乙支路3街駅の3番を出て歩道をそのまま進み、ふたつ目の角を右に曲がってしばらく行くと『元祖緑豆』が見えてくる。

乙支路3街駅の3番を出て歩道をそのまま進み、ふたつ目の角を右に曲がってしばらく行くと『元祖緑豆』が見えてくる。

【韓国】現地ツウ推し!安い、旨い、
楽しい♪「ソウルの居酒屋」ベスト1
0(前編)

筆者はこの夏、大阪で行ったトークイベントで、『韓国居酒屋ベスト10ソウル編』を発表した。今回はその前編として10位から6位を紹介しよう。

韓国といえば、男子も女子も豪快にお酒を飲む国という印象をもっている人が多いのでは? それは100%当たっていて、いいことがあってもなくても何かにつけてお酒を飲む国柄だ。
この記事の完全版を見る【動画・画像付き】
お酒の多彩さでは、地酒が発達している日本に及ばないが、居酒屋の主人と客が作り出す熱気は日本を上回る。
筆者はこの夏、大阪で行ったトークイベントで、『韓国居酒屋ベスト10ソウル編』を発表した。今回はその前編として10位から6位を紹介しよう。
選考の基準は、コスパがよいこと、主人が人情肌で常連さんとも親しくなりやすいこと、つまみに特徴があることなど。
地元客が多い店がほとんどなので最初は少し勇気が要るが、入ってしまえば居心地のよい店ばかりだ。
第10位 自喜香/자희향(仁寺洞)食材が豊かなことで知られる全羅道(チョルラド)出身の女主人が作るおつまみが、舌の肥えた常連客を喜ばせている店。
韓国ではどんな食べ物にもキムチやナムルなどの小皿料理が添えられるが、この店のそれはひと味もふた味もちがう。
筆者は最初につきだしとして出てくるナムルが大好きで、これだけでマッコリ1本を空けてしまうほどだ。
マッコリは主人自らが醸していて商品化されている。アルコール8度と12度の自喜香マッコリと、6度のかぼちゃマッコリが人気だ。
常連さんには芸術家が多いので、運がよければ全羅道の名物パンソリ(民俗芸能)が聴けるかもしれない。
住所:종로구 경운동 64-25 TEL:02-723-0166 日曜定休
第9位 文化空間アリラン/문화공간 아리랑(安国洞)バーであり、カフェでもあるのだが、遅い時間に個性的な客が顔を出す雰囲気は日本の人気ドラマ『深夜食堂』のようでもあり、新宿ゴールデン街辺りのディープな飲み屋のようでもある。
主人のチェ・ウンジンさんは役者であり、1930年代の漫謡(コミカルな大衆歌謡)の歌い手でもある。
店ではときにはチェさんの歌が入ったCDがBGMになったり、彼女の興が乗れば生で歌ってくれたりする。
夜が更けると彼女を慕う作家、芸術家たちが集まってくる。
10名ちょっと座れば満席。
そのため、隣席の人と自然に言葉を交わしたり、グラスをぶつけ合ったりするようになる。
筆者の著作の熱心な読者さんは年に数回この店を一人で訪れ、もはや常連だ。
住所:종로구 안국동 107-1 TEL: 02-734-1009 日曜定休(臨時休業あり)
第8位 トンチョン・ポウォン/돈정포원(永登浦)「儲からなくたっていいの。ウチで飲み食いして笑顔になってもらえたら、私も幸せだし、食べていけるんだから」
こんな泣かせることを言うのは、ソウルの江南エリア西側の永登浦(ヨンドゥンポ)伝統市場にある『トンチョン・ポウォン』の女将。全羅北道の黄海に浮かぶ離島からソウルの永登浦にやってきた苦労人ならではの言葉だ。
ソウル版“せんべろ”酒場の代表といえるこの店は、焼酎もマッコリも1本3000ウォン、ビールは4000ウォン。
