『アドバタイジングウィークアジア』
ビジネスとエンタメのいい関係

DATS、Licaxxx、石野卓球など豪華アー
ティストも出演した「アドバタイジング
ウィークアジア」とはどんなイベントだ
ったのか?

2018年5月29日~6月1日にかけて東京・六本木にある東京ミッドタウンにて開催された『Advertising Week Asia』。『Advertising Week』(アドバタイジング・ウィーク)とは、ニューヨークなど世界5都市で開催されている世界最大の広告の祭典のこと。世界各国からビジネスリーダーが集結し、マーケティング、広告、テクノロジー、エンターテイメントについて探求する。

イベントのビジョンは「熱狂を創りだす〜The Creativity excites the industry」。Advertising Week Asia 事務局長 笠原良彦氏によると、「どの業界でも、革新の裏にはクリエイティビティーと熱狂があったはず。そんな人々が集まり、きれいごとではない真のストーリーを共有する場にできたら」とのこと。いったいどのようなイベントだったのか?

Photography_Reiji Yamazaki
Text_Sotaro Yamada
(『Advertising Week Asia』2018 Highlights)

『Advertising Week Asia』グローバル
なビジネスパーソンの見解に触れる

(落合陽一(c)︎AWASIA)

今回の『Advertising Week Asia』では、メディアアーティストの落合陽一、レアル・マドリード ジェネラル・マネージャーのベゴーニャ・サンスなどが講演者として登壇。Uber、Google、ユニリーバ、コカ・コーラといったグローバル企業のエグゼクティブも登壇し、東京にいながらにしてグローバルなビジネスパーソンたちの見解に触れることができる機会になった。さらには、広告業界初となる電通・博報堂の社長対談や、ソフトバンク白戸家シリーズのCMをつくった澤本嘉光とau三太郎シリーズをつくった篠原誠の対談など、様々なトークセッションも行われた。

また、連日のカクテルパーティーや、コミュニケーション業界で活躍する女性とランチを楽しみながらインタラクティブに話ができる『Woman’s lounge』などを通して参加者同士の交流もさかんに行われた。
(Woman’s loungeの様子(c)︎AWASIA)
(ネットワーキング・パーティーの様子(c)︎AWASIA)
(ネットワーキング・パーティーの様子(c)︎AWASIA)

DATS、Licaxxx、LILI LIMIT、石野卓球
、POLYSICSによるライブ

今年の『Advertising Week Asia』では、J-WAVEとのコラボレーションパーティーとして『J-WAVE NIGHT in ADVERTISING WEEK ASIA』と銘打たれたライブが六本木の「EX-THEATER ROPPONGI」にて開催。DATSLicaxxxLILI LIMIT石野卓球POLYSICS、といった5組のアーティストが熱いパフォーマンスを繰り広げた。

若手からベテランまで射程距離の広いキャスティングだったが、共通点は「デジタルとフィジカルの融合」にあっただろう。

オープニングを飾ったのは、アルバム『Digital Analog Translation System』でメジャーデビューしたDATS。楽曲としてはデジタルを基調としつつも、MONJOE(Vo. & Syn.)を中心としたステージングと演奏にはロックバンドらしい力強さと男臭さがあり、『Advertising Week Asia』の4日間のうちでもっとも熱い時間をつくり出した。
(DATS)
(MONJOE)


Licaxxxは見た目のスタイリッシュさを良い意味で裏切る太めのDJプレイで攻め、男女混合のコーラスワークが非常に美しいLILI LIMITは、洗練されたバンドミュージックで「EX-THEATER ROPPONGI」を心地よい空間に変えた。
(Licaxxx)
(LILI LIMIT)


DJとして国内外で高い評価を受け日本のテクノミュージックを牽引する石野卓球は、シームレスにつながれた楽曲に強弱をつけ、フロア全体の統率者としてさすがの存在感を示していた。そして最後にPOLYSICSが登場すると、会場は一気にロックフェスの様相を呈し、これまでの雰囲気が一変。それまでは行儀の良かったスーツ姿の大人たちが手をあげ、飛び跳ね、バンドの音とグルーヴに身を任せて自分を解放するようなシーンが多く見られた。
(石野卓球)
(POLYSICS)


このように、デジタルサウンドとフィジカル・人間味を感じさせるステージングの両方を得意とするミュージシャンたちによるライブは、「熱狂を創りだす〜The Creativity excites the industry」という『Advertising Week Asia』のヴィジョンにふさわしいものだった。
実は、『Advertising Week Asia』が初めて東京で開催された2016年には、ジョン・コルトレーンの息子でもあるラヴィ・コルトレーンが来日。そして2017年にはRun-DMCのRev.Run(レヴ・ラン)が来日し、それぞれスペシャルライブを披露。このことからもわかるように、『Advertising Week Asia』には、単なる広告業界のイベント的な側面だけではなく、コミュニケーションとエンターテインメントを包括的に捉えたいという意図があるようだ。

ビジネスとエンタメのいい関係

まとめると、『Advertising Week Asia』は3つの点でユニークなイベントだと言えるだろう。

第一に、様々な業界のトップが勢ぞろいし、異なるビジネスゴールを持った人々が世界中から一堂に会する点、そしてそれぞれのあたらしいビジネスを創出する機会を得ていること。

第二に、こうしたイベントが東京で行われ、日本の若者にとって貴重な学びの機会となっている点。これは将来への投資になる。

第三に、ただの講演・交流だけでなく、エンターテインメント性が担保された一大イベント化している点であること。とくに音楽ライブのキャスティングは絶妙であった。キャスティグ自体がイベントのテーマともリンクし、時代性にも合致している。このあたりはJ-WAVEをパートナーに選んだことが功を奏したと言えそうだ。

こうした3つのポイントが、『Advertising Week Asia』を他のビジネスカンファレンスやコンベンションとまったく異なるユニークなものにしている。アートやエンタメがビジネスと結びつくことは、カルチャーの持続的な発展に必須のものだ。だから、『Advertising Week Asia』のようなイベントは、直接的には一般の目に触れることが少ないだろうが、人々の生活を精神的に豊かにすることに大いに寄与していると言えるだろう。ビジネスとエンタメのいい関係がそこにはあった。
Advertising Week Asiaオフィシャルサイト
http://asia.advertisingweek.com

『アドバタイジングウィークアジア』ビジネスとエンタメのいい関係はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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