L→R YORKE.(Painter)、Ta_2(Vo)

L→R YORKE.(Painter)、Ta_2(Vo)

【OLDCODEX インタビュー】
音楽、言葉、アート。
全てがリンクする画期的な新世界

TVアニメ『Free!-Dive to the Future-』のOP主題歌「Heading to Over」をシングル発売するOLDCODEX。『Free!』シリーズの主題歌は今回で4作目。それだけにモチーフとなる作品、そして互いのクリエイションに対するふたりの真摯なスタンスが濃密に表れている。

作品につながるギミックやヒントを
今回はいろいろ散りばめている

2月にシングル「Growth Arrow」、4月に配信シングルの「One Side」、そして今回の「Heading to Over」と、今年は随分リリースペースが早いですね。

Ta_2
もう3枚目ですからね(笑)。なので、自分の中では連作になっている部分もありつつ、もちろん全てタイアップ作品が違うので、打ち出しているテーマ性やカラーは少しずつ違うんですよ。「Heading to Over」に関しては、これで『Free!』の主題歌をやらせてもらうのは4作目ということで、続けてやれることの嬉しさと、だからこその意地みたいなものが強かったかな。すごく感情的でもあるし、すごくギミックにあふれた楽曲でもある。

“意地”というのは具体的に言うと?

Ta_2
あえて自分たちが…というか、主に俺が入れている縛りなんだけど。『Free!』の楽曲って1作目の「Rage on」以降、全部BPMを220で統一してるんですよ。それは俺のこだわりで、新しいシリーズで作品を知った人が前のシリーズを観返した時に速度感が変わっているように感じるのが嫌なんです。まぁ、劇場版の主題歌だった「Aching Horns」に関しては高校生である主人公たちの中学生時代の話ということでハーフの110にしてるんですけど、今回の『Free!-Dive to the Future-』では彼らが大学生になるので、やっぱり同じ220でやりたいなと。あと、事前の打ち合わせで監督のほうから“より競技者としての目覚めだったり、男としてひとつひとつ壁を越えて強くなっていくさまを描きたい作品なんです”と聞いていたんですね。確かに年齢的にも一番骨太になっていく時期だろうし、今の自分たちにもすごくオーバーラップするものが多かったから、であれば自分たちの良さが一番出るドロップCチューニングでやりたいなと。ただ、同じシリーズの曲をそういったテーマ性も把握した上で作り続けてる分、自分の中で納得ができるメロディーに辿り着くのに時間がかかっちゃいましたね。

だから、気持ち良いくらい低音が唸る骨太なヘヴィチューンに、もがきながらも挑み続け、光を追いかけ続けるキャラクター像が浮かぶんですね。男性として脱皮しようとする時の一種の苦しさみたいなものも感じました。

Ta_2
なんか楽曲として、“さわやかにやり切ってる!”っていうのは違うんじゃないかと思ったんですよ。競泳がモチーフの作品なので、水だとかさわやかなところに目が行きがちだからこそ、そうじゃない気持ちの面は大事にしたかったんです。歌詞のほうでもYORKE.に今回は攻めてほしいっていう話をしましたね。
YORKE.
そういう具体的なイメージがTa_2の中にあったから歌詞を書くにあたってもいつもより余白のない、ストレートな言葉を選ぶアプローチになったかな。『Free!』の世界観とも改めて真面目に向き合っていて、だからサビに“Take Your Marks”という競泳用語を使いたいってTa_2が言った時もすんなりと納得できたし。
Ta_2
最初は違う言葉で上がってきたけど、ここはどうしても“Take Your Marks”を使いたいって、俺からリクエストしたんです。いわゆる“よーい、ドン!”の“よーい”にあたる言葉なんですけど、その瞬間ってどの選手もみんな絶対に“勝ちたい”と念じてるじゃないですか。その瞬間のピリッと感を盛り込みたかったんですよね。あとは、競泳ってリレーになると4人で泳ぐから、間奏のラップ部分も4分割にして。俺らはステージに上がる時は5人だから、4人でバトンをつないで、最後にギターソロに渡すというかたちにしました。他にもそういった作品につながるギミックや細かいヒントはいろいろ散りばめてます。

言われてみれば、2サビの《窒息しそうな青》なんていうワードも、まさに『Free!』ならでは。

YORKE.
うん。今回は全てが『Free!』というモチーフとシンプルにつながっていて、ひとつひとつに意味がある。物事をクリエイティブする時って、作り手の意図みたいなのが必ず隠れてるからね。全部言っちゃうとつまんないし、歌詞はすでに組み上げた言葉なんで、そこから読み取ってくれたものが全てだということもあるから。その点、アートのほうが説明は必要かもしれないよね。感性で感じるものだから、もうちょっと丁寧に解説してもいいかなとは思う。例えば、このアーティスト写真のバックに置いてある絵にしても“どうしてこんなに色が流れてる?”と訊かれれば、水をぶっかけたからで。最後に水をかけたのは『Free!』から得たイメージで、流れていない飛沫は波のイメージとかって。

そこがOLDCODEXの画期的なところですよね。歌詞を書き、作品の世界観を理解し尽くしているYORKE.さんが、それをアートによって視覚化することもできるという。

YORKE.
そうなんだよね。言葉で書いたことを絵にして、絵からまた言葉を感じてもらってってリンクしてる。Ta_2の衣装にしても、これ、『Free!』の全てのキャラクターの色が入ってるんですよ。それを見て俺もTシャツを塗ったんです。その愛にあふれたファッションにもTa_2の気合を肌で感じたし。だから、絵の前に立っても説得力が強いでしょ?
Ta_2
逆に俺自身、こうやってYORKE.のアートを最初に見られるっていうのがひとつの楽しみだったりもする。で、その前で写真を撮らせてもらうと、それこそペンキの匂いだったり足裏がペンキでベチャベチャになるのが、すごく心地良かったりするんですよ。だから、俺ら、大抵絵の前で撮った写真のほうがいい。
YORKE.
やっぱりパワーが出るよね、なんか。
Ta_2
勝手にスイッチが入る。初めて赤坂BLITZ(現在のマイナビBLITZ赤坂)でライヴした時も、後ろを全部絵にしたいって俺が提案して、それができた時はすごく嬉しかったから。YORKE.の絵を見た時に生まれるそういうワクワク感を俺は毎回楽しんでる。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。