2018年6月15日 at TSUTAYA O-WEST

2018年6月15日 at TSUTAYA O-WEST

【ライヴレポート】
『BLACK SHEEP RECORDS
presents We are here!』
2018年6月15日 at TSUTAYA O-WEST

“音がでかい! ライヴで騒げる! 曲がかっこいい!”というエクストリームなアーティスト、バンドのサポートが信条の極めてロックな音楽レーベル、BLACK SHEEP RECORDSが創立3年目にして初めて開催した所属バンドによるイベント『We are here!』。登場した3バンドはレーベルの信条を正しく体現したような強者たち。そのサウンドはおろか、構成人数、容姿もまったく異なっているのだが、むしろそのバラエティー豊かな様子はチームの強固さを示しているかのように思う。孫悟空とベジータとピッコロ。アイアンマンとキャプテンアメリカとマイティ・ソー。バース、掛布、岡田。巨人、大鵬、卵焼き──さながら、そんな様相だ(一部違う)。

■ BACK LIFT ■

2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(BACK LIFT)

2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS presents We are here!』(BACK LIFT)

トップはBACK LIFT。白いTシャツ姿の3人が、まずは渾身のストレートをど真ん中に投げ込んだ。所謂メロコアに通じるキレとキャッチーさを兼ね備えた彼らの楽曲。激しいビートが根底を支えつつも、そのメロディーには独特の抒情性を持つ。加えて、小林 KICHIKU 辰也(Ba&Vo)のMCもとことん熱く、初めて彼らのステージを観る人をも単純にグッと来させるパワーがあるように思う。激しいサークルが巻き起こったフロアーに“一緒に叫べ!”とスタンドに固定されたままのマイクを向け、コール&レスポンスやシンガロングを促したり、ライヴを魅せると同時にこの場にいる全員で騒いで遊ぶ感覚がしっかりあるところもとても良かった。ギターのアルペジオを効果的に使っていたり、ブレイクをうまく取り入れたりと、メリハリの効いた楽曲も印象的で、全体にはどこか清々しさを残すステージだった気がする。

セットリスト

  1. 1. LIFTING ME UP
  2. 2. LOOK UP TOGETHER
  3. 3. HUNGRY
  4. 4. Seeding
  5. 5. GO OVER
  6. 6. Hate
  7. 7. I NEED
  8. 8. You're A Fool
  9. 9. Breakthrough
  10. 10. Youth
  11. 11. with you all the time
  12. 12. Catch
  13. 13. NEVER SAY DIE

■ ヒステリックパニック ■

2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(ヒステリックパニック)

2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS presents We are here!』(ヒステリックパニック)

2番手はヒステリックパニックだ。ストレートがナチュラルに変化する所謂クセ球を得意するバンドで、初見ではその観たこともない曲にたっぷりと翻弄されるが、観慣れてしまえばこれほど面白いものはない。彼らがメジャーデビューすると同時にBLACK SHEEP RECORDSが創立されているので、ヒスパニもメジャー3年目。そのステージングを知るオーディエンスも多く、1曲目(その名も“Black Sheep”!)からダイブが飛び出す。M3のイントロで観客が“待ってました!”とばかりにワッと沸いたり、M5では観客が手でハートをこしらえたりと、ファンの間にライヴの楽しみ方がしっかりと浸透してきていることは間違いない。メンバーそれぞれの髪の色が異なるのはまだしも、とも(Vo)は和装、Tack朗(Gu)は同イベントのスタッフTシャツ、やっち(Dr)はアメコミキャラのパーカーと、バラバラにしてもほどがある感じも、このバンドっぽくて良かった。

セットリスト

  1. 1. Black Sheep
  2. 2. Head Bang!
  3. 3. シンデレラ・シンドローム
  4. 4. Suicide Squad
  5. 5. ガチ恋ダークネス
  6. 6. Love it!
  7. 7. しぐなる
  8. 8. うそつき。

■ Rhythmic Toy World ■

2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(Rhythmic Toy World)

2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS presents We are here!』(Rhythmic Toy World)

トリは今年4月にメジャーデビューを果たしたRhythmic Toy World。レーベルではルーキーだが、そのキャリアが十分すぎることは説明不要だろう。彼らを歓迎するクラップが響き、赤い照明が照らす中、黒Tシャツで統一した4人がステージする。最初も最初、ガーンと白玉一発の出音から圧倒的な説得力。内田直孝(Vo&Gu)が“バックリ、ヒスパニ観てクッソアガッてる”と言っていた通り、イベントならではのいいバイブスがリレーされて彼らのテンションの高さに直結したのだろう。ステージ脇や2Fではバックリとヒスパニのメンバーも盛り上がっていた。パンキッシュな中にもファンキーかつダンサブルなリズムを持つ上、巧みなメロディーラインを操るバンドなだけに彼らのライヴはほんと誰でも楽しめるもの。加えて、この日は最前列にいた9歳の男の子をステージに上げたり、内田が観客に自身をサーフでバーカウンターまで送らせたりと、アドリブのパフォーマンスをぶっ込むのだから、観ていて面白くないわけがない。見事なアクトであった。

セットリスト

  1. 1. ライブハウス
  2. 2. Team B
  3. 3. いろはにほへと
  4. 4. 波紋シンドローム
  5. 5. ブッシャカ
  6. 6. とおりゃんせ
  7. 7. 僕の声
  8. <ENCORE>
  9. 1. さなぎ
  10. 2. ライブハウス
“BLACK SHEEP”とは“一家、仲間の厄介者、面汚し”という意味だそうだ。“ロックが大衆に迎合するな”とは言わないが、過度にすり寄るのは明らかに違う。その意味では、その名を冠したレーベルの心意気や良し!であり、厄介者上等である。アンコールでは出演バンドのメンバーが全員ステージに上がり、Rhythmic Toy Worldの「ライブハウス」を演奏。いつか、このメンバーが中心となって、でかい会場で同じ曲が演奏されたら、さぞかしカッコ良いだろうなぁ…と思う。そう遠くない将来にその想像が現実になることを望む。それに十分、耐え得るバンドたちである。

撮影:タマイシンゴ/取材:帆苅智之

2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』
2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(Rhythmic Toy World)
2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(Rhythmic Toy World)
2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(Rhythmic Toy World)
2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(ヒステリックパニック)
2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(ヒステリックパニック)
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2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(BACK LIFT)
2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(BACK LIFT)
2018年6月15日 at 『BLACK SHEEP RECORDS  presents We are here!』(BACK LIFT)

OKMusic編集部

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