【ライブレポート】Bentham、台湾<
Golden Melody Festival>で日本代表
アクト

“台湾のグラミー賞”とも言われる第29回金曲獎(Golden Melody Awards)に関連したショーケースライブ<Golden Melody Festival>が6月20日~22日の3日間で開催され、22日に日本からBenthamが出演した。
台北市内のライブハウス・Neo Studioにて開催された同ライブのうち、Benthamは3日目の“International Night”に出演。タイのロックバンド・Lomosonicやスウェーデン発のポップトリオ・The Magnettesらと肩を並べ現地音楽ファンと音楽関係者らを熱狂させた。
▲Lomosonic

ライブの先陣をきったのはLomosonic。言語の壁を越えたハイエナジーなラウドパフォーマンスを立て続けにぶつけてきた。ギターのリフの中に彼らの母国・タイの空気を感じさせるメロを差し込み、ボーカルのボーイが拳を突き上げ、代表曲のひとつ「WARM EYES」などを含め様々な楽曲で伸びのいいパワフルな歌声をフロアに轟かせる。MCでは台湾語での挨拶で思いを伝え、ライブの最後には大盛り上がりとなったオーディエンスへのダイブを決めた。
台湾の地でタイ発バンドが会場を湧かせた後、という<Golden Melody Festival>だからこその心地よい緊張感の中、ここで出演することになったのが今回唯一の日本出身バンド・Bentham。今年2018年4月の<春天吶喊 ~Spring Scream~>以来早くも2度目の台湾ライブとなった。入場時から4人全員でオーディエンスにクラップを煽り、1曲目「TONIGHT」でボーカル・小関竜矢のハイトーンな歌声で一気に全員の視線を惹きつけ、空気をノセていく。歌終わりに「Thank you!」と小関が声をあげると、フロアからは嬉しそうな喝采が一斉に跳ね返ってきた。

全9曲という限られた時間の中、花道での小関と辻怜次(Ba)のセッションでさらに前へとアピールする「透明シミュレーション」、そして弾丸オイコールからの緩急の激しさで目を離させない「Chicago」まで披露した段階でメンバーは既に汗だく。MCでは小関、辻、須田原生(G)、鈴木敬(Dr)が一人ひとり台湾語と英語を駆使して挨拶していく。MC開け4曲目には小関の“Japanese Anime Song”という曲紹介から「White」(TVアニメ『潔癖男子!青山くん』OP主題歌)をパフォーマンス。キャッチーなJ-ROCKナンバーとして届けていく。
ここで、Benthamから早くも3度目の台湾ライブの告知がなされた。次回の台湾公演は9月30日(日)THE WALL公館 (THE WALL TAIPEI)開催の<激しいDANCEでお祭りTONIGHT>。今度は事務所の先輩であるKEYTALKとの対バンが決定している。

ライブ後半戦ではシャウトが冴える「FATEMOTION」を経て、「クレイジーガール」で小関の呼びかけにフロアが応え、手を突き上げて熱量を高めていく。「激しい雨」の“HEY!! HEY!!”というシンプルなフレーズの合唱は、台湾でも力強くフロアを一つにしてくれた。ステージで汗飛沫を雨のように飛ばしていた小関が花道からオーディエンスに近づき、須田がオーディエンスとの合いの手で「台湾好棒棒!」(タイワンハオバンバン!/台湾最高!)とコールを重ねる。ラストの「パブリック」では「また来るよ、また会おうぜ。台湾、ありがとう!」という締めの挨拶にフロアから大きな歓声があがっていた。
▲The Magnettes

深夜まで続くショーケースライブのトリには、スウェーデン発のポップトリオ・The Magnettesが登場。レベッカとセンナの女性ダブルボーカルがフロントに立ち、タフで艶のあるライブパフォーマンスでフロアを華やかに盛り上げた。攻めのナンバーだけでなく多幸感あふれる「KILLERS IN A GHOST TOWN」や、アリアナ・グランデのカバー披露なども交え、興奮のうちにこの日のショーケース・ライブを締めくくった。

