L→R 北澤ゆうほ(Vo&Gu)、大貫みく(Dr)、石渡マキコ(Ba)

L→R 北澤ゆうほ(Vo&Gu)、大貫みく(Dr)、石渡マキコ(Ba)

【the peggies インタビュー】
“ひと夏の恋”という言葉が
好きじゃないんです

カラフルなポップ感と鋭利なバンドサウンドによって支持を集めているthe peggiesのニューアイテム『なつめきサマーEP』は、夏をテーマにした4曲入りEP。夏の衝動とさわやかさを描いた本作について、北澤ゆうほ(Vo&Gu)が語ってくれる。

まずは前ミニアルバム『super boy ! super girl !!』を引っ提げたツアーの手応えを教えてもらえますか?

すごく有意義なツアーでしたね。『super boy ! super girl !!』は3人ともプレイの面で新しい挑戦をしたミニアルバムだったんですよ。ライヴでも演奏面で勉強になることが多かったし、ツアーを重ねるごとにやれることが広がって手応えも増していったし、ライヴバンドとしても成長できました。私たちの気迫がフロアーに伝わっていたらいいなと思います。メンバーもツアーのたびに良くなってる実感があって。ドラムのみくは“ドラムソロなんて恥ずかしい”というタイプだったんですけど(笑)、今は自信を持って叩けてるし、ベースのマキコもライヴ中の表情がやわらかくなってきてますね。

新作『なつめきサマーEP』もライヴ映えする楽曲が揃っていて。今回のテーマはずばり“夏”ですね。

はい! “2018年の夏はこれを聴いてたな”って思ってもらえるEPにしたかったんです。もちろん自分たちはこだわって作ってるんですけど、聴いてくれる人には気軽に夏の楽しさを感じてほしいなって。1曲目の「サマラブ超特急」も2曲目の「かみさま」もインディーズの頃に作った曲なんですよ。ずっとリリースのタイミングを探っていたんですけど、ようやく出せます。

「サマラブ超特急」は夏にぴったりのポップロックチューンだし、すごくライヴ感のあるサウンドだなと。

そうなんですよ。the peggiesはポップなイメージが強いと思うんですけど、こういうロックな部分もちゃんと持っているので。それにポップなロックンロールも昔からあるものですからね。アレンジに関しては3人以外の音をほとんど入れないで、シンプルにまとめてます。夏フェスでも披露すると思うので、私たちが演奏しているところをイメージしてもらえたらなって。実は演奏するのが難しい曲なんですけど、そこはしっかり練習して頑張ります(笑)。

青春真っ盛りの恋愛をテーマにした歌詞も夏にぴったりですね。

歌詞は少し書き直したんです。最初に書いた歌詞は自分の内面のことを描いていて…それはインディーズの頃の私の特徴なんですよね。最近はもっとシンプルな言葉を使うようになっていて、情景が浮かぶようなフレーズも入れたかったから、以前の私と今の私がミックスされている感じになってます。この曲を作ったのは2年くらい前なんだけど、この間に曲の書き方がずいぶん変わったんだなって実感しましたね。

「かみさま」の歌詞も非常に興味深いです。基本的にはラブソングだと思いますが、《生きてたいと願う事は 終わりに近づく事》という深いフレーズもあって。

私本来の歌詞の特徴が出てると思いますね。簡単な言葉を使ってるんだけど、一回聴いただけでは何が言いたいか分からないっていう。この頃はキャッチーなものに対する反骨心があったんですよ。ただのポップなバンドとは思われたくないっていう謎のプライドというか(笑)。「かみさま」の歌詞については…“ひと夏の恋”という言葉があるけど、私、あれが好きじゃないんです。

どうしてですか?

夏になると解放的になって、すぐに誰かを好きになったり付き合ったりするじゃないですか。そういう恋愛が嫌というか、“もっとちゃんとして!”って思うんです(笑)。誰かを想いながら生きることは人生の中でずっと続いていく行為だし、そのことをもっとしっかり考えてほしいなって。「サマラブ超特急」に《最高潮のラヴが超特急で過ぎてゆくんだ》という歌詞があるんですけど、実はそこにも皮肉な気持ちが込められているんです。私はもともと夏が苦手だから、楽しそうに夏を過ごしている人たちに対する劣等感があるんですよね(笑)。

今作にはインディーズ時代からライヴで人気の「ボーイミーツガール」の再録バージョンも。

インディーズの1stアルバム(『goodmorning in TOKYO』/2014年11月発表)に収録した曲なんですが、その頃はレコーディングのことを知らなすぎて、録りたい音と全然違っちゃったんですよ。歌詞も締め切り直前まで書き直していて、書いたその場で歌入れしていた状態だからまったく満足できてなくて。ありがたいことにライヴでもすごく人気なんですけど、“あの音源を聴かれるのはマズい”と思って(笑)、今回録り直すことにしたんです。イントロも新たに作ったので、曲が始まった時に“「ボーイミーツガール」だ!”って盛り上がってもらえたら嬉しいですね。

「ちゅるりらサマフィッシュ~ラブリーサマーちゃんRemix~」も収録されていますが、ラブリーサマーちゃんはメンバーのみなさんの中高時代の同級生なんですよね。

はい。学生の時はそんなに仲良くなかったんだけど(笑)、ラブサマちゃんが音楽をやっていたのは知っていたし、軽音楽部で制作している彼女のことを“どんな感じでやってるんだろう?”とこっそり覗いたりしてましたね。仲良くなったのは卒業してからなんですが、普通の女子高に通っていた子がメジャーデビューして、お互いに頑張っていること自体が励みになるし、こうやって一緒に制作できたこともすごく嬉しくて。ラブサマちゃんは“夏の別荘でだらだら過ごしている雰囲気でリミックスした”って言ってたんですけど、それも彼女らしいなと思います。

今年はフェスにも出演するし、『なつめきサマーEP』とともに夏らしい夏になりそうですね。

the peggiesには夏らしい明るいところもたくさんあるし、このEPを聴いて楽しんでほしいです。私も元気が出るものを食べて(笑)、夏コンプレックスを克服したいですね!

取材:森 朋之

配信EP『なつめきサマーEP』2018年7月5日配信開始 EPIC Records Japan

ライヴ情報

『とびだせペギちゃんマン!~Born in the ME.GA.MAKIKO~』
8/27(月) 東京・下北沢SHELTER

『the peggies 2018冬全国ツアー』
11/20(火) 宮城・仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
11/26(月) 福岡・DRUM Be-1
11/27(火) 岡山・IMAGE
11/29(木) 大阪・バナナホール

the peggies プロフィール

ザ・ペギーズ:中学校の同級生で結成し高校生時代から都内ライヴハウスを中心に本格的に活動を開始。2014年11月に初の全国流通音源『goodmorning in TOKYO』をタワーレコード限定でリリース。16年12月8日に行なった渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライヴでメジャーデビューを発表し、17年5月にシングル「ドリーミージャーニー」でメジャーデビューを果たした。the peggies オフィシャルHP

L→R 北澤ゆうほ(Vo&Gu)、大貫みく(Dr)、石渡マキコ(Ba)
配信EP『なつめきサマーEP』

「サマラブ超特急」MV

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着