかできないけど…”と奏でていた「メロディ」を慈しむように、10年分の回想を込めて紡ぐ。心情の彩色豊かにアッパーだろうが、スローだろうが、まっすぐに届けようとする歌心は、世代を問わず心の隙間に潜り込み共感を煽る。少年の心と大人の解釈。相反する共存が、所詮、人は矛盾の固まりだとも知らしめる。「少年であれ」は、唯一ギターを置き両の手で音色を表現した。アンコールの呼びかけが合唱に変わる。冒頭のセリフがこれを受けたものだ。2年ほど前、最初に彼を見た某専門学校での教室ライヴで、軽くキョドってた姿が懐かしい…。一生懸命に言葉を置いていくような歌に心が動いた。だから、会場中が“もう一曲”と願うように歌う「福笑い」には、なんか、嬉しさがあふれてきた。あの時にも「駱駝」があった。“原点みたいなモノを忘れちゃいけない”と言って歌ったアンコール。感嘆にも似た歓声が上がっていた。終演のBGMに乗り、歌い止まない「福笑い」は、幕引きの会場を優しく包み込んでいた。

セットリスト

  1. 希望の歌
  2. 素晴らしき日常
  3. 誰がために鐘は鳴る
  4. 靴紐
  5. 8月6日
  6. ほんとのきもち
  7. サンドイッチ
  8. メロディ
  9. 少年であれ
  10. 花のように
  11. 終焉のディープキス
  12. 頭ん中そればっかり
  13. 現実という名の怪物と戦う者たち
  14. こどものうた
  15. 福笑い
  16. 駱駝
  17. シーユーアゲイン
高橋優 プロフィール

タカハシユウ:1983年12月26日生まれ。札幌の大学への進学と同時に路上で弾き語りを始め、08年に活動の拠点を東京に移し、10年7月21日、シングル「素晴らしき日常」でワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー。13年11月には日本武道館での単独公演を成功させた。デビュー5周年迎える15年7月にはベストアルバムをリリースし、同月25日には秋田県の秋田市エリアなかいちにてフリーイベントを開催。高橋 優 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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