近年、台湾開催の大型フェスの多くに日本アーティストや他国アーティストが招聘されている中、台湾で最も歴史の深い音楽賞とされる金曲獎にもその影響は及びつつある。(なお、昨年の金曲獎にはスペシャルゲストとして日本からGLAYが出演したことも記憶に新しい)今回の<Golden Melody Festival>は初の“International Night”開催という実験的な試みで台湾音楽シーンの最新形を見せてくれるイベントとなった。

ちなみに今回の<Golden Melody Festival>出演にあたり、Benthamの公式YouTubeチャンネルでは初渡台時のドキュメント映像も公開されている。“海外活動をしたかった”という彼らが夢の第一歩に踏み出すまでの意外なエピソードや、メンバー達による小ネタも満載の道中記をあわせて楽しんでほしい。
Photo Credit: Taiwan Television Enterprise
取材・文◎BARKS編集部(宮)

■2018 金曲國際音樂節<Golden Melody Festival>
2018年6月20日(水)、21日(木)、22日(金)台北 Neo Studio
開演 19:00
出演者:
20日【Taiwan Night】/桑布伊、李英宏、柯智棠、草東沒有派對
21日【Taiwan Night】/Diana 王詩安、J. Sheon、Joanna 王若琳、Eric 周興哲
22日【International Night】/Lomosonic、Bentham、The Magnettes

■第29回 金曲獎頒獎典禮(Golden Melody Awards)
2018年6月23日(土)台北アリーナ


■台湾ライブ<激しいDANCEでお祭りTONIGHT>

2018年9月30日(日)台湾 THE WALL公館 (THE WALL TAIPEI)
https://thewall.tw/
開場 18:30 / 開演 19:00
出演:KEYTALK / Bentham (ゲストバンド)
チケット一般発売日:2018年7月9日(月)  日本時間13時 (台湾時間12時)
主催:出力音楽 / Strobo Creature
企画:KOGA Records
制作:Livemasters Inc. / CREATIVEMAN PRODUCTIONS
お問い合わせ:strobocreature@gmail.com


関連リンク

◆Bentham ライブ後ミニインタビュー
◆<Golden Melody Festival>ライブ写真

◆<Golden Melody Festival>オフィシャルページ
◆金曲獎(Golden Melody Awards) オフィシャルサイト
◆Bentham オフィシャルサイト
◆Lomosonic Facebook
◆The Magnettes オフィシャルサイト

■Bentham ライブ後ミニインタビュー

──<Golden Melody Festival>に出演してみて、如何でしたか。

小関:今日は台湾のバンドが出ない日だったのでどうかなと思ってたんですけど、前バンドからの盛り上がりも残しつつお客さんが「日本のバンドってどんな音楽をやってるんだろう」って聴いてくれている感じもありましたし、レスポンスもあって凄く次に繋がるいいライブだったなと思います。

辻:(台湾語でのMCについて)敬は今回本も買って台湾語勉強してたんですよね。

鈴木:ちゃんとやろうかなと思ってやりだしたら一週間もなかったんで、次は三ヶ月あるのでもう一回挑戦していきます。

──今回の来台前に初台湾ライブ時の動画も公開されていましたが、Benthamの皆さんが“海外でやりたい”と思い始めたのはいつ頃からなんでしょうか?

小関:ちょうど僕達がいろんな音楽事務所やレーベルにデモを送ろうとしていた時期ですね。その頃日本のいろんなバンドが台湾やインドネシアに行き始めていたんです。それで友達に“楽しいよ”と聞いていて、その時インディーズでガンガン先頭を行ってたKEYTALKが台湾に行ってて、「ああここは音楽にすごく前向きな人が社長なんだ」と思って事務所にデモ送ったら、不思議なもので社長の古閑さんからすぐ直接電話がきて「ライブ見に来るよ」って。そこから5年ぐらい「台湾台湾…」って言ってました。

辻:それこそ古閑さんが台湾に行くっていうのを知ってて音源送ってってやってて、KEYTALKの次は俺らだって思ってたら後輩バンドの「そこに鳴る」が先に台湾行って(笑)とか紆余曲折あって。

小関:日本人が海外のバンドに憧れて始めるっていうのが僕らの世代より前は基本だったと思うんですけど、いまの日本のバンドは上手いんですよ。だからこれ以降は海外の若い子が日本のバンドを聴いて「自分もバンド始めよう」って風になると思ってて、自分達もそうなれるようにと言うか。どんどん海外でやっていきたいなと思っています。今は。

──台湾以外も?

