【Anly ライヴレポート】
『Anly 21st Birthday Live 前夜祭』
2018年1月19日 at Shibuya eggman
1月20日に21歳になった女性シンガー・ソングライターAnlyが、その前日に『Anly 21st Birthday Live 前夜祭』と銘打ち、Shibuya eggmanでワンマンライヴを開催。誕生日を祝うために集まった満員のファンを前に繰り広げた2時間の熱演は、彼女の新たなチャレンジとさらなる可能性を印象づけるスペシャルなものとなった。この日の一番の見どころは、何と言ってもアンコールを含め全14曲をループ・ペダルを使って、その場でギターのフレーズ、アコースティックギターのボディを叩いて作るビート、そしてコーラスを重ねながら演奏したことだ。ライヴは彼女がループ・ペダルを使い始めるきっかけになったエド・シーランの「Don't」のカバーでスタート。その「Don't」と同じトラックをループさせながら、自作の「Coffee」になだれこむと、フリースタイルのラップも披露。彼女の口から不意に飛び出した“ギタ女なんて(レッテルは)コリゴリ”という切れ味の鋭い言葉に、それまで手拍子していた観客が興奮気味に声を上げた。
頭の2曲で観客の気持ちを鷲掴みにしたAnlyは、“みんなと新しい一歩を踏み出したい”と語ると、弾き語りやバンド編成のライヴとは別にループ・ペダルを使った演奏だけを披露する『ループ・ナイト』の立ち上げを宣言。“(その)ボリューム・ゼロをやってもいいですか?”と、ファンキーなギターのカッティングと言葉を投げかけるような歌い方が冴えるレッド・ホット・チリ・ペッパーズ「Can't sotp」のカバー、そして、“歌を聴かせてほしい”という彼女の言葉に観客がシンガロングで応えた代表曲のひとつ「カラノココロ」につなげていった。
ループするトラックを作る時間は、飾らないMCでつないだ。ステージと客席の距離を縮めるという意味では、それも見どころだったはず。また、“一番気に入っている曲”と紹介したR&B調のバラードの「Moonlight」はループするトラックとギターのリズムがなかなかハマらず、何度か挑戦した後にトラックの作り方から変えて披露してみせた。ハプニングだったに違いない。しかし、これっぽっちも動じないどころか、逆に演奏する方法を幾通りも持っていることをアピールするチャンスに変えたんだから、そこには何が起こるかわからないライヴ・ミュージックの醍醐味があったんじゃないか。中盤、Anlyと同じ沖縄出身で同い年のラッパー・Rude Alphaをゲストに迎え、彼の「19」「水平線の向こう」を共演。誕生日の前夜祭にふさわしいパーティー気分を盛り上げると、“自分の中の敵に負けないでください”というメッセージを込めたダンスポップの「ENEMY」、ソウルフルで力強い歌声を聴かせるロックナンバーの「DAREDA」、そしてファンキーな「MANUAL」と重ね、ぐいぐいと盛り上げていった。中学時代の理不尽な経験をバネに作った「MANUAL」は、その大切な曲に込めた“見た目は違っても人ぞれぞれに持っている美しさに気づいてほしい”という想いを、観客と分かち合いながら一緒に歌った。
そして、エド・シーランの「Shape Of You」のカバーでダメ押しで盛り上げると、本編最後はバラードの「Venus」をじっくり、かつしっとりと歌い、伸びやかな歌声の美しさを印象づけた。ラップ調の歌をはじめ、R&Bの影響が色濃いリズミカルな曲が多かったこの日のセットリストの最後に歌ったことで、曲が持つ凛とした美しさはより一層際立ち、観客全員の心に大きな余韻を残したに違いない。因みに2月28日にリリースする新曲「Beautiful」の一節だけを披露したアンコールでは、この日に立ち上げた『ループ・ナイト』のVol.1を、早速4月6日に渋谷WWWで開催することを発表。この日のセットリストがほぼ未音源化の曲の数々で占められていたことを考えると(それも見どころのひとつだった)、『ループ・ナイト』はAnlyにとってチャレンジングなライヴシリーズになっていきそうな予感も! 次回、どんなライヴになるのか楽しみだ。
頭の2曲で観客の気持ちを鷲掴みにしたAnlyは、“みんなと新しい一歩を踏み出したい”と語ると、弾き語りやバンド編成のライヴとは別にループ・ペダルを使った演奏だけを披露する『ループ・ナイト』の立ち上げを宣言。“(その)ボリューム・ゼロをやってもいいですか?”と、ファンキーなギターのカッティングと言葉を投げかけるような歌い方が冴えるレッド・ホット・チリ・ペッパーズ「Can't sotp」のカバー、そして、“歌を聴かせてほしい”という彼女の言葉に観客がシンガロングで応えた代表曲のひとつ「カラノココロ」につなげていった。
ループするトラックを作る時間は、飾らないMCでつないだ。ステージと客席の距離を縮めるという意味では、それも見どころだったはず。また、“一番気に入っている曲”と紹介したR&B調のバラードの「Moonlight」はループするトラックとギターのリズムがなかなかハマらず、何度か挑戦した後にトラックの作り方から変えて披露してみせた。ハプニングだったに違いない。しかし、これっぽっちも動じないどころか、逆に演奏する方法を幾通りも持っていることをアピールするチャンスに変えたんだから、そこには何が起こるかわからないライヴ・ミュージックの醍醐味があったんじゃないか。中盤、Anlyと同じ沖縄出身で同い年のラッパー・Rude Alphaをゲストに迎え、彼の「19」「水平線の向こう」を共演。誕生日の前夜祭にふさわしいパーティー気分を盛り上げると、“自分の中の敵に負けないでください”というメッセージを込めたダンスポップの「ENEMY」、ソウルフルで力強い歌声を聴かせるロックナンバーの「DAREDA」、そしてファンキーな「MANUAL」と重ね、ぐいぐいと盛り上げていった。中学時代の理不尽な経験をバネに作った「MANUAL」は、その大切な曲に込めた“見た目は違っても人ぞれぞれに持っている美しさに気づいてほしい”という想いを、観客と分かち合いながら一緒に歌った。
そして、エド・シーランの「Shape Of You」のカバーでダメ押しで盛り上げると、本編最後はバラードの「Venus」をじっくり、かつしっとりと歌い、伸びやかな歌声の美しさを印象づけた。ラップ調の歌をはじめ、R&Bの影響が色濃いリズミカルな曲が多かったこの日のセットリストの最後に歌ったことで、曲が持つ凛とした美しさはより一層際立ち、観客全員の心に大きな余韻を残したに違いない。因みに2月28日にリリースする新曲「Beautiful」の一節だけを披露したアンコールでは、この日に立ち上げた『ループ・ナイト』のVol.1を、早速4月6日に渋谷WWWで開催することを発表。この日のセットリストがほぼ未音源化の曲の数々で占められていたことを考えると(それも見どころのひとつだった)、『ループ・ナイト』はAnlyにとってチャレンジングなライヴシリーズになっていきそうな予感も! 次回、どんなライヴになるのか楽しみだ。
取材:山口智男