「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
解散の激震から1年余、
SMAPのベストヒットを探る!

CD、音楽配信、カラオケの3部門からヒットを読み解く『臼井孝のヒット曲探検隊』。この連載の概要については、第1回目の冒頭部分をご参照いただきたい。ただし、前回の安室奈美恵からは2017年末までのデータを反映している。

不遇な時代を送った
デビュー当時

2016年12月31日、多くの音楽ファンから惜しまれつつも解散したSMAP。その直前となる12月21日に発売された3枚組ベストCD『SMAP 25 YEARS』は、累計約120万枚のセールスを記録し、あらためて国民的なアイドル・グループであることが示された(ちなみに、同年12月28日発売の全シングルの映像をまとめた『Clip! Smap! コンプリートシングルス』も約50万枚の売上で、さらにベストCDがレンタルにも出荷されていることを考慮すれば合計200万枚規模のヒット現象が起こったと言える)。

そんなスーパー・グループの音楽面における遍歴を辿ってみたい。彼らは1991年9月9日(←この影響からか、彼らの96年までの6人組時代は、ゾロ目発売日が非常に多い)にシングル「Can't Stop!! -LOVING-」でデビューするも、当時はバンド・ブームやシンガーソングライターのドラマ主題歌などによる大型タイアップなどでメガヒットを飛ばしていた煽りを受け、アイドルの人気はいわゆる“氷河期”に突入していた。より正確には、3M(宮沢りえ、観月ありさ、牧瀬理穂)と呼ばれる3人のタレント活動は大盛況だったし、小泉今日子や中山美穂などドラマ主演と主題歌を兼ねたアイドル出身の女性歌手はサバイブしていたのだが、音楽主体の作品となると大きなヒットはなく、SMAP自身も、80年代に少年隊、光GENJI、男闘呼組と華々しくオリコン1位を連発してきたジャニーズ勢の後輩としてデビューした影響は薄く、シングルがTOP10に入るのがやっとという状況が続いていた。

バラエティー番組『夢がMORI MORI』で
本格的なコントに挑戦したことにより
一般層にも知名度が浸透!

そんな中で、バラエティー番組『夢がMORI MORI』へのレギュラーが決まり、アイドルながら本格的なコントに体当たりで挑戦したことで一般層にも知名度が浸透、これに伴いCDセールスも徐々に上げていき、1994年の12作目のシングル「Hey Hey おおきに毎度あり」で初のシングル1位を獲得。以降は、2000年の31stシングル「Let It Be」を除きTOP3級のヒットをキープ(ちなみに、「Let It Be」の発売週は、1位が大ヒットドラマ『ビューティフル・ライフ』主題歌のB‘z「今夜月の見える丘に」、2位がサザンオールスターズの「TSUNAMI」3週目、3位が30万枚限定シングルの大半が初週で売り切れ続出だった頃の浜崎あゆみ「Fly High」で、SMAPは20万枚を超えるハイレベルな4位だった)。特に2002年の34thシングル「freebird」から2015年9月発売の55thシングル「Otherside/愛が止まるまでは」まで初登場1位をキープしてきた。
SMAPの成功の要因として、バラエティーや映画、ドラマなどマルチタレントとしての活躍ぶりが挙げられることが多いが、実際は気鋭シンガーソングライターの楽曲を積極的に取り入れてきたことも大きいだろう。林田健司、スガシカオ、山崎まさよし、コモリタミノル、槇原敬之、そして近年のMIYAVIやゲスの極み乙女。の川谷絵音など、SMAPへの提供曲やSMAPがカバーした楽曲をきっかけとして、さらにステップアップしたアーティストも数多い。つまり、音楽をより大衆化できるポップアイコンとしての魅力も兼ね備えてきたのだ。そんな彼らのヒット現象を振り返ってみたい。

OKMusic編集部

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