つまみは3000(茹で豚肉)~5000ウォンが主流で、しかも盛りが多い。タッカンマリと焼酎1本のセット11000ウォンなどという激安セットもある。
小腹が空いたときはユッケジャンやコンククス(冷たい豆乳スープの麺)3000ウォン、豆もやしのビビンパ2000ウォン。
こちらも破格だ。7000ウォンのペクハプタン(ハマグリ汁)というスープは酒や辛いもので焼けた口中を癒してくれる。
下町価格だが、安かろう悪かろうではけっしてない
第7位 元祖緑豆/원조녹두(乙支路3街)夫婦で切り盛りするジョン(チヂミ)の店として80年代から行列を作っていた『元祖緑豆(ウォンジョノクトゥ)』。
その人気はいっとき落ち着いたが、ここ数年、懐古趣味の盛り上がりにより、再び脚光を浴びている。
韓国ではジョン(チヂミ)には生マッコリと相場が決まっている。
以前はソウルの長寿マッコリしか置いていなかったが、最近は京畿道の歴史ある醸造所で作られるジピョン・マッコリを出すようになったので、こちらも試してみよう。
つまみは細かく刻んだタコとネギがたっぷり入ったヘムルパジョンがおすすめだ。
これを刻んだタマネギを漬けこんだ甘めの醤油ダレにつけて食べる。野菜がたっぷりなので、油っこさはあまり感じない。
長年、ジョンを焼き続けたご主人は3昨年に亡くなられたが、今は奥さんとお手伝いさんががんばっている。
住所:중구 입정동 272-8 TEL:02-2277-0241 無休
第6位 オンマソン・チジミ/엄마손지지미(千戸洞)千戸洞(チョノドン)はソウルの東の端(地図でいうと右端)にある下町だ。
日本人にはなじみが薄いかもしれないが、有名なウォーカーヒルホテルのふもとを流れる漢江の川向こうといえばわかるだろう。
ロッテワールドのある蚕室(チャムシル)からもタクシーで10分くらいだ。
千戸洞は東京で言えば、位置的にも性格的にも北千住によく似ている。
下町とはいうものの千戸駅の真上には現代百貨店があるし、その南側にはEマート、そのさらに南側にはロデオと呼ばれ若者向けショッピングストリートもある。
ソウル中心部まで地下鉄で30分の距離なので、ここ数年、高層マンションも林立し、街がどんどんあか抜けしている。
しかし、ロデオを突き当りまで歩き、筆者が子供のころから通っている千戸市場やその奥(北側)の東ソウル市場に入ると、雰囲気は一気に地方都市風になる。
ソウルの居酒屋ベスト10第6位の『オンマソン・チヂミ』は、千戸市場の東のずれにある目立たない酒場だ。
メニューを見ると誰もが驚くように、この店の魅力は価格。店名通りチヂミ(ジョン)が目玉なのだが、価格帯はペチュジョン(白菜チヂミ)3000ウォンからトンテジョン(タラのチヂミ)7000ウォンとソウル中心部の半値に近い。
これぞ下町価格だが、安かろう悪かろうではけっしてない。
目の前にある市場で素材を吟味し、下ごしらえをていねいに行い、営業中も黙々と調理にいそしむ女将の姿を見れば、それがよくわかる。
客層は下町らしく、リタイアしたおじいちゃんが中心。日の高いうちからご近所さんが集まって、酒を酌み交わす姿はなんともほほえましい。
ジョン以外にスントゥブチゲやキムチチゲ、トンテ(タラ)チゲなどの鍋やコンククス(豆乳スープの冷麺)もあるので、下町散歩がてらランチも楽しめる。
住所:강동구 천호동 362-41 TEL: 02-442-3073 無休
(次回後編に続く)
※いずれの店も、写真説明文にあるハングル表記の住所をタクシー運転手さんに見せれば、近くまで連れて行ってくれる。

ウレぴあ総研