Brian the Sun×天王寺Fireloop 野津
知宏
- the Homeground 第2回 -

ライヴ活動を行なうアーティストの拠点となるライヴハウス。思い入れ深く、メンタル的にもつながる場所だけに、アーティストとライヴハウス、それぞれの目線から出会いや第一印象などを語ってもらった。もしかしたら、ここで初めて出る話もあるかも!?

Brian the Sun プロフィール

ブライアン・ザ・サン:2007年、大阪で結成。『閃光ライオット2008』で準グランプリを獲得。メンバーチェンジを経て11年4月より現在の編成となる。コンスタントな制作、ライヴ活動で全国に名を広め、16年6月にテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』のエンディングテーマとなったシングル「HEROES」でメジャーデビュー。19年3月にはメジャー3作目となるアルバム『MEME』をリリースし、同年6月にはアメリカの3大アニメ・コンベンションのひとつである『A-kon2019』へ出演、ヘッドライナーとして約3000人を動員して初のアメリカ公演を成功させた。Brian the Sun オフィシャルHP

帰ってくる場所があるっていうのは心強

バンドの結成について教えてください。

白山
2007年の高校生2年生の頃に僕と良太が組んだバンドです。僕と良太が同じ高校で、1年生の時に同じクラスになって仲良くなって、同じ軽音楽部に入って前身バンドを組んだのがきっかけですね。

ライヴや楽曲へのこだわりは?

ライヴへのこだわりは生感ですね。楽曲についても同じ。うそをつかないということが大事ですね。
白山
バンドを組んでから9年目になりますが、最近は、背伸びをしない、変な力の入っていないライヴをすることです。良太が書いたものを僕らも理解して観せようと思っているので、それがウソやったら何を理解しているのか分からなくなってしまうので。

どのような時に、“音楽活動をしていて良かった”と感じますか?

白山
音楽って残るものじゃないですか。人間って生きても100年くらいなのに、ベートーベンとかは数百年前に作られた作品が今でも語られているじゃないですか。それは、音楽でも歌でも絵でも同じなんですけど。話は逸れますけど、僕は元阪神タイガースの新庄 剛さんが大好きで、彼の名言である“記録より記憶に残りたい”という姿勢にも憧れて音楽活動をしているので、記録より記憶に残る活動を今後もしていきたいですね。
田中
僕はライヴですね。ライヴをしている時に音楽をしていて良かったと思います。自分が好きでやっていることを聴いてもらえることがすごく幸せです。
小川
ついこの間、11月25日のライヴでメジャーデビューの発表をした瞬間に、お客さんが爆発的に“うわー!”って歓声を上げて喜んでくれたり、泣いてくれている人を観た時、やってて良かったと感じました。で、“これからも頑張ろう!”と思いました。

天王寺Fireloop野津さんに対する第一印象は?

実は、野津さんとは20歳頃までほとんど話したことがなかったんです。
白山
ライヴ会場でお世話になるPAさんやブッキングマネージャーさんと違って、店長さんだから高校生の頃の自分にとっては少し怖かったかな。
怖いというよりか、なかなか接点もなかったし。
白山
ライヴが始まったらすっと現れる人、っていう感じで。
そう。でも、ちゃんと見てくれてるんだなっていうのが後々分かるという。一昨年、Fireloopのバンドと北海道で合同イベントをすることになった時に、4バンドで同じペンションに泊まったんです。
小川
暖炉を囲みながら朝まで喋りました。
その時に、野津さんに“ライヴ見てたで”っていろいろ話してもらったのを覚えています。

逆に、野津さん側からはどのような印象を持たれていたと思いますか?

あんまり音楽を真面目にやってるような印象ではなかったんじゃないかな? チャラチャラしてるように見えてたかも。時間が経って、“だんだん良くなってるね”という感じだったので、出会った頃の印象は、特にそんなによくなかったんじゃないかと。
白山
当時は出るたびにメンバー編成が変わってたりもしていたし。高校生の時にFireloopに出てた頃は、もっとポップでした(笑)。その後Fireloopで働いていたこともあって、部下としての印象もあったと思います。“DJ格下”の名付け親は野津さんですし。

今現在の野津さんに対する印象は?

