大城美友

大城美友

【大城美友 インタビュー】
喜怒哀楽、
どんな感情もハッピーな曲にしたい

沖縄在住のシンガーソングライター大城美友。聴くだけで力が沸いてくるエールソングや、等身大の失恋ソングなど、彼女の素顔が見える全7曲を収録したミニアルバム『MI-POSITION』。“私はここにいる”と断言するタイトルが印象的な存在感あふれる作品だ。

デビュー作品となるミニアルバム『MI-POSITION』はとてもパワフルで圧倒されました。全てが熱いエールソングのように感じたのですが、いつもどのように曲を作っているのですか?

私は人より気持ちの揺れ幅が大きいんです。毎日ころころと気持ちが変わるからこそ、自分なりにコントロールやセーブをしながら波に乗るように生活してきました。きっと、これからもそれは変わらないと思います。そんな中で曲が生まれるのは、決まって落ち込んだ時。自分の気持ちを整理できない時に、気持ちを“うわー!”とぶつけるように歌詞を書いているんです。そうすると自然と気持ちが解消されて、ハッピーソングに転換されていくんですよ。

きっと根っからのポジティブなんでしょうね。

そうですね。だからこそ、落ち込んだままの曲や相手を攻撃するような曲にはならないんです。こればかりは私のポジティブな性格に感謝しています(笑)。

気持ちをぶつけた衝動的な歌詞だからこそ、改めて聴いた時に“こんなことを思っていたんだ”と驚くことは?

もちろん“これは言いすぎかもしれない”とか“ちょっと足りない”と思うこともありますよ。ただ、ほとんどが“いい!”って思うんですよ(笑)。その気持ちが1週間続けば、新曲として完成するんです。時間を置かないと本当にその曲がいいのか分からないことのほうが多いですからね。そこは冷静さを大事にしています。

特に自分らしい曲だなと思ったのはどの曲ですか?

「ニャン・ドン・ゴン」です! この曲はいろいろあってめちゃくちゃ怒っていた時に気持ちを爆発させて作ったので、15分もかからずに完成したんですよ。怒りの気持ちがあふれると、もはやハッピーになってしまうんだと実感した不思議な曲でした(笑)。自分の感覚が音楽につながっているんだということを実感した曲です。

感覚と言えば「声が枯れるまで」の1曲だけ、他の曲とは違った切なすぎる失恋ソングで驚きました。

私は本当にポジティブなんですが、恋愛に関しては弱くてドロドロになってしまうんです。不器用でどうしていいか分からなくなるんですよね…。きっと恋愛になると一気に自信がなくなってしまうんです。とはいえ、それも自分だからこそ“とことん悲しめ!”という気持ちで作りました。どんな経験も曲になるし、意味があると思える曲になりました。

人から言われた言葉やライヴなどでの影響も大きいんでしょうね。最近影響を受けたことはありましたか?

青山テルマさんのライヴを観て、感動しすぎると言葉が出なくなるということを知ったんです。あまりにライヴが良すぎて心がギュッと掴まれてしまい、楽しむことすらできなくなっちゃったんですよ。笑うところなのに笑えなかったり…。全部がすごいって思ったんです。終演後に気持ちを伝えようとしたんですが、あまりの興奮でちゃんと話せなかったので、次お会いすることができたらちゃんと伝えたいと思います。

それは悔しさもあった?

絶対にあると思います。今まで憧れのアーティストって具体的にはいなかったんですよね。でも、あの圧倒的なパフォーマンスを観て、初めて“この人が憧れのアーティストだ!”って確信したんです。いつかアドバイスをもらえるように頑張って活動したいです。

毎日いろんなことを経験しているからこそ、それを吸収し、曲にする。これはずっと大城さんの中で続いていくことなんでしょうね。

はい。自分のことを“世界一の素直クソ野郎”だと思っているんですよ(笑)。なので、友達には“騙されないで”って言われるんです。でも、もし信じた人に裏切られたとしても、それも経験だし、曲が生まれるならいいかって思っていて。

あはは。騙されちゃいますね、それは!

ですよね~(笑)。でも、自分のペースで毎日不器用に成長していくんだなと思っています。

そして、今作のリード曲「オレンジバタフライ」はシンガーソングライターの矢野まきさんとの共作になるんですね。

はい。まきさんの色が入っているからこそ、歌う時に自分とは違うパワーを感じてものすごく力が沸いてくるんです。歌詞を共作させていただいたのですが、私の中にあるぐちゃぐちゃな気持ちを、まきさんがきれいにまとめてくださったんです。一番印象的なフレーズは《不器用に羽をばたつかせて》というワード。未だに成長できていないからこそ羽をばたつかせながら前に進んでいる姿が、本当に大城美友そのものなんですよ。さらに、過去の私の経験を話すことで生まれた《飲み込んできた言葉たちに 苦しめられて気づいたこと》という歌詞は16歳の頃の私を歌っているんです。気持ちが荒れていて、人の心を傷付けていた私を、今の成長した自分が腕を引っ張り、一緒に抱えて歩いていくというイメージで歌っているんです。まだ、私も成長し切れてはいないけど…でも、ゆっくり向き合って、受け止めながら、この曲を大事に歌っていきたいと思っています。

矢野まきさんにはどんなアドバイスをもらいましたか?

“暇な時間があれば本を読もう”と言われました。私がまったく本を読まないことをきっと見抜いていたんでしょうね(笑)。ジャンル関係なく読むことで語彙力も増えるし、想像力も広がるので、これからは読もうと決めました。

今作ですが、改めてどんな一枚になったと思いますか?

デビュー作らしい一枚になりました。今も曲は作り続けていますが、過去に作った曲がギュッと詰まっているので、“これが大城美友です”と胸を張って言えるんです。今後もその時の気持ちを大事にしたリアルな“今”を閉じ込めた曲を作り、歌い続けていきたいと思っています。

取材:吉田可奈

ミニアルバム『MI-POSITION』2018年10月10日発売 CROWN VenuS/日本クラウン
    • CRCP-40562
    • ¥2,000(税込)
大城美友 プロフィール

おおしろみゆ:沖縄県在住のシンガーソングライター。高校1年生より本格的に音楽活動を始める。その個性的な歌声が注目を集め、2014年に沖縄で行なわれた世界的なオーディション番組の日本大会『X FACTOR OKINAWA JAPAN』でトップ6まで残る。15年にはSPICY CHOCOLATEのアルバム『渋谷純愛物語 2』に参加。18年10月10日にミニアルバム『MI-POSITION』でメジャーデビュー。大城美友 オフィシャルHP

大城美友
ミニアルバム『MI-POSITION』

「オレンジバタフライ」MV

OKMusic編集部

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