小関:もちろん。

──そして、台湾では9月30日に早くも3回目のライブが決定しています。

辻:めちゃめちゃありがたいですね。

須田:まさかこんなに頻繁に来られるようになるとは。

──9月のライブに向けて意気込みをお願いいたします。

小関:今まで2回ライブをやってきて、日本の音楽と台湾の音楽の差があるところ、ないところも色々わかってきたので、それを活かしてちゃんと音楽で盛り上がる感じというか、凄く熱いライブにしたいと思っています。

辻:やっぱり回数を重ねることが何より重要なのかなと。今日のお客さんも反応を観ていると国は違えど同じ人間と言うか。そういうところが見えました。やっぱりこうやって知らない土地に来てライブをすること自体凄い幸せで刺激的なことなので、こういう機会を与えてもらえたっていうのがやっぱり良かったなって思うし、それが次に繋がると思うとバンドとしては自信になりますね。

鈴木:ライブバンドとしての真価を問われるというか。日本だと曲を知っている人が多いので、そうではないという前提で、自分たちなりの外国の方へ向けたちゃんと盛り上げられるライブの仕方を今後何回か来ることによってブラッシュアップできたらなと思っています。

須田:次の三回目も含めて全部イベントの感じが違うんです。一度目は野外で、今回は初めてライブハウスで、しかも台湾の方が出ていないステージで多国籍な雰囲気だったし。次はKEYTALKと対バンなんで、またその時の台湾のお客さんの感じに楽しみ半分不安半分ありつつも、その不安をこの三ヶ月で解消してバッチリやれたらなと思っています。

Photo Credit: Taiwan Television Enterprise
取材・文◎BARKS編集部(宮)

■台湾ライブ<激しいDANCEでお祭りTONIGHT>

2018年9月30日(日)台湾 THE WALL公館 (THE WALL TAIPEI)
https://thewall.tw/
開場 18:30 / 開演 19:00
出演:KEYTALK / Bentham (ゲストバンド)
チケット一般発売日:2018年7月9日(月)  日本時間13時 (台湾時間12時)
主催:出力音楽 / Strobo Creature
企画:KOGA Records
制作:Livemasters Inc. / CREATIVEMAN PRODUCTIONS
お問い合わせ:strobocreature@gmail.com


■リリース情報

Major 1st EP『Bulbous Bow』
発売中
・通常盤(CD Only): PCCA.04643 ¥1,500-(税込)
・Bentham屋限定盤(CD+DVD): SCCA.00064 ¥2,500-(税込)
[DVD収録内容]
(1)「Benthamのドキドキ修学旅行 in 沖縄編」完全版 (2)「FATEMOTION」MVメイキング映像
[全5曲収録]
1.Bandwagon
2.Reset
3.FATEMOTION
4.SAYONARA
5.memento


■Bentham ライブ出演情報

2018年6月30日 <アラスカナイズロックフェス>東京 LIQUID ROOM
2018年7月7日 大阪府 心斎橋アメリカ村周辺 19会場<見放題2018>
2018年7月10日 F.A.D YOKOHAMA - Amelie 「ビューティフルライフ」Release Tour 2018
2018年7月15日 <JOIN ALIVE 2018>いわみざわ公園
2018年7月20日 東京 渋谷club乙 - そこに鳴る<4th mini album「ゼロ」>release tour final 〜rewrite the zero〜>
2018年7月21日 <MURO FESTIVAL 2018>お台場野外特設会場
2018年7月27日 新宿red cloth "red cloth 15th ANNIVERSARY"
2018年8月9日 心斎橋BIGCAT<夏休みだョ!全員集合!>
2018年8月11日 国営ひたち海浜公園<ROCK IN JAPAN FES.2018>
2018年8月19日 <MONSTER baSH 2018>国営讃岐まんのう公園

■Bentham 自主企画ライブ

2018年9月6日(木)Shibuya WWW
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 ¥3,000 +1DRINK代
*act:Bentham
※ゲストあり
チケット一般発売:7/28(土)

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