改めて確認し合うことはないけど、お互い信頼しているんじゃないかと思います。“ホームと思ってくれてるんやろな”と野津さんは思ってくれていると思うし、僕らもホームだと思っています。
白山
ここ1~2年はあまり出れてないけど、ブッキングの電話だったり、“最近どうなの?”って電話もくれるし。
小川
僕たちのことをずっと気にしてくれていますね。

天王寺Fireloopでの初ライヴは?

白山
高2の頃ですね。緑橋のセブンデイズ(2013年9月閉店)とFireloopの合同イベントで。その頃、僕たちはセブンデイズに出ていたんですが、翌月にFireloopでも同じメンツでのイベントがあったんです。その時が初めてかな。入場者全員にビー玉を2つずつ渡してお客さんが良かったと思ったバンドに投票するんです。優勝したらCDを出せたりもして。

今までで一番印象に残っているライヴは?

とあるバンドのライヴで、ドラムに突っ込んでなんだか良く分からんことになってるやつ(笑)。
白山
人生初めてのワンマンライヴを高架下のFireloopでやったことかな。Fireloopってもともとは高架下に店舗があって、途中で向かいの地下にもう1店舗できたんです。前半10曲は僕がドラムを叩いて、ベースにサポートに入って。途中で良太1曲がドラムを叩いて、僕がオリジナルソングをギターヴォーカルで歌ったり。その後、僕がベースで駿汰がサポートドラムとして登場して、今の編成でライヴをしたことかな。全パートをプレイした思い出深いライヴですね。
小川
駿汰がBrian the SunとしてFireloopに初めて立ったのはこのライヴですね。

野津さんをはじめ、天王寺Fireloopの魅力はどういうところだと思いますか?

関西のバンドシーンから独立しているところかな。ロールプレイングゲームで、経験値あげないと渡れない島、みたいな。
白山
アメ村のシーンでもなく、堺のシーンでもなく、その間でシーンを確立しているところかな。高架下のキャパが100人で、今の地下のFireloopが200人やから、目標が目の前にあるっていうこともバンドのすごいモチベーションになってましたし。
小川
人間くさくて、いいライヴハウスです。実は、僕がバンドに入ったのはFireloopがきっかけなんです。Fireloopによく遊びに行っていて、そこでBrian the Sunと出会ったのが始まりでした。

天王寺Fireloopでの面白エピソードがあれば教えてください。

白山
ライヴハウスとしても面白いし、出ていたバンドも面白かったし、地域の交流の場でもありました。バンドマンもお客さんもみんな家族みたいなところがあって、冬にはFireloopに集まる人たちみんなで焼き芋をやったり、バーベキューをやったり(笑)。
小川
俺も、バンドには入ってないけどFireloopの集まりにはいましたね。

ライヴで起きた、思わず恥ずかしくなるような出来事やトラブルがあれば教えてください。

白山
Brian the Sunとしてではなく、コピバン企画やさまざまな企画でライヴに出たこともあって。昔、“マイワールド”ってバンド名でライヴをした時に体操服でライヴやったことかな(笑)。
2階の楽屋から手すりを滑って降りてきたりしましたね(笑)。

最後に、野津さんにひと言お願いします。

俺たち、離れてるけどいつも野津さんのことを想ってます。帰ってくる場所があるっていうのは心強いので、ずっと続けてください。

天王寺Fireloop 野津さんからBrian th
e Sunに質問!

Fireloopに出てくれてた間に、ミュージシャンとして自分の中に刻み込んだことがあれば聞いてみたいです。

お客さんがひとりでもいるなら120パーセントでライヴをしましょうってこと。Fireloopに出てた先輩バンドは例外なくみんな常に全力やったような気がする。
白山
自分の部屋でされて嫌なことはステージ上でもしない!です(ステージ上で火を使ったり、水をまいたり、物を壊したりしない)。
小川
人とのつながりの大事さと、自分の信じたものを貫く美学(先輩たちを見て)。
田中
若い時はがむしゃらに突っ走っていい、間違いだらけでもそれが青春だー!ってことですかね(笑)。

OKMusic編集部

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