いよいよ出航! 加藤和樹、石川禅、
鈴木壮麻ら出演ミュージカル『タイタ
ニック』プレスコールレポート

ミュージカル『タイタニック』が2018年10月1日、東京・日本青年館ホールで“出航”した。初日公演を前に、会見と1幕の一部が上演されたプレスコールの様子を写真とともにお伝えしたい。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
本作は、ピーター・ストーン原作で、『NINE』、『グランドホテル』、『ファントム』など数々のヒットミュージカルを手がけたモーリー・イェストンの音楽・作詞によって、1997年にブロードウェイで初演された。1912年に起きた英国客船タイタニック号沈没事故をもとに、その緻密なドラマ性と洗練された歌詞・楽曲は高い評価を受け、1997年度トニー賞、最優秀ミュージカル作品賞、最優秀作詞作曲賞、最優秀ミュージカル装置デザイン賞、最優秀編曲賞の5部門受賞の快挙を果たした。 
2013年には、「船の悲劇ではなく、実際にそこに生きた人々の物語である」という新解釈を加えた、トム・サザーランドによる新演出版がウエストエンドにて初演を迎えた。トム演出のもと、2015年に日本人キャストによる日本版が上演され、今回は再演となる。
アンドリュース役の加藤和樹

まず、出演キャストと演出のトム・サザーランドが登壇し、それぞれ一言ずつ挨拶をした。

設計士のアンドリュース役・加藤和樹:3年前の初演からキャストも半分ぐらい替わり、役者一人ひとりの化学変化と言いますか、役者が変わればこれだけ変わるんだということをひしひしと感じています。トムが「この3年間で自分自身も変わったんだ、成長したんだ」と言っていました。それを受けて、良い化学変化が起きて、全く新しい『タイタニック』が出来上がったと思っております。キャスト・スタッフ、大変な思いをしながら作り上げた作品です。ついに出航という形になりますが、最後まで力を合わせて、無事にこの航海が終えられるように精一杯頑張りたいと思います。
イスメイ役の石川禅
オーナーのイスメイ役・石川禅:こんなに素晴らしい群像劇に、トムの演出で初参加させていただきます。群像劇ってすごいんです。どのパートがなくても完成しない。僕はこの舞台装置を見たときに、本当に感動しました。皆さんと一つの作品を作り上げる大事な歯車の一つとして、皆さんに感動をお届けできるようにしたいです。2週間足らずの舞台ですが、どうぞ足を運んでいただければと思います。
スミス船長役の鈴木壮麻
スミス船長役・鈴木壮麻:3年半前にトムと一緒にこの作品を作った時、どんどん日々変わっていく感動が本当に忘れられなくて、早くこの稽古に参加したいなと思っていました。案の定すごい勢いで色んなことが毎日刻々と変わっていって。役者も大変だったけれども、それに付き合うスタッフさんもアジャストしていくのは本当に大変だったと思います。トムがフォーカスしていることに心を一つにして、ここまで来ることができました。ぜひみなさん、目撃者となってこの出航に立ち会ってください。みなさんをずっと掴んで離しません。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
機関士のバレット役・藤岡正明:労働者俳優と呼ばれている藤岡です。今回も最下層のボイラーマンとしてバレットという役で出演させていただきます。よろしくお願いします。
一等室客室係のエッチス役・戸井勝海:一人ひとりの生き様をしっかりとお届けできるように精一杯頑張っていきたいと思います。
二等客のチャールズ・クラーク役・相葉裕樹:生のライブ感を皆さんと一緒に共有しながら楽しみたいと思います。
一等航海士のマードック役・津田英佑:(突然起立して)船長の最強の右腕として任命されたわけですから、しっかりと船長をサポートし、この航海を無事に滞りなく到着させたいと思います。3年半ぶりなんですけれども、この2か月間稽古して、非常に楽しかった反面、あっという間でした。今日は楽しんでください。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
三等客のジム・ファレル役・渡辺大輔:初参加なんですけれども精一杯頑張ります。そしてみなさんと楽しい時間を共有したいと思います。
通信士のブライド役・上口耕平:通信士としてしっかりと皆様にメッセージを届けたいと思います。
二等航海士のライトーラー役・小野田龍之介:3年ぶりにまたこの作品に携わることができて、嬉しく思っております。本日から丁寧に公演をつとめて参りたいと思います。
バンドマスターのハートリー役・木内健人:素敵なカンパニーの一部になれたことを嬉しく思います。最後まで頑張ります。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
ベルボーイ役・百名ヒロキ:タイタニックの世界を14歳のベルボーイとして元気に走り回りたいと思います。
見張りのフリート役・吉田広大:今回初めて参加させていただくのですが、僕自身初のミュージカル。感動をお届けできるように全力で取り組んでいきたいと思います。
二等客のエドガー・ビーン役・栗原英雄:うちの奥さん、綺麗でしょ?(笑) 綺麗なアリスを愛し続けたいと思います。乗り込む人たちがそれぞれ問題や事情を抱えているドラマを楽しんでいただきたいと思います。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
二等客のアリス・ビーン役・霧矢大夢:栗原さん演じるエドガーと夫婦でございます。私は初参加になりますが、この素敵なカンパニーの皆様と共に、生き生きとしたアリスを演じたいと思います。
二等客のキャロライン・ネビル役・菊地美香:駆け落ちをするという熱い女性なんですけれども、愛することの尊さと強さをお届けできたらと思っています。ご期待ください。
三等客のケイト・マクゴーワン役・小南満佑子:私も初参加となるのですが、素晴らしいキャストの皆様、スタッフの皆様に支えていただきながら、この船出を共にできることをすごく嬉しく思っております。精一杯ケイトを生きて参りたいと思います。
三等客のケイト・マーフィー役・屋比久知奈:この作品に参加することができて本当に光栄に思います。1日1日を大切にしたいと思います。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子

三等客のケイト・ムリンズ役・豊原江理佳:今回初めてこのカンパニーに参加させていただけて、幸せです。エネルギッシュな舞台を皆様にお届けできるよう頑張ります。
給仕係役・須藤香菜:初演に参加させていただいて、大好きになったこの作品にまた出演できることを嬉しく思っています。
一等客のアイダ・ストラウス役・安寿ミラ:アイダさんは実在した人物ですが、女性としても人間としてもとても勇敢な人です。彼女の生き様をしっかりとお客様にお届けできたらと思います。

一等客のイシドール・ストラウス役・佐山陽規:3年前の初演から再演を非常に心待ちにしていました。夫婦愛が伝わると嬉しいです。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
続いて質疑応答が行われた。
−−再演でより深く感じている作品の魅力は?
加藤:装置も変わったけれど、芝居自体はシンプルになったと思います。ミュージカルというと派手なイメージがあるんですけれども、トムが常に「よりシンプルに、シンプルに」と投げかけてくれて。だからこそ芝居がぐっと深まったと思います。
−−共演者との印象的なエピソードは?
加藤:通しをした後などに、みんなで円座になって話すのですが、トムが「みんな遠いのが嫌だ。近くに近くに」と言っていました。本当に家族のような温かさの現場ですね。それがこのカンパニーの印象かなと思います。この雰囲気は、やっぱりトムがいたからこその雰囲気だなと思います。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
−−一番大変だったエピソードを教えてください。
加藤:正直、僕は大変じゃないんですが(笑)、出航のオープニングの早替えだったり、みんながすごく大変です。個人的に大変なことは、お客さんが入ってきたら、もう僕は舞台上にいますので、それが勝負かなと思っています。タイタニックを設計する大事な時間ですから。
−−鈴木壮麻さんに伺います。今回、役を変えてのご出演ですが、見える景色は変わりますか?
鈴木:そうですね。前回のイスメイ役の時は、船長とアンドリュースと3人の場面が多かったんですけど、力学的にイスメイにいじめられている自分は不思議な感覚ですね。思わずイスメイのセリフが出てきそうになったりして。船長という立場で、右腕たちを従えられるのは、とてもファミリー感があって、楽しい感じです。
演出のトム・サザーランド(左)
続いて、演出のトム・サザーランドが、この『タイタニック』新演出について熱く語った。
「『タイタニック』の物語を見せる中で、やはり一番大事にしたいのが、挑戦していく人々の夢、希望、そして野心。タイタニックという船を作った人の話でもあり、タイタニックに乗って給仕をしてお客様に尽くした方の話でもある」
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
「タイタニックは夢の船として有名でした。夢、希望、野望はミュージカルにとって不可欠なものだと思います。タイタニックには1522人の夢を持った人が乗船しています。それをご覧いただきます」
「すごく大切なのは、タイタニックそのものをレプリカとしてお届けしたいわけではないということ。ミュージカルは、出来事を象徴的にお見せすることでもあるので、そういう意味で、タイタニックでの出来事を演劇的に見せたいと思っています」
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子
プレスコールの最後、本作品の冒頭シーン20分ほどが上演された。
多くの人の夢を乗せたタイタニック号が今まさに出航するというシーン。キャストたちは、早着替えをこなしながら、船に見立てた舞台セットと花道を駆け巡る。モーリー・イェストンの音楽が素晴らしいのはもちろんなのだが、これだけ実力派のキャストたちが揃っていると、やはり聞き応えは十分。これからの“航海”もきっと良いものになることを予感させた。
本編は1幕80分、20分の休憩を挟んで、2幕50分。演出の都合上、開演後25分間は座席案内ができないので注意しよう。
ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子

ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子

ミュージカル『タイタニック』プレスコールの